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ミャンマー:象の孤児院

カテゴリー: 東アジア, ミャンマー (ビルマ), 市民メディア, 旅行, 環境
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キャンプ・スタッフにより哺乳瓶でミルクを与えられる象のアイヤール・マウン。提供:アン・キヤー・テェ(The Irrawaddy)

この記事 [1]は、ミャンマーの独立系ニュースウェブサイトであるThe Irrawaddyのアン・キヤー・テェが執筆し、グローバル・ボイスとの共有合意に基づいて再掲載しています。

森林管理の職員がイラワジ・デルタのジャングル奥深くで象のアイヤール・セインを見つけたとき、セインは生後3か月の雌の象だった。密猟者によって仕掛けられた鋼の罠に、足がかかっていたのだ。政府の材木切り出し業者の作業員が、この象を助け、治療のために、バゴー地方域のエレファントキャンプに送った。現在、アイヤール・セインは、ミャンマーで唯一の象の孤児院、ウィンガボー・エレファントキャンプ [2]に保護されている8頭のうちの1頭である。

別の象、アイヤール・マオンも、同じような辛い体験をしている。この雄の象は、キャンプに来る前、生後6か月の時に針金のわなにかかった。アイヤール・セインが発見された同じ森の中、巨岩の間に挟まれ動けなくなり、群れはマオンを置き去りにするしかなかった。しかしマオンは森林作業員に助けれられて、昨年(2018年)このキャンプにやってきた。

2頭はこのキャンプで一番若い象の孤児たちだ。一番年長の象は約4歳年上である。すべての象たちが、悲しい生い立ちを持つ。群れに置き去りにされたものもいれば、両親を密猟者に殺されたものもいる。ウィンガボー・エレファントキャンプでは、母親のいない赤ちゃん象に対し、スタッフが毎日人工栄養を与えている。象たちは午前中森の中を歩き回り、キャンプに戻る前に近くの川で体を洗うこともできる。

現在ミャンマーにはおよそ1500頭の野生の象が生息していると言われている。象たちは密猟者による深刻な脅威にさらされており、その被害は1週間当たり1頭の象が殺されるという懸念すべき頻度に達している。

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水浴びの時間 提供:アン・キヤー・テェ(The Irrawaddy)

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子象たちはウィンガボー・エレファントキャンプ近くの川で水浴びのあと、土手をよじ登る。提供:アン・キヤー・テェ(The Irrawaddy)

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キャンプ・スタッフがアイヤール・セインの体温を計測する。提供:アン・キヤー・テェ(The Irrawaddy)

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バゴー地方域のウィンガボー・エレファントキャンプで、スタッフが孤児となったアイヤール・セインに哺乳瓶でミルクを与える。提供:アン・キヤー・テェ(The Irrawaddy)

校正:Sae Shiragami [3]