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インド・チェンナイを襲う深刻な水不足

注水を待つ水瓶の列 インド・チェンナイ 写真:McKay Savageのフリッカーから転載 CC-By-2.0

インド北部では何百万もの人びとが、モンスーンがもたらす洪水の猛威に見舞われている。しかし、インド南部では、事情が異なる。去年は南西部の雨季が早く終わったために、タミル・ナードゥ州の州都チェンナイ記録的な豪雨に襲われた。その後、乾季が始まると200日間も日照りが続き、まさに一難去ってまた一難という状況に見舞われた。

南アジア干ばつ監視システムが示すとおり、インド南部の干ばつは一般の認識よりはるかに深刻である。インド全土の44パーセント以上が、干ばつというべき状況に陥っている。そのうち17パーセント以上は「深刻な乾燥」状態に陥っている。

約900万人が居住するチェンナイは、急成長をとげている世界の6都市の1つである。チェンナイ住民は自然災害には慣れっこである。同市は、干害と洪水を繰り返し体験してきた。しかし、今回の雨不足はこれまでにない最悪の状態である。

この夏の間チェンナイ市は水不足に陥った。蛇口をひねっても水は出てこなかった。自治体の水道部局は全く水を供給できなくなった

7月12日、250万リットルの水を積んだ列車が初めて、ヴェールールからチェンナイに到着した。水は、チェンナイに隣接する各都市からさらに運ばれる予定であるが、それでも現在の水不足を解消する見込みは立っていない。

タミル・ナードゥ州の水危機克服を援助するために、今日、インド国鉄は250万リットルの水をヴェールールのジョラーペットからチェンナイのビリバッカムへ向けて輸送を開始した。

この特別措置は、タミル・ナードゥ州の水不足が解消するまで継続されるだろう。

州政府が、チェンナイの極度の水不足を和らげようと水の搬入を決めるずっと以前から、チェンナイ市民は、喉の渇きを癒やすために給水車に群がっていた。今年の夏、女性たちが、プラスチック製水瓶を道路に長々と並べて、水をもらう番を待っている光景が見られた。

働き方にも影響が出ている。会社で水が使えなくなったため、従業員に在宅勤務を要請しているIT企業もすでにいくつか出ている。言うまでもなく、市民の日常生活は混乱に陥っている。

国際的に評価の高いジャーナリストのラジャニ・ヴァイディアナタンは下記のようにツイートしている。

我々の誰もが、水を使えて当たり前と思っている。しかし、蛇口をひねっても水が出ないような大都市での生活を想像してみよう。そのような惨状が、インドの大都市の一つであるチェンナイの市民に差し迫っているのだ。

そして、いまチェンナイで起こっていることは、全世界に広がる可能性がある。

インド南部の都市チェンナイは、インドの豊かな大都市の一つである。しかし、断水のためいまや数百万の市民が給水車を頼りとしなければならない状況になっている。給水車が到着すると我先にと人々が群がってくる。ときには、その場に緊張感が走ることがある。我々が視察したある地域では、毎日5つのバケツを持ってくる家族もあった。

7月15日と16日に待望の雨が降った。強い雨だったが、干上がった土地には焼け石に水のようなものだった。チェンナイ市の水供給は、プウーンディ、コラバラム、プザール、およびマラヤンバッカムの4カ所の主要貯水池に依存している。しかし、これら貯水池には、全貯留容量の1パーセントの水も貯まっていない

チェンナイの水危機は一日で生じたものではない。ケアアース・トラスト(生物多様性の保全を目的とするNGO)は2016年の報告書で、チェンナイの湿地はかつての面影がまったくなくなってしまったと指摘している。チェンナイ市の地形に占める湿地帯の全割合はたった40年の間に、80パーセントもあったものが僅か15パーセントに 減少してしまった

ケアアース・トラストの報告書によると、チェンナイ市は他のどの主要都市と比べても良好な水源と十分な降雨があるにも関わらず、市内の3河川、4か所の貯水池、5つの湿地帯および6つの森林は完全に干上がってしまっている。

入念な土地利用計画がなされないまま都市化が急速に進んだため、チェンナイ市の水源確保対策は後手に回ってしまった。 土地利用計画の不備により、森林は激減し多くの水源は枯渇してしまった。そして残った水源に水需要が集中することとなった。

未曾有の水飢饉という現実の直撃を受けて、このような重大な事態を招いた計画の欠如に対して多くの人が不満を抱いている。ニューデリーのサンジョイ・K・ロイは下記のようにツイートしている。
 

#ChennaiWaterCrisis今回の危機を招いた責任は市民と政治家の両方にある。お粗末な将来計画、行政の破綻、展望のなさ。チェンナイ市は、海水淡水化プラント建設に大幅な資金投入をするべきである。水供給ができるようになった他の沿岸各都市を見習うべきだ。

環境保護主義者で起業家でもあるサンディープ・バーマンは下記のようにツイートしている。

世界第2の人口大国においても気候変動に対する対策やデータ集積が不十分である。チェンナイも同様に水危機に直面している。今こそ何か手を打たなければならない時である。

6億の国民が危機に直面している。気候変動はおそらくインドに深刻な情況をもたらすだろう。気候変動により不規則になりがちな降雨が、 最近インド各地を襲った海面上昇あるいは干ばつ、洪水そして熱波などの異常気象の原因になりそうである。

チェンナイの前代未聞の水危機は、インド国内の他の大都市に対する警鐘とも言える。 国民は、次は自分たちの都市が水不足に見舞われるのはないかと戦々恐々としている。ジャーナリストのアヌシャ・プッパラは下記のようにツイートしている。

チェンナイの情況は、ハイデラバードやその他の都市でも起こりうる。これからの世代が水危機に遭わないように、今のうちから節水方法について議論して、後で後悔しないようにしよう。ツイッターでアイデアをシェアしよう。

バンガロールのタルン・クマールは、下記のようにツイートしている。

今こそ国民も政府も水不足や環境変化に注意を払う時だ 。 今日チェンナイで起こっていることは、明日にはバンガロール、デリーやその他の都市で起こるかもしれない。 こんなことを放っておいてはいけない 。

この人たちの懸念は、大げさなものではない。NITI Aayog(インド政府のシンクタンク)は、昨年、驚くべき報告書を公表している。それによるとチェンナイをはじめ21都市の地下水は2020年までに枯渇する恐れがあるという。つまり、インド国内のおおよそ1億の人が影響を受けることとなる。2020年が間近に迫っていることを思えば、我々の将来像はかなり厳しいものと言える

最後にポール・プラディプ・クリスのツイートで締めくくることとする。

マナパッカムの池を清掃する市民

水危機が厳しさを増す中、市民がくり出し貯水池の清掃と修復を行っている。

NITIAayogの警告が、最終的に水危機を大局的に見る一助となってほしい。確かにこの警告のおかげで、水確保の難しさが、漠然とした認識から現実的な認識へと変化してきたのだ。

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