オデーサの街の壁に巨大猫 戦争だけでなく多彩なテーマのストリートアート

オデーサ中心部で見かけた古いソビエト車。お馴染みのLBWS猫が描かれている。フィリップ・ヌーベルによる写真、許可を得て使用。

オデーサに住んでいたり訪れたりする人なら誰でも、建物の壁や正面、ニューススタンドなど都市の地肌をキャンバスにして描かれたちょっとユニークなキャラクターを多分ご存知だろう。それはLBWSとサインされた巨大な笑う猫だ。さて、このストリートアートの作者の正体は?

オデーサ市中心部、プーシキンスカヤ通りで日向ぼっこをする猫。フィリップ・ヌーベルによる写真、許可を得て使用。

グローバル・ボイス(GV)は、インスタグラムのアカウントをたどって、謎の4文字、LBWSに隠された意味とプロジェクトについてアーティスト本人から聞き出した。LBWSは、ロシア語の4つの単語の最初の子音を並べた頭字語で、Лучше(より良く)、 быстрее(より早く)、выше(より高く)、сильнее(より強く)から来ているという。LBWSは、「これは、私たちがスポーツの練習に励んでいた時代のフレーズからいただいたのです」と付け加えた。

オデーサ生まれのLBWSは、巨大猫を選んだ理由を次のように説明した。このプロジェクトは2017年に始まり#animalbws というハッシュタグで絶滅危惧種の動物を描いてきた。その中にはヨーロッパヤマネコもいたが、結局それが一番人気だと分かった。「その上、オデーサの非公式シンボルのひとつが猫だったのです」とアーティストは付け加えた。確かに、オデーサは古い庭や古い通りの街としてよく知られており、そこには地元の住民から餌をもらい、可愛がられている猫たちがよく見られる。

オデーサ市は港町でリゾートの中心地である。そこでは魚の売買が行われ、海岸や浜で釣りをする人の姿もよく見かける

オデーサでは、巨大猫の大きな落書き(高さは2メートルを超えることもしばしば)があり、色が鮮やかなだけでなく画像に力強い文句が添えられ、とても目立っている。LBWSが説明するには、これらのアート作品はオデーサだけでなく、ウクライナの他の5つの地域とボスニア・ヘルツェゴビナの一部でも見ることができる。また、ボスニア・ヘルツェゴビナの国旗はウクライナと同じ青と黄色を使用 している。

LBWSの話では、自分たちの作品でウクライナでの戦争にテーマを絞ったものはまだごく一部だと言う。
Но так как эта тема сейчас на слуху , не удивительно что наибольший отклик имеют именно военные рисунки.

今この戦争がみんなの関心を引いていることを考えると、軍事をテーマにした壁画が一番反応が大きいのは当然です。

 

ここでは、オデーサのストリートで撮られた写真やLBWSのインスタグラムからの画像を組み合わせたミニ・ギャラリーをお見せする。

オデーサ中心部で見かけたLBWS猫には「優しく」という意味の「Бути добру」の言葉が。フィリップ・ヌーベルによる写真、許可を得て使用。

オデーサ中心部に置かれた古いソビエト車にもお馴染みのLBW猫。フィリップ・ヌーベルによる写真、許可を得て使用。

こちらのLBWS猫は温かいお茶を楽しんでいるのだろう。フィリップ・ヌーベルによる写真、許可を得て使用。

このLBWS猫にはアゾフスタリというサインがある。ロシアの侵略に抵抗し、ウクライナの抵抗の象徴となったアゾフスタリ製鉄所 をイメージしている。

ウクライナで最も人気の料理、ビーツのスープ、ボルシチを「私たちの」と言っている。

他のLBWSの作品はインスタグラムのページでご覧ください。

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