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アゼルバイジャン:パンデミックがもたらす障がい者の厳しい現状

カテゴリー: 中央アジア・コーカサス, アゼルバイジャン, 人権, 市民メディア, 開発

インドネシアのCOVID-19と障がい者。提供:アジア太平洋地域における国際労働機関(ILO)、CC BY-NC-ND 2.0

2020年9月、アゼルバイジャンの労働・社会保護省は、「障がいの偽装抑止 [1]」を目的とした施策の一環として、障がい者年金を大幅に削減 [2]した。

今回の措置では、年に1回以上の入院が必要な人のみ、政府からの給付金の受給資格があり、給付金の申請には関連機関に退院証明書を提出しなければならない。

すでに物議を醸している施策に加え、COVID-19による規制により接触を最小限にするため全国の公立リハビリテーションセンターが一時的に閉鎖 [3]され、状況はさらに悪化した。

結果として、多くのアゼルバイジャンの障がい者は、閉鎖された医療機関で治療が受けられないため、現在自分が障がい者であると証明することができない。

多くの障がい者にとって政府年金は唯一の収入源である。労働・社会保護省のデータによると、9月以降、7,000人以上のアゼルバイジャン人 [4]が障がい者用の給付金の受給ができなくなったと推定されている。

2020年9月のインタビュー [3]で、医療・社会専門技術・リハビリテーション庁のグルナラ・アジゾワ広報担当は、COVID-19の規制が解除されれば、当局はリハビリテーションセンターを再開すると述べている。2021年3月19日、アゼルバイジャン当局は、警戒体制を6月まで延長した [5]

このような状況を受けて [6]、3月上旬、多くの家族が労働・社会保護省の建物前で、年金の復活を求める抗議活動を行った。

2021年3月10日、首都バクーの労働・社会保護省の前で抗議する家族たち。ビデオスクリーンショット/Azadliq Radio [7].

同省の建物前で地元メディアの取材に応じた母親たちは、リハビリセンターの再開、年金の復活、現在の経済状況の悪化を考慮した給付金の増額を望んでいると述べた [8]

2020年3月、国連の障がい者の権利に関する特別報告者であるカタリナ・デバンダス氏は、「現在進行中のCOVID-19パンデミックの間、障がい者を保護するために必要な指導や支援がほとんど行われていない」と警告した [9]。さらに、加盟国は、すでに地域社会で構造的な差別に直面している障がい者に対して、「支援の継続性を保証する」ための追加措置を講じることで、障がい者のニーズに対応すべきだと付け加えた。

デバンダス氏は、食品の配達や投薬など基本的ニーズに対応するために、障がい者への経済的支援を強化することを提言した。

政府の支援を受けられない障がい者の中には、家族の支援を求め、民間のクリニックでリハビリ治療を受けている人もいる。

リフェイル・ヴェテンダス・キュリエフさん [10](58歳、元物理学教師)は、Facebookでこう言っている。

Səhhətimdə yaranmış çox ciddi problemlər məni özəl bərpa reabilitasiya mərkəzinə müraciət etməyə məcbur etdi. Dövlət müəssisələrindən imdad diləsəm də səsimə səs verən tapılmadı. Rəhmətlik Məlik Abbasovun taleyini yaşamayım deyə qohum-dostların köməyindən istifadə edərək özəl reabilitasiya mərkəzi olan Suraxanı Tibbi Bərpa Mərkəzində hal hazırda müalicə alıram. Çox gülərüz, mehriban kollektivi var. Müalicələr qaneedicidir. İşlərinə məsuliyyətlə yanaşırlar. Xəstələrə xüsusi diqqət və qayğı göstərilir. Həkimim Sevinc xanım savadlı, işgüzar və bacarıqlı həkimdir, peşəsinə hörmətlə yanaşır. Hər zaman xəstələrinin vəziyyəti ilə maraqlanır, proseduraları qəbul edərkən onları nəzarətdə saxlayır. İmkanı olan əlillərimiz bu müalicə məkəzinin xidmətindən istifadə edə bilərlər.

健康に関する深刻な問題のために、私は民間のリハビリテーションセンターで治療を受けなければならなくなりました。私が何度も申し出たにもかかわらず、公的なリハビリテーションセンターは私の希望に対応してくれませんでした。2021年3月に亡くなった、障がい者のマリク・アバゾフさんのような運命をたどることのないよう、友人や家族の支援を受けて、民間のスラカニ・メディカルリハビリテーションセンターで治療を受けています。スタッフは親切で献身的で、治療は満足のいくものです。彼らは自分の仕事に責任を持っていて、患者は特別な配慮を受けています。私の担当医であるセビンシ氏は、教養があり、専門的で有能な医師であり、自分の仕事に誇りをもっています。彼女は患者の健康状態を気にかけ、経過に対し常に目を光らせています。この場所に来ることができる経済的に余裕のある障がい者は、サービスを利用することができます。

国の規定によると、アゼルバイジャン人の障がい者や寝たきりの患者は、政府による専門的な健康在宅ケアサービスを受ける権利がある。しかし、国際赤十字・赤新月社連盟(IRFC)の「COVID-19の高齢者および介護者への影響に関する2020年11月の国別報告書 [11](現在閲覧できません)」によると、サービスは国内では広く提供されておらず、利用できない。

また、報告書では、特に慢性疾患を持つ高齢者や障がい者が、病院、薬局、救急サービス、総合病院の利用の困難を感じていることを指摘している。

校正:Moegi Tanaka [12]