ネパールで初めてヒョウモントカゲモドキが発見される

ヒョウモントカゲモドキ 写真マット・レインボールド Flickrページより (CC BY-SA 2.0)

ヒョウモントカゲモドキ (学名:Eublepharis macularius)がネパールの新種として 最近登録された。ネパールの研究者や自然愛好家が国の11番目のヤモリの種として正式に認定するなかで、自然保護活動家のなかには違法なエキゾティックペット取引の標的になる可能性を心配し始める人もいる。
(訳注:日本のペット業界ではエキゾチックペットは犬猫以外のペット全般を指しますが、当記事では外来種などの希少ペットの意味で使用しています)

ヤム・バハドゥール・ラワトが珍しい見た目のヤモリをFacebookに投稿したとき、 爬虫類の専門家カラン・シャーは、このヤモリはネパールの新種かもしれないと伝えた。シャーはグローバル・ボイスに「ラワトはそれから投稿を削除しました。その後、私たちの更なる調査によって、この種がネパールにとって本当に初めての発見だと判明しました」と語った。

研究チームの一人、 ジーバン・タパ は Facebook に次のように投稿 した。(訳注:1月29日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)

Happy to share a new species of lizard recorded from Nepal. This documentation from Nepal added a new family, genus and species of herpetofauna from Nepal. Now, this species becomes the 11th gecko species for Nepal.

ネパールでヤモリの新種が登録されたことをお伝えできて嬉しく思います。今回の新種の登録で、ネパールの爬虫類相に新しい科、属、種が追加されました。そして、11番目のヤモリの新種となりました。

野生では夜行性のヒョウモントカゲが2匹、ネパール西部、バンケ郡カムディ生態的回廊で 冬眠した状態で 初めて発見された。この生態的回廊は、ネパールのバンケ国立公園からインドのウッタル・プラデーシュ州にあるサエルワ自然保護区へとつながっている。このひっそりと地中に棲むヤモリは、アフガニスタン、インド北西部、およびパキスタンの乾燥した土地に生息していることが報告されている。そんななか、2016年12月30日に初めて、ネパールの落葉樹林にあるサラノキ(沙羅双樹)でヒョウモントカゲモドキが見つかった。

研究チームはのちに、ヒョウモントカゲモドキが他の場所でも生息している形跡を見つけ出した。さらにもう2匹が、2017年4月18日にナワルパラーシ郡と、2018年6月10日にネパールの西部スルケート郡で発見された。

チームは研究論文に次のように記している。

Common Leopard Geckos remained undetected in Nepal until now. This could be attributable to the secretive nocturnal nature of the species or the limited research on the herpetofauna in western Nepal. These new records from three different localities indicate that the species is likely to have much wider distribution in Nepal, including Banke National Park, which lies between the sites of these observations.

ヒョウモントカゲモドキは、ネパールでこれまで誰にも見つけられずにきた。これは、この種が夜間にひっそりと活動する習性と、研究がネパール西部の爬虫類に限ったせいかもしれない。3箇所の別々の場所から届いた新しい発見は、観察された場所の中間に位置するバンケ国立公園を含め、ネパー ルでヒョウモントカゲモドキが、さらに広く分布している可能性が高いことを示している。

他のヤモリの種と異なり、ヒョウモントカゲモドキは可動式のまぶたを持ち、 趾下薄板(しかはくばん)と呼ばれる、壁などに張り付くことができる足裏の器官を持たない。つまり、瞬きと眠るときに目を閉じることができるが、滑らかで垂直な面は登れない。とても小さな足には無害なかぎ爪が生えている。20年は生きるが、飼育下では30年生きる個体もいる。

高価な人気者

この美しいヤモリは、エキゾチックペット愛好家の間で高い需要があるため、合法、違法両方で取引されている。

ハードウィックヤモリ(別名:インドヒョウモントカゲモドキ)
なんでこれを飼ってないかっていうと、入手がとても難しい。売りに出ていても、人気があるからメチャクチャ高い。これは他のヒョウモントカゲモドキ属も同じ。トカゲモドキだけど、その辺にいるふつーのヤモリやトカゲとはわけが違うんだ。

レプタイルマガジンの取材によると、飼育下で繁殖したヤモリは20米ドル(約2万1981円)から3千米ドル (約32万7100円)が相場である。しかし、 DCネパール(訳注:1月29日現在、リンク先は閲覧できない状態になっている)の報道によると、5匹のヒョウモントカゲモドキが、ネパールとインドの国境地帯で警備隊に押収され、1億8400万ネパールルピー(約1億8000万)の罰金が課せられた。(訳注:金額は2020年1月29日現在のレートで換算しました)

こういった違法なヤモリの取引はインド産のヤモリだと考えられているが、取引業者はネパールのヤモリも狙っているとささやかれている。残念ながら、 国際自然保護連合(IUCN)の絶滅の恐れがあるレッドリストにはこの美しい種は含まれていない。そのため、研究チームはネパールのヤモリの詳しい生息数リストの作成を推進することで、ヤモリの分布がより深く理解でき、このカリスマ種の保護に役立つと考えている。

校正:Motoko Saito

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