アゼルバイジャン ナゴルノ・カラバフ紛争の最中に国内のインターネットを遮断 

ジョーダン・ハリソンがアンスプラッシュに投稿した画像  アンスプラッシュの許諾済み

この記事は当初アゼルバイジャン・インターネットウオッチに掲載されました。コンテンツ共有合意の下にここに転載します。

アルメニアとアゼルバイジャン間の戦闘が激化するのに伴い、アゼルバイジャン当局は9月27日、国内のインターネット利用制限を開始すると告知した。インターネット利用者は、ここ数日複数のソーシャルメディアや通信アプリケーションへの接続が不安定になっていると訴えている。

ナゴルノ・カラバフの山岳地帯とそれに隣接する7つの領土をめぐって対立する主張をしている両国間で、9月27日に戦闘が始まった。双方とも死傷者が出ていると伝えている。以前、接触戦線での砲撃に報復したと主張しているアゼルバイジャンは、28日同国軍は少なくとも7つの村を支配下に収めたと伝えた。

国際関係機関が、両国に即座に紛争を停止し交渉のテーブルに着くように要請したが、双方とも応じる様子はない。

現地時間の9月27日午前10時頃、アゼルバイジャン運輸通信ハイテク省は、「アルメニア側からの大がかりな挑発行為阻止のために」インターネットへの接続を制限しているとの声明を発表した。

9月27日付でアゼルバイジャン当局が発した声明:「運輸通信ハイテク省は、国内におけるインターネット接続を制限する措置を執る。紛争中に接続制限をすることにより起こる不便に対し、アゼルバイジャン国民の理解を請う」 アゼルバイジャン政府ウエブサイトのスクリーンショットから。

実際、一部のインターネットユーザーは、ソーシャルメディアに接続しにくくなっていると報告している。

政府はソーシャルメディア・プラットフォームへの接続だけを制限しているようだ。インターネットへ接続する際には何も問題はない。他のウエブサイトには接続できる。

インターネット接続障害は前日に始まったようだ。ベルリンに拠点を置くアゼルバイジャン人記者 ヘビブ・ムンテジルは9月26日、フェイスブックに次のように投稿した。

Azərbaycandakı internet istifadəçiləri ölkədəki internetin surətindən şikayət edirlər. Bir çoxu xeyli yavaşladığını, foto və videoların açılmadığını deyirlər. Sizdə vəziyyət necədir?

アゼルバイジャンでは、インターネット利用者がインターネットの速度に不満を漏らしている。多くの人がインターネットの動きが鈍くなりビデオや画像の読み込みに支障が生じていると言っている。皆さんの方はどんな具合ですか。

9月27日の何時だったか不明だが、gov.azの拡張子が付いた全てのウエブサイトがダウンした。

mod.gov.azやedu.gov.azなどgov.azの拡張子の付いた全てのウエブサイトが接続不能になっている。

インターネットの利用制限に反対する世界的「キープ・イット・オン(Keep It On)」キャンペーンを繰り広げているデジタル著作権擁護活動の非営利団体「アクセス・ナウ(Access Now)」は、「公共の安全および国家の機密保護、あるいはフェイク・ニュースの阻止といった名目で、シャットダウンを正当化している」と批判している。

このキャンペーンで収集したデータは、近年、シャットダウン件数の増加が顕著に表れていることを示している。アクセス・ナウの調査によると、2019年だけで通算1706日間、33の国で213件のシャットダウンが発生している。

アゼルバイジャンでは、このような接続制限は今に始まったことではない。今年の4月、野党党首は、テレビでのインタビューの前に自分のスマホとパソコンがインターネットへの接続を遮断されてしまった。偶発的な技術上の事故により接続障害が発生したとされているが、意図的にインターネットへの接続スピードを遅らせているケースが間々ある。特に政治が絡んだ場合はそのような事例が多い。

アゼルバイジャンのユーザーの中には、未確認情報の拡散を防ぐためにインターネットを中断すべきだと考える人もいるが、政府がアクセスを妨害すべきではないと言う人もいる。

この記事の公開時点では、政府機関のウェブサイトへのアクセスは依然として不安定であり、ユーザーはインターネットの速度低下やソーシャルメディアのプラットフォームへのアクセスが制限されているとの報告が続いている。

校正:Sumiyo Roland

 

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