写真：ジョバナ・フレック

ここ十数年をみても、自然災害が頻発するようになって被害は深刻化を増し、世界中でさらに多くの人々が影響を受けている。山火事により国々は荒廃し、町の人々を恐怖に陥れ、沿岸の生態系もダメージを受けている。 時には修復不可能なほど、漁業やツーリズム、野生生物にも影響を与えている。島国や沿岸地域では土地が削られ、すっかり消え去ることもある。気候危機によるこのような変化に多くの人々が気づいているにもかかわらず、政府の対応は不十分で、我々メディアも現場の真実を伝えられていない。

数十年の間、気候の変化に最も影響を受けてきたのは、貧困層、沿岸地域や先住民コミュニティである。このようなコミュニティのリーダーたちは、気候変動対策に向けた断固とした国際的な行動を求めてきたが、その声は顧みられなかった。気候変動により多大な影響を受けてきた人々には絶望を感じる余裕もなく、むしろ革新的で地域に根ざした問題の解決を探し求めている。グローバル・ボイスは、現地の知識や経験を重視し、多角的な視野で環境問題を伝え、環境の回復に繋げる記事を提供していきたい。

そのために、グリーン・ヴォイセズ・イニシアティブを創設した。メンバーは環境問題に着目するジャーナリスト、翻訳者、利害関係者である。私たちのグローバルな視野を活かして、環境問題や直接影響を受けている人々について広く関心を高めることを目的にしている。グリーン・ヴォイセズは１か月に２回集まり、環境に関する報道、十分に取り上げられていない話題を確認し合っている。さらにこのテーマの報道を計画し、多大な課題を抱えるこの分野の支援を行っている。真のグローバル・ボイス精神に基づく見識あるジャーナリズムを、地域や人とのつながりにより築こうとしている。

毎月グローバル・ボイスの約15-20％の記事が、世界中の環境課題や支援の取り組みを伝えている。私たちは、気候危機や環境開発について十分に伝えられていない事実を共有し、特に環境保護、強化、土地の回復を目指す農村地域や、女性たちや先住民が先導する現地の取り組みに焦点を当てた報道をしてゆく。私たちはグローバル・ボイスの国際的コミュニティを通し、現地の声や視点をともなった記事の公開を目指している。

グリーン・クラブとの共同で生まれた報道には以下の記事が含まれる「How a swimming pool became Puerto Rico’s symbol of climate change and corruption」「Kanal Istanbul, Turkey’s Middle Corridor, and the Belt and Road Initiative」「How Assamese Villages use traditional wisdom to guide climate preparedness」（訳注：いずれも未翻訳）　これらの記事は環境問題を多角的な視野でとらえ、これらが女性、若者、障がいを持つ人々、弱者と言える人々にいかに影響し、彼らが抱える不平等をどのように悪化させているかを解き明かすものである。

グリーン・ヴォイセズの活動やディスカッションに参加を希望する人は、グリーン・クラブのコーディネーターシドニー・アレンにeメールを送ってください。

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