ウガンダ難民居住区の価格高騰と資金不足による食糧不足の深刻化

Congo refugees in Uganda The new arrivals of refugees in Uganda from the Democratic Republic of Congo are registered in order for them to receive basic services like food, shelter, water, sanitation and health services. Uganda's policy on refugees allows the refugees to work, grow their own food and to integrate with the local communities. Image Credits; Attribution-NoDerivs 2.0 Generic (CC BY-ND 2.0)

ウガンダのコンゴ難民。コンゴ民主共和国から新たに来た難民は、食料や一時収容所、水や保健衛生サービスのような基本的な支援を受ける為に登録される。ウガンダ政府の難民政策では、難民が働き食物を育てウガンダの地域社会に溶け込むことを認めている。画像著作権 Flickrより 表示・改変禁止(CC By-ND 2.0)

(この記事の原文は2022年12月1日に掲載されました)

ウガンダは政治亡命者の受け入れに寛容だとよく賞賛されている。現在、主に近隣の南スーダンとコンゴから約150万人の難民と亡命者を受け入れている。しかし北部の乾燥度の高い居住区では、受入れコミュニティと難民との間で物資を巡る争いが激化している。

いくつもの危機の相乗効果で、ウガンダの難民居住区の食糧危機が一段と悪化している。例えば新型コロナウイルス感染症の世界的大流行による長引く経済不況や気候変動の農作物への影響で、主要な人道支援団体の資金が不足したり、世界的に食糧が高騰しているのだ。

世界食糧計画(WFP)は難民居住区への食糧と栄養プログラム提供を任務とする国連機関である。この機関は今、新型コロナウイルス感染症の世界的流行時の食糧提供国や代理機関の減少による慢性的な資金難と、ロシアのウクライナ侵攻を原因とする食糧価格の高騰をきっかけとした活動費の増大に直面している。その結果のひとつが、ウガンダの受け入れ難民の必要を最低限満たすよう計画された食糧配給量が2022年までに半減されたことだ。この決定はWFPのデビッド・ビーズリー事務局長の言葉を借りると「心が痛む」ものだが、この乏しい資金を世界中でもっとも必要としている人たちに再配分しなければならない。すでにウガンダモニター紙のこの4月までの報道によると、ウガンダ最大規模のビディ・ビディ居住区の難民の人たちは、100%配給の復活を正式に要求していた。

[One] refugee, Ms Esther Lokudu, said food scarcity may make some of them plunge into hunger. “WFP has stopped giving us vegetable oil and has replaced it with cash of Shs5,000. This money is not enough because the prices of commodities have gone high and the money can’t do anything,” she said.

エスター・ロクドゥも難民の一人で、食糧不足のために飢餓状態に陥る人が出るかもしれないとし、次のように述べた。「WWFは植物油の配給をやめ、代わりに現金5,000ウガンダシリング(日本円換算176円)が支給されました。でも物価が上がっていてこのお金では不十分。このお金ではどうにもならない」

グローバル・プレス紙の報道のように、難民たちが直面しているこの食糧危機は、特に難民と受け入れコミュニティとの間に緊張を引き起こしたり再燃させたりする可能性がある。

Frank Walusimbi, the associate communications officer at the UN Refugees Agency (UNHCR), says the agency is aware that conflicts may arise when refugees don’t get enough to eat. Food shortages can cause tension and anxiety, which can threaten peaceful coexistence between refugees and host communities, he says. 

国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のフランク・ワルシンビ副広報官によると、難民に十分な食糧が行き渡らないと衝突が起こることにUNHCRは気づいている。食糧不足が緊張と不安の原因となり、難民と受け入れ側の平和的共存を脅かす可能性を彼は指摘している。

世界的な不況が少なくとも2023年まで、おそらくはその後も続いていくと予想されるなかで、近い将来の人道的支援の大幅な増加は今のところほとんど望みがない。その代わりにEUのような人道支援機関や国際交流団体とウガンダ政府が、難民の人たちが陥っている食糧危機をもっと時間をかけて解決する方策に目を向けている。特に力を入れているのは、地元の農業生産と技術の向上や環境保護である。ウガンダ国家計画局(NPA)議長を務めるパメラ・ムババジ教授は、地元の食糧システム構築のために介入すれば起こりうる可能性をこう語っている。「新型コロナウイルス感染症やウクライナとロシアの戦争のために経験したような、世界的な食糧供給危機のウガンダへの影響を和らげるだけではありません。農業部門を実際に好転させて、ウガンダを理想的な地域の食糧バスケット的な場所にすることができ、同時にウガンダのGDPと農家の収入を大幅に増やすこともできるのです」

将来の国際的な危機に備えて難民居住区の食糧安全保障を強化するというメリット以上に、地域の食糧システムへの取り組みは難民と受け入れコミュニティとの対等な協力関係の道を開く。このような活動を共同で行うことで、コミュニティ間の関係が改善されることは明らかだ。それと同時に、回復力のある全国的な食糧システムを構築することが、東アフリカで平和を築き続けるための重要な推進力となるのだ。

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