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香港の大学キャンパスが3日間の抗議活動中、戦場と化す

カテゴリー: 東アジア, 中国, 人権, 市民メディア, 抗議, 政治, 法律
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写真撮影:ヴィヴィアン・タム、香港中文大学(CUHK)。営利目的での使用不可。

この記事の原文は2019年11月14日に掲載されたものです。

11月11日から13日までの3日間に及ぶ抗議活動が熱を帯びるにつれて、香港警察は多くの現地大学のキャンパスを戦場へと変えた。中でも、沙田区(サーティンキョイ)にある香港中文大学では最も激しい武力衝突が起きた。

警察当局は、大学の抗議者がキャンパスと吐露港公路(トロ・ハイウェイ)を結ぶ橋(二号橋)から鉄道の線路に物を投げつけたと判断し、橋を守るという名目の下、午後3時15分、機動隊はキャンパスに突入 [2]し、催涙ガスや致死性の低い発射物(訳注:ゴム弾)などを15分間連続発射した。

ネット上で拡散された動画は、香港警察が大学キャンパスへの侵入を強行した後、大量の催涙ガスを体育館に向けて発射したことを明らかにしている。

中大の仲間をリスペクト
今日の香港中文大学(CUHK)
明日の香港のすべての大学
これが、香港の大学の現状だ!!!

警察当局は、現条例の下では、いかなる学校も「私有地」とはみなされず、警察官は令状なしで立ち入り、抗議者を逮捕することができると主張し、公序良俗条例を引用して自らの行動を正当化した。

段崇智(ロッキー・トゥアン)学長は、午後5時ごろ、警察が張った非常線に向かうことで双方の緊張状態を解くこと(訳注:休戦合意)を試みた。学長は、大学警備隊は橋をはさんで構内側に、機動隊は橋の向こう側で待機することを提案した。しかし、その交渉は失敗に終わり、警察は催涙ガスを発射したため、防護服を身に付けていなかった学長は、その場から立ち去るしかなかった。その後、学生たちは機動隊に応戦するために火炎瓶やレンガを投げ始めた。

5時間以上にわたり、戦場と化したキャンパス内の様子は次のようであった。

#香港中文大学(CUHK) [13] の学生たちを助けてください。

機動隊が大学のキャンパスを襲撃したというニュースがインターネット上で拡散された後、多くの大学卒業生が食料、水、保護具、医療用品など多くの物資を持って大学キャンパスに殺到した。例えば、元大学学長の沈祖堯 [16](ジョセフ・ソン)は、負傷者の治療のために約100人の医療専門家と共に、すぐに体育館に緊急医療救護所を設置した。午後10時30分頃、機動隊は退却した。

頭部をゴム弾で撃たれ重傷となった1名を含め100名を超える学生が怪我 [17]を負った。警察は、11月12日一日で1,567個の催涙ガス弾、1,312個のゴム弾、380個のビーンバッグ弾を発射したことを認めた [18]。香港中文大学の学生は、戦場と化したキャンパスで2,356発の弾薬筒を収集した。

今日、香港中文大学(CUHK)で収集された弾薬筒。

11月13日、香港中文大学(CUHK)の学生組合長は、警察が令状なしでキャンパスに入ること、ならびに学校の承認なしにキャンパス内で群衆制御兵器を使用することを禁ずる暫定的差し止めを申請 [21]した。だが、高等裁判所判事はその差し止めを却下した。

警察と学生活動家との衝突は、一部の抗議者が交通を混乱させるバリケードを築いた11月11日から、一般的な抗議活動として始まった。学生に授業をボイコットし、店主たちに店を閉めさせ、従業員に仕事を休むことを呼びかけたこの行動は、政府に抗議者の要求に応じるよう圧力をかけることだった。抗議者の主な要求とは、警察の暴力に関する第三者調査の実施、市民活動を暴動とする見解の撤回、デモ参加者の逮捕・起訴の中止、政治改革などである。

香港中文大学は、警察に襲撃された唯一の大学ではなかった。警察は、香港大学(香港島側にある)、香港理工大学、香港城市大学のキャンパスすべてで催涙ガスとゴム弾を発射した。以下は、それらの大学での武力衝突に関するツイートの一部である。

現在の#香港理工大学(POLYU) [22]
催涙ガスと炎

今朝の香港城市大学(CityU)

香港大学(HKU) MTR出口付近の催涙ガス

最近の衝突は、11月13日、香港浸会(バプテスト)大学で起こった。抗議者が傘とレンガで聯合道(ジャンクション・ロード)を封鎖した後、機動隊はキャンパスを襲撃した。

校正:Aya Murata [33]