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2015年はエベレスト登頂回数がゼロだった 今年は、山頂を狙う登山者数が記録的な数に昇ると予想される 

(訳注:この記事の原文は2016年2月14日に公開されました)

Mount Everest from base camp one. Image from Flickr by Rupert Taylor-Price CC BY 2.0

ベースキャンプ1から望むエベレスト 写真:ルパート・テイラー-プライスのフリッカーから転載 CC BY 2.0

エベレストは世界一高い山である。毎年、冒険家や記録を狙う人たちの意欲を掻き立てている。

なんとしてもエベレストの頂上を目指そうとする冒険好きな旅行者が毎年、何千人もクーンブにやってくる

しかし、エベレストは2015年には誰も寄せ付けなかった。この年は1974年以来誰もエベレストの頂上を踏むことができなかったのだ。ネパールで9000人ほどの命を奪った大地震は、世界最高峰のこの山にも打撃を与え、頂上を狙う人たちの野心を打ち砕いた。

地震の後、誰も、エベレスト登頂の 最適期とされる5月中の7日間から10日間といわれる期間に頂上を踏むことができなかった。 地震のために、はしごや登山道が破壊され、登山の安全が確保できなくなってしまったからだ。他の時期にエベレストに登るのは非常に危険である。頂上の気象条件はより厳しくなるからである。登頂最適期以外の気温は-32℃~-41℃となり、風速は 毎秒65m(毎時150mile)以上となる。

この41年間で初めて、だれもエベレスト山頂に達することができなかった。22名が命を失った。Via @SCMP_News @NatGeo

登山中の厳しい気象条件や毎年繰り返される死亡事故にもかかわらず、登山家はエベレスト登攀中に味わうスリルに打ち勝つことはできないようだ。

エベレスト登山の歴史を見ると、エベレスト山頂を極めた登山家100人につき4人が命を失っている。

地震や雪崩を顧みない登山家や冒険家あるいは向こう見ずな輩が、この春はまた大勢、エベレスト山頂を目指してクーンブに押しかけてくるだろう。

エベレスト登頂歴のあるアラン・アーネットはネパールのためを思い、自分のブログ「サミッツ・ドント・マター」の中で、そのような事態が起こらないようにとの願いを述べている。

Yes hundreds will probably return next spring to attempt Everest. Some operators will shift to the north, quietly, or in some case loudly, saying it is safer. People with nothing more than a Kilimanjaro summit will claim to have the proper experience – until something goes wrong. Guides will continue to save lives, doing what they do; and the Everest machine will continue even though it is clear it is time to let Nepal recover.

来春には間違いなく何百人もの登山家がエベレストを目指し戻ってくるだろう。黙ってあるいは場合によっては声高に、北側の方が安全だからと言って北側に登山の拠点を移すやり手の登山家もいるだろう。キリマンジャロの登頂経験程度しかないような人が、エベレスト登頂に必要な技量を持っていると過信しエベレストにやってくる。あげくの果てに、そのような人が最悪の事態を引き起こす。ガイドたちは全力を尽くしてその人たちの救助を続ける。今はネパールの復興に力を入れなければならない時期であることは明らかなのに、エベレストの危険性を十分に認識せずにエベレストを目指す人たちが増え続けている。

エベレスト商業登山

エドモンド・ヒラリー卿テンジン・シェルパ(シェルパとはヒマラヤの少数民族)による初めてのエベレスト登頂成功以来、エベレストへの登頂回数は4093人により延べ7001回という驚異的な数値となっている。

エドモンド・ヒラリー卿とシェルパ・テンジンは、エベレスト山頂に達した世界初の人となった。(1953年5月)

テンジンの息子は「エベレストの抱える現状」に批判的である。エベレストの保全や威厳を犠牲にしてまで、西欧からやって来る多くの登山家に迎合しているというのだ。エベレスト登山はビジネスチャンスをもたらしたかもしれない、しかしエベレストは、登山家以外の多くの観光客をひきつける存在でもあるのだ。

2014年に起こったエベレスト史上最悪の雪崩の一つがきっかけとなって、シェルパたちはエベレスト登山のガイドを放棄する寸前にまで至った。この雪崩で命を失ったシェルパたちの遺族への補償額が微々たるものだったからである。2015年4月のネパール地震に伴って発生した雪崩による死者数はさらに多かった。エベレストの登山者が支払う高額の入山料に比べ、シェルパが手に入れる額は技術料としての名ばかりの額である。登山ツアー会社とネパール政府が大部分の金額を山分けしているのだ。

世界最高峰登頂の実情

エベレストを征服するのはどんなに困難なのかを知りたい人に向けて、エベレスト登頂歴2回のP K シェルパは、登頂までの間に味わう素晴らしい瞬間を写真にして紹介している。エベレストへの旅は普通、世界でも最も危険な空港の一つとされるルクラ空港に到着してから始まる。到着後は、ナムチェバザール村へ向けてのトレッキングとなる。

A bird’s eye-view of Namche Bazaar. Used with permission.

ナムチェバザールの鳥瞰写真 掲載許可済

ナムチェバザールからエベレスト・ベースキャンプ(EBC)までのハイキングでは息をのむような景色を楽しむことができる。このような景色を堪能できるのは大抵、一生に一度の体験である。クーンブ一帯の歩行には厳しさや危険が伴うが、その体験により冒険心を存分に満足させることができる。

ルクラから11日間の歩行を続けて、標高約5400mのEBCに到着する。標高5500mから6100mの間にクーンブ・アイスフォールがある。通常、登山家はこの危険地帯を通過する際には、はしごやロープの助けを借りる。

Climbers at the Khumbu Icefall. Used with permission.

クーンブ・アイスフォールに挑む登山者 掲載許可済

P K Sherpa poses for a picture at the Khumbu Icefall. Used with permission.

クーンブ・アイスフォールでポーズをとるP Kシェルパ 掲載許可済

アラン・アーネットは下記のように語った。

The Khumbu Icefall is a 2,000 foot climb on a moving glacier complete with deep crevasses and towering seracs. Climbers step over the crevasses on aluminium ladders with crampons on their boots. More people have died in the Icefall than anywhere else on Everest's south side in recent years.

クーンブ・アイスフォールは、流れの速い氷河の上にある高さ2000ft(訳注:600m)の氷瀑であり、深いクレバスや聳えるような氷塔が多数付随している。登山者は登山靴にアイゼンを付け、アルミニウム製のはしごの上を通りクレバスを越えていく。近年エベレスト南面のどの区域よりも、多くの登山者がこのアイスフォールで命を落としている。

しかし、この危険な区域を脱出した後も、登山者はキャンプ1、キャンプ2、キャンプ3を確実に通過し最後に標高8000mのキャンプ4まで到着しなければならない。この標高8000m地点は「デス・ゾーン」と呼ばれている。

Climbers trading their way to Camp 3. Used with permission.

キャンプ3への登山道をたどる登山者 掲載許可済

Collecting garbage at Camp 4. Used with permission.

キャンプ4での廃棄物収集作業 掲載許可済

P Kシェルパは、登山中にこの地点に達したときに様々な敬意の念が湧いてくるのを実感した。「キャンプ4つまりデス・ゾーンに到達したとき、四方八方に死体が横たわっているのを目にしました。この痛ましい光景を見たときは胸が締め付けられる思いがしました。これを見た瞬間の悲しい気持ちは言葉では表せません」

登山者は、頂上を目指して大概真夜中に出発する。MountEverest.netは、その様子の一部を公開している。

It’s completely silent. Nobody talks. If you do, you whisper. It is absolutely terrifying and you climb and climb, awaiting [the] first ray of dawn. It’s desperately cold. It's steep and at parts very icy. The ice axe and the crampons cut skin deep into the ice.

静寂に包まれている。話し声は聞こえない。聞こえてくるとしても、ささやきだけである。恐怖に怯えながらひたすら登る。そしてご来光がさすのを待つ。猛烈に寒い。行くてには急峻な登りが控え、所によっては氷がびっしりと張りつめている。ピッケルとアイゼンの爪は氷の表面にわずかに刺さるのみである。

Climbers capturing their moment of glory at the summit. Used with permission.

頂上で栄光の瞬間をとらえた登山者 掲載許可済

頂上を踏んだ時はどんな気持ちなのだろう。

P Kシェルパによれば、それは「世界を征服した」ような気持ちだ。

校正:Mika Saotp

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