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短編映画が描く、日本で黒人の少年として生きるとは?

カテゴリー: 東アジア, 日本, 市民メディア, 映画, 移住と移民, 芸術・文化, 若者
born with it

映画「 生まれつき (Born With It)」の一コマ。エマニュエル・オセイ・クフォーJr. の Vimeo 公開ページ [1]より。

アメリカ人映画監督エマニュエル・オセイ・クフォーJr. の短編映画「生まれつき」は、母親が新しい仕事に就くために東京を離れ地方に転校してきた、フジイケイスケ少年の話である。日本人だが黒人であるケイスケ少年は、とにかくしんぼうして、自分の力で、同級生の人種差別によるいじめに対処するすべを、何としても学ばねばならなかった。

オセイ・クフォー監督の「生まれつき」はもともと2015年に公開された映画だが、2020年6月にニューヨークのジャパン・ソサエティ [2]ヒューストン日米協会 [3]共同開催した上映会 [4]以降、最近新たに注目を集めるようになった。

シンガポールと日本で 映画作家 [5] として活動してきたオセイ・クフォーは、今拠点をアメリカに移している。映画では母が日本人、父はガーナ人、日本で生まれ育った ダディー・タカスギ [6]が主演をつとめている。インタビュー [7]で、オセイ・クフォー監督はシンガポールの大学院生時代に人種差別を受けた経験から「生まれつき」のアイデアを得たと語っている。また、ケイスケ少年を思いつくにあたっては、黒人との混血の日本人の友人との会話や、彼らから聞いた、日本で大人になるまでの経験談が大いに参考になったとも 述べている [6]

「私の映画を見ることで、 周りと違う人たちが孤立感を無くし、自分たちの独自性にもっと自信を持ってくれることを願います」と、オセイ・クフォーは映画上映後の インタビュー [8]で語っている。

オセイ・クフォー監督の「The First Time [9]」、「When Doors Open [10]」などの短編映画は、ネット上で観ることができる。「生まれつき」もVimeoで完全版を視聴できる。

校正:Mithuo Sugano [12]