ゲイのペンギンカップルの実話を元にした絵本に賛否あり

Sphen and Magic - Screenshot from YouTube video: Same-sex penguin couple is first in Australia to nurture foster egg

スフェンとマジック―YouTubeの動画よりスクリーンショット。同性ペンギンのカップルが卵から里子を育てるのは、オーストラリアでは初めてだ。

誰もがペンギンの話は大好きだ。いや、誰もがとは言えないようだ。

メディアは数十年にわたってゲイのペンギンについて報じてきた。例えば1998年にはニューヨークのセントラル・パーク動物園で、他のペアの卵を引き取って孵化させたヒナのタンゴを育てるオス同士のカップル、ロイとシロの仲むつまじい様子が紹介されている。2羽の絆は、子どもの絵本『And Tango Makes Three(邦題:タンタンタンゴはパパふたり)』となって世に出た。しかし2005年の出版以来、学校や図書館ではその本の扱いに対する意見が二分しているのだ。

最近の例として、アメリカ、フロリダでの一件があげられる。そこでは教育委員会がこの絵本を幼稚園から小学校3年生までの子どもたちが閲覧することを禁止した。これに対し、生徒の保護者や原作者らが訴訟を計画している。

ソーシャルメディアでは議論が沸き上がっている。

速報―フロリダ州エスカンビア郡の教育委員会は『タンタンタンゴはパパふたり(And Tango Makes Three)』の絵本の閲覧禁止を決定。この絵本はセントラル・パーク動物園にいた2羽の雄のペンギンの実話です。2羽は一緒に巣作りをし、養子のタンゴを育てました。性的な内容はまったくありません。

2羽の雄のペンギンの本は、小学生の子どもの年齢に適切なものです。しかし、フロリダの学校の中にはこの本を読むことを禁止しているところがあります。ーEd Krassenstein

これは適切な本ではありません。親として、子どもたちに学校でこんなナンセンスなものを読んで欲しくないのです。学校は子どもたちが読み書き計算や批判的な考えを身につける場です。6歳の子どもにゲイのペンギンの話なんて、子どもを惑わすグルーミング行為です。ーJoshua

I qualified in submarines in 1999 & still work in subs for the Navy.

With the last 24 hours of Twitter knowledge from “experts”, I think I now finally understand how frustrated doctors/nurses were in 2021 by vaccine experts, and how frustrated teachers are every day by Desantis

— Mike H – Subs (Virginias) and sports. (@mhbach97) June 20, 2023

私は1999年に潜水艦の乗艦資格を取得し、現在も海軍で潜水艦勤務だ。
この24時間ツイッター上の自称専門家の見解を見ていたが、2021年のコロナのパンデミックの最中ワクチン専門家どもの話に、医師や看護師がどれだけイライラさせられたか、ようやくわかった気がする。そして今は、デサンティス州知事のせいで教員が毎日いかにフラストレーションをためているかを理解できる。

Wired誌で人気のライター、スティーブ・シルバーマンは、この現象をアメリカの銃社会と対比して考察している。

グルーミング(何も知らない子どもを手なずける)とは何か、これを見れば明らかだ。子どもたちが図書館でゲイのペンギンの本を読むことや、ローザ・パークスが黒人だと学ぶことではない。人を殺傷する機械に子どもをなじませようとしているナッシュビル選出の共和党下院議員アンディ・オグルズの行為こそグルーミングだ。

一方ベルギーでも同様の話があった。

ベルギーの動物園のゲイのペンギンカップルは、養子のヒナを育てています。そうです、これは「自然に反した」ことではありません。

オーストラリアでは、オス同士のペンギンのパートナー、スフェンとマジックの話をニューサウスウェールズの学校カリキュラムに加えることで論議が続いている。

Two gay penguins who successfully raised a chick together will help schoolchildren learn about same-sex relationships as part of a new syllabus aimed at kids from kindergarten to Year two.

ゲイのペンギンカップルが助け合ってヒナを育てた話は、幼稚園から2年生の児童が同性パートナーの関係について考える助けとなります。

2018年10月、彼らが親になった物語は、世界に報じられた。このABC7 Newsの内容もその一つだ。

オーストラリアの保守派で知られるライル・シェルトンは、シドニーの水族館がスフェンとマジックの関係性を「子どもたちを洗脳するために」偽装していると主張。Empact Newsはツイッター上の短い動画で反論した。

オーストラリア・クリスチャン・ロビー前会長のライル・シェルトンは、ゲイのペンギンが関係を「偽装」していると非難しています。

同じような事例が最近トリニダード・トバゴでもあった。それは、米国のLGBTQ+擁護者でありソーシャルメディアで知られたマーク・カネムラ氏が書いた「アイ・アム・ア・レインボー」という児童書が現地の書店で売られたことによる。

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