
バングラデシュの飲み物と言えば紅茶である。若手アーティストのトゥファン・チャクマは、茶農園で働く労働者の低賃金がもたらす苦境を絵で表現し、人々が飲んでいるのは茶農園労働者の血ではないのかと問いかけている。イメージはフェイスブックから許可を得て転載。
バングラデシュの茶摘みの最低日給が120タカ(1.26ドル)から170タカ(1.80ドル)に上げられた。これは、茶農園労働者がおよそ3週間にわたってストをした結果である。彼らは英国の植民地支配者から引き継いだ産業で働いており、同国で最低の賃金しかもらっていない。いまでも、バングラデシュで最も日が当たらず搾取されている人たちである。茶農園労働者は、300タカ(3.16ドル)の日給を求めてストに訴えたものの、シェイク・ハシナ首相が茶農園主と交渉しておよそ25%アップとなる先ほどの賃金で決着させた。2022年8月27日のことである。
茶農園主協会(Tea Garden Owners Association)の主張によれば、茶農園は、住居や医療基金の提供、退職手当や毎週の食費補助の支給を行っており、子供の初等教育に対する支援も合わせれば、昇給前でも日給400タカ(4.20ドル)以上になるとしている。これに対し、同国にあるさまざまな労働者の権利団体や市民団体が茶農園労働者の要求に支持を表明した。
茶農園労働者の労働組合は日給300タカ(3.16ドル)への昇給を求めて抗議したが、労働者自身は170タカ(1.80ドル)への昇給で満足しているようである。SNSでは、彼らが喜んでいる様子を撮影した動画が紹介されている。それでも首をかしげている人たちが多い。インフレで生活費が高騰しているなかで茶農園労働者がどうやったら低賃金で暮らしていけるのか合点がいかないのである。
茶農園労働者のシーマ・マハリがBBCバングラとのインタビューでこの疑問に答えている。
না হয় বাগানের জমিতে থাকি, কিন্তু ঘরের মেরামতের খরচ আমাদের। কাপড় কিনতে হয়, বাচ্চাদের পড়ালেখা করাতে হয়, চাল, ডাল সবজি কিনতে হয়। এই ১২০ টাকায় কি এতো কিছু হয়?
農園主たちは、茶農園が提供した家に住んでいるではないか言うかもしれないけれど、家の修理費はこちらが負担しています。服も買わなければいけないし、子供の教育費もある。米や豆、野菜も買わなければいけない。120タカで足りると思いますか?
首都にある高級なお店で紅茶を飲むと1杯120タカ(1.26ドル)では済まないのに、茶農園労働者の稼ぎは少なく、市場で鶏肉や野菜を買うことすらできない。茶葉を調理して食べる人までおり、普段の食事でよく出る一品になっている。ライターのカサファダウザ・ノーマンは、これについて次のように書いている。
এই অঞ্চলে চায়ের চেয়ে রোমাঞ্চকর জিনিস আর কী আছে? আমাদের প্রেম, আড্ডা, গল্প, গান, বিপ্লব, বিদ্রোহ কোনো কিছুই চা ছাড়া হয় না। বিজ্ঞাপন মারফত আমরা জানতে পারি কাপ শেষ হলেও রেশ রয়ে যায়, এক কাপ চায়ে তাজা হয়ে যাওয়া যায় নিমেষেই, এমনকি চায়ে চুমুক দিয়ে আমরা বদলে দিতে পারি পরিস্থিতি, প্রতিবাদ করতে পারি যেকোনো অন্যায়ের, পেয়ে যেতে পারি যুগান্তকারী আইডিয়া। কিন্তু বিজ্ঞাপনে চা শ্রমিকরা সারাজীবন ব্যাকগ্রাউন্ড প্রপস। দুটি পাতা একটি কুড়ি তোলার সুন্দর দৃশ্যটি আমাদের কাছে আরও সুন্দর হয়ে ওঠে দারুণ সিনেমাটোগ্রাফিতে। আর আজকাল তো নগরীর অভিজাত চায়ের দোকানে এক কাপ চা বিক্রি হয় ১২০টাকায়। সে চায়েরও হয় ফুড রিভিউ। অথচ শ্রমিকদের ১২০টাকার অসুন্দর জীবনের দৃশ্য সিনেমাটোগ্রাফিতেও আসে না, খবরেও খুব একটা পাওয়া যায় না। কারণ তারা চা পাতা ভর্তা খেয়েই কাটিয়ে দিচ্ছে বেহেশতি এই জীবন!
この国では、紅茶にまつわる話ほど美化して語られるものはないでしょう。恋、雑談、物語、歌、革命の中で紅茶が出てきます。宣伝文句では、なみなみと注いだ紅茶1杯飲んでも喉の渇きはいやされない、紅茶1杯飲むと気分爽快、と言っています。紅茶をすするだけで、どんな事態も変えられ、不正と戦えます。革新的なアイデアが浮かぶこともあります。しかし、宣伝に出てくる茶農園労働者は生きた小道具なのです。茶摘みの美しいシーンは撮影技術のおかげで実際より美しく見えています。現在、高級なお店だと120タカは取られるし、紅茶を取り上げるグルメ評論家もいます。しかし、わずか120タカの日給で悪戦苦闘している労働者の生活シーンを描いた動画はなく、主要メディアが取り上げることもありません。この地上の楽園で茶葉を食べて命をつないでいるからです。
同国では多くの巨大プロジェクトが進められ、経済発展を支えている。タスミア・アフリン・モウは、これについてフェイスブックに次のように投稿している。
এত উন্নয়নকালে এই পোস্টার দেখতে হয় কেনো? ১৭০ টাকা রোজে মাসে ৩০ দিন কাজ করলেও চা শ্রমিক মাসে আয় করবেন ৫১০০ টাকা। কোনো আমিষ না, কোনো নিরামিষ না, কেবল ভাত আর রুটি হয় এই টাকায়?
発展を続けるこの国で、どうしてこんなポスターを目にしなければならないのだろう(編者注:ポスターには「パンとコメが食べたい。日給300タカを要求する」と書かれている)。日給が170タカに増えたことで、月収は5,100タカ(54ドル)になる。(月に)これだけでは肉や野菜どころか、コメやパンを買うことすらできない!

シレットにあるマリニチャラ茶農園、シャーノール・ハビブ・ムンムン撮影、ウィキペディアより、CC BY 3.0
バングラデシュの紅茶産業
バングラデシュにおける茶栽培は、英国による植民地支配の時代に始まった。1840年、最初の茶農園が港町チッタゴンに開設された。しかし、産業としての茶栽培は1857年にシレットで始まったのが最初である。現在では国内に167を超える茶農園がある。茶産業の大部分はシレット、ハビガンジ、マウルビバザールの3地域に集中している。すべての農園を合わせると14万人の労働者がおり、その大多数は代々この職業に就いてきた。
1860年代から1870年代にかけて、アッサムやシレットの茶農園が商業的に成功し、外国企業からの投資を呼び込んだ。その結果、両地域で茶農園の拡大が始まるとともに必要な労働者の数も増えた。2014年の研究論文「バングラデシュにおける茶農園とその労働者の歴史」(著者:リアド・マフムード、アリダ・ビンテ・サキ)は、茶農園労働者の移住は奴隷貿易に近いものであったと明らかにしている。茶農園で最初に働いた労働者はシレット出身ではなかった。彼らはインドのさまざまな地域から来ており、ほとんどが飢餓に苦しむ地域の出身であった。彼らは騙されて茶農園に連れてこられ、地元では「クーリー」と呼ばれていた。地元の住民や茶農園主、政府関係者は彼らを奴隷のごとく扱った。
21世紀になった今も、茶農園労働者の状況は大きく変わっていない。彼らが直面する収入や生活水準、差別といった問題が最近の抗議活動で再び表面化した。