世界環境デーを記念して、生物多様性に関するグローバル・ボイスの注目記事の紹介

(訳註:原文の掲載日は2021年6月4日です)

2010年、トバゴ島のバックベイにて海に向かうオサガメの子ガメ。写真撮影ライアン・P・マネット、SpeSeas の厚意により使用許可済。

6月5日は「世界環境デー」である。この日は、環境の死活的重要性について世界的な認識を高めるために、1972年に国連によって定められた。

グローバル・ボイスでは、これまで環境問題を長年幅広く取り上げてきたが、その中でも、環境の健全性を示す重要な指標である「生物多様性」に焦点を当ててきた。生態系における生物多様性のレベルは、その生態系の健全性を示すものである。生物多様性の低下が見られるときは、人口過剰、乱開発など、気候変動を引き起こす様々な要因に歯止めをかけるために社会が行動を起こす必要がある。

グローバル・ボイスでは、多くの記事で、生物多様性の重要性や、世界各地で取り組まれた、生物多様性に関する数多くの成果や課題を浮き彫りにしてきた。ここでは、今年最も私たちの関心を集めた記事を紹介する。

ジャマイカには69種類のミツバチが生息しており、そのミツバチが住民にとって重要な収入源となっている。また、ジャマイカのミツバチの活動家たちは、深刻な気候変動の影響を受けている、国の生物多様性を高めるため、首都キングストンに緑地を増やすよう活動を行ってる。

トリニダード・トバゴのカメは、甲羅の柔らかいものも硬いものも、国内のエコツーリズム分野の柱であり、生物多様性に貢献している。しかし、カメは、肉や卵、甲羅目当てで乱獲されたり、またプラスチック汚染や気候変動に対して非常に脆弱(ぜいじゃく)であるなど、すべて何らかの危機に瀕している

5月20日は「世界ミツバチの日」である。ミツバチの生育環境は単一栽培や農薬によってますます脅かされており、ミツバチが植物の受粉を手伝わなければ、私たちの食料の安全確保も危うくなる。パンデミックはミツバチの生存にも影響を及ぼしている。ロックダウン下の養蜂家は、外出禁止令の適用免除を得ることが難しく、しばしば夜になる巣箱への燻煙(くんえん)作業ができない状態である。 

ネパールでは、漁をする猫として知られるスナドリネコの存在は、生態系の健全性を維持する上で、湿地帯が効果的に役割を果たしていることを示している。しかし現在、ネパールの湿地帯の生態系連鎖全体は、汚染、排水、魚の乱獲、そしてスナドリネコの狩猟によって脅威にさらされている。

密猟防止への取り組みやエコツーリズムの政策により、現地のサイの生息数が大幅に増加していると、ネパールから心強いニュースが届いた。

テクノロジーを活用することで動物保護の強化が可能となる。これは、鳥やコウモリ、昆虫などの移動を自動無線遠隔計測法で追跡する、「モータス」プロジェクトに支えられたアイデアだ。

カメルーンでは、森林は単に多様な生物の宝庫であるだけでなく、チンパンジーの保護区、また地元住民の埋葬地でもある。そのため、伐採計画はこの地の人と動物の両方に大きな影響を与えてしまう。

校正:Motoko Saito

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