カメルーンの住民は、周辺の広大なマングローブ林から多くの恩恵を得ている。彼らは長年にわたり、薪から魚に至るまでの生活必需品を、地元でマタンダの森と呼ばれるマングローブ林から得てきた。
この、低地に広がる防潮効果のある灌木帯は海水中に茂り、南西州だけを見ても、そのほぼ60パーセントを覆っている。しかも、そこだけでなくリオデルレイ、ドウラ地区ウウリ河口、南部ナンにまで広がっていると、環境・自然保護および持続可能な開発機構の南西州代表者エクワディ・ソーンジは語る。
魚の乱獲および樹木の過剰な伐採により、マングローブ林はここ数年深刻な枯渇の危機に瀕している。気候変動による海面上昇もマングローブ林の生態系を脅かしている。そして今、新型コロナウイルス症(COVID-19)によるパンデミックの最中に、魚類の価格急騰は、マングローブ林の枯渇が主な原因だと主張する意見も出ている。
南西州の州都ブエアに住む学生ヨシエン・シイル・キニュイは、
市場に出回っている魚の多くは輸入品である。そのため、価格はより高くなっていると、キニュイは指摘する。 彼女によると、 魚の販売市場を支配している外国の商社が、高額の関税を払っているため魚の値段は高騰しているが、「私の経験では、リンベ海岸で、漁師から魚を買い求めて売っている小売業者から買うとさらに割高になる」とのことである。そしてまた、カメルーン政府は2月に、コロナウイルスの影響で中国から魚の輸入を一時停止する措置を執った。そのため、さらなる高騰が懸念される。
アンダルー通信社によると、2010年時点で、
「マングローブ林が消滅したら、
魚の需要と供給
マングローブ林は、
マングローブの根は、
今年、魚類の年間国内需要量は約40万トンと推定されているが、
何年にもわたり、
「ヨーヨー村(リトラル州サナガ=マリティム県)の道を通ると、
レジーナ・フォンジア・レケは、サナガ=
2500 cubic metres of #Mangroves are lost everyday in #Mouanko #Cameroon. They are harvested to smoke fish n this pressure has led to a drastic reduction in the pop of this vital https://t.co/dX4mGIydMI local NGO,CWCS is trying to turn the tides. Watch how https://t.co/vXFsxI1utc
— Regina Fonjia Leke (@ReginaLeke) December 28, 2018
カメルーンのムナンコでは、1日に2500立方メートルのマングローブが消失している。マングローブは魚を燻製するために伐採されている。この伐採により、活力のある生態系が急激に活力を失っている。 地元の民間非営利団体CWCSはこの流れを変えようとしている。活動の内容は動画に示す通り。
「マングローブの中で最も影響を受けているのはニッパヤシ(
一方、カメルーン森林・野生生物省は、
マングローブ林の保存
同時に環境省は、
2006年には、政府は食糧農業機関の協力を得て、魚の燻製のためにマングローブを伐採せずにすむような代替手段を
こういった努力はさまざまな形で継続している。
Visit to Manoka island with @CIFOR, where the #Cameroon team is working with a local women association to develop a more efficient technology to smoke fish using less wood to protect the mangroves! pic.twitter.com/81fuc4Csyz
— Ahtziri Gonzalez (@ahtzirigonzalez) March 4, 2020
国際林業研究センター(CIFOR)に同行してマノカ島を訪ねた。そこでは、カメルーンのチームが地元の婦人団体と協力しながら、マングローブ林を保護するために、より少ない木材で魚を燻製できる効率のよい手法の開発に取り組んでいた。
Fishing (for men) and fish smoking (for women) are the only livelihoods in the island. This is why @CIFOR and its partners are helping the community to better manage natural resources. pic.twitter.com/wvuOwRRgL6
— Ahtziri Gonzalez (@ahtzirigonzalez) March 4, 2020
男性の仕事とされる漁獲と女性の仕事とされる魚の燻製は、マノカ島における唯一の生活手段である。それ故に、CIFORとその協力者は、地域住民が天然資源を良好に管理できるように助成を行っている。
2011年に、政府は森林再生事業に出資した。「しかし、
By cutting down mangrove trees that have been planted in less than three years and with the government's permission, operators are destroying the mangroves and preventing their regeneration. … We can't reforest all the time when our work is destroyed after two years.
植林してから3年もしないうちにマングローブを伐採すれば、マングローブ林の破壊に繋がり、その再生は望めない。しかも、政府は事もあろうに伐採を認めているのだ。我々の努力が、2年たつと、めちゃめちゃにされてしまうようでは、何年たってもマングローブ林の再生は不可能である。
2013年に、カメルーン政府は3億フラン(訳注:
しかし、
「我が国のマングローブ林は、政府の監視の下に破壊されている」
ネット市民のマグダレン・ンゲベは、「行動を起こさなければ、
What a sad reality about the mangroves of my home country! I have been studying these mangroves for a while now and I must say something urgent needs to be done to turn the tides around.
Cameroon's mangroves could vanish without action https://t.co/ROdAczQbR1— Magdalene Ngeve (@MagdaleneNgeve) January 25, 2020
我が祖国のマングローブは、なんと悲しい現実を背負っていることだろうか。私は以前から我が国のマングローブについて調べてきた。マングローブをめぐる流れを変えるために至急何か対策を講ずる必要があると、私は言いたい。
行動を起こさなければ、カメルーンのマングローブ林は消滅してしまう。