トルコ激震地にモスクから流れる童謡のメロディ

(原文記事は2023年3月7日に掲載されました)

カフラマンマラシュ県はマラシュの名でも知られ、1ヶ月前にトルコ南東部を直撃した2つめの壊滅的大地震の震源地だ。マグニチュード7.8の最初の地震がガジアンテプ県を直撃した約9時間後に、この2回目の地震が起こった。この地域の被災規模はこの1ヶ月間、メディアが広く伝えている。世界保健機関(WHO)の発表では、何万人もの死者と何百万人もの被災者を出したこの地震はヨーロッパ「最悪の自然災害」となった。この記事作成の段階で、死者数は公式発表で4万5,968人にのぼるが、実際はそれ以上になるだろうとも言われている。そして被災者は約1400万人に及んでいる。

地震発生から1ヶ月経った今、避難できなかった現地の住民たちは、被災地に散在するテント村やコンテナに留まったままだ。状況は絶望的だ。公式な統計発表では、現在140万人以上の人たちがテントで、3万人以上の人たちがコンテナ村で生活している。それ以外の人たちはホテルやゲストハウスや学生寮に入ったが、それらの施設は震災後まもなく差し押さえられたものだ。

しかし悲嘆と怒りが渦巻く真っ只中にも、希望の光は差し込むものだ。オメル・ファルクおじさんと呼ばれる元ムスリム導師(イマーム)の被災者にあたたかく寄り添う姿がニュースとなって広がったのだ。カフラマンマラシュ県内で被災した子どもたちだけでなくおとなたちの気持ちも慰めようと、オメル・ファルクおじさんはトルコの古い童謡を歌い届けることにした。彼の歌声がモスクのスピーカーから流れると、被災者にとって重要なひとときの心の救済になると思ったのだ。

次のツイートはアミネ・センチュルクからのものだ。アミネは心理学者で、地震で被災した子どもたちの心のケアと生活のサポートをしようとこの地に入った。アミネは現地で活動している心理学者たちと協力し、子どもたちを集めて一緒にゲームをしたりして、地震のトラウマから回復する手助けをしようとしているところだとオメルおじさんに話した。すると彼にある独創的な解決策が浮かんだのだ。

カフラマンマラシュにいます。オメル・ファルクおじさんはアブドゥルハミド・ハン・モスク礼拝堂の元導師です。私たちの悩みを彼と話し合いました。すると、翌日の約束の時間に放送をするから心づもりをしておけと言われました。私たちはうなづきましたが、正直言ってこんなことが起こるとは思いませんでした。ここには善良な人々がいることを皆さんに知って欲しかったんです。

 

ここはカフラマンマラシュ。オメル・ファルクおじさんは元導師。この国にはこんな善良な人がいるんです。オメルにかかると子どもだけでなく大人も笑顔になるんですよ。

このトルコの古い童謡はアリ・ババ(アリ父さん)という名の農夫とその農場についてのだ。そこには羊や鶏がいれば犬や猫や牛もいる。そして子どもたちも。

校正:Namsu Seo

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