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オーストラリアンキッズが先住民の言語をオウムのキャラクターと学ぶ

カテゴリー: 市民メディア, ライジング・ヴォイセズ
ピナッラ・アクのチーム:ローズマリー・プラマー(左)、ピナンカーリ(中)、キャシー・バーンズ(右) 掲載許可有 [1]

「写真」ピナッラ・アクのチーム:ローズマリー・プラマー(左)、ピナンカーリ(中)、キャシー・バーンズ(右) 掲載許可有

歌うたいのコンビと白オウムのピナンカーリの助けを借りて、オーストラリアのノーザンテリトリーにあるバークリー地区 [2]の子どもたちは歌い、笑いながら先住民のワグムグ語 [3]と文化を学んでいる。

「ピナッラ・アク」というラジオ番組がある。この番組は教師のキャシー・バーンと先住民族 [4]のローズマリー・プラマーの共作によるものでポッドキャストでも利用できる。二人は、番組で使う歌を2011年から協力し合って作成している。イラストの白オウムがこの番組の主役を務める。このオウムは、子供たちと交互に歌を歌ったり短い物語を聞かせたりして、彼らにワグムグのことばと文化の手ほどきをする。白オウムは、ノーザンテリトリーのいたるところで飛んでいるのを見ることができる。「ピナンカーリ」という主役の名前は「知識と理解」という意味だ。

バーンズとプラマーは、先住民の補助言語であるワグムグ語を学ぶ機会をすぐにでも作る必要がある感じていた。なぜなら、アボリジニの言語は学校で必修科目ではないからだ。また、小学校の年代の子供たちに焦点を合わせて学習を進めようとするのが、二人の教育戦略である。バーンズは以下のように言う。

As each year passes and more of the elders pass on, so too does that knowledge. If the next generation does not keep that knowledge strong by continuing culture and language for the next generation it will eventually be gone. If our education system or employment organisations does not allow time for that next generation to learn language and culture, then how can adequate time be made to keep it strong.

年が過ぎ、高齢者たちもこの世を去っていきます。そうなれば、地域の伝承もやがてこの世から消滅していきます。次の世代の人たちが自分たちの文化や言語を存続させ、受け継いできた伝承を健全な状態に維持しようと努力しなければ、せっかく受け継いだ伝承もやがて消滅してしまうでしょう。もし、教育現場や教員採用当局が、次世代の子どもたちに言語や文化を習得させるための時間を十分に確保できないとしたら、われわれは、言語や文化を存続させるための時間をどのようにして確保すればよいのでしょうか。

PA

「イラスト」
バークリー地区カルチャーセンター 提供….
「ピナッラ・アク」
こどものための言語番組
ローズマリー・プラマー&キャシー・バーンズがお届け
8ccc ラジオ 102.1FM
毎週水曜日 午前9時

毎回違うテーマのお話しとともに、子どもたちが楽しめる番組を作ることで、教師も家族も定期的に文化の香り豊かな言語レッスンを受けることができる。このプログラムはバークリー地区カルチャーセンター [5]によるプロジェクトの一環だ。「こうして子どもたちは生きた言語に触れるのです。書架に保管されてしまうような教材を用いるよりも、私たちはこういったやり方で言語学習に取り組んでいるのです」とバーンズは言う。

この番組の学習ガイド [1]もダウンロードできるので、子どもたちは番組に沿って学習できる。アボリジニの打楽器 [6]のカチンという音を聞くことで、子どもたちは次のページに移るタイミングを知りレッスンを続けていく。子どもたちは絵を描いたりワグムグの単語を書いたり、歌詞にそって歌ったり、地域に伝わる民話を読むことができる。

「ピナッラ・アク」は現在、テナント・クリーク町 [7]にある8cccラジオ [8]で毎週放送されている。また、同放送局のポッドキャストでも利用できる。必要に応じて、番組をダウンロード [9]して使えるようにしたのは、できるだけ多くの子どもや両親、教師たちに届けることができるようにするためだ。二人はダウンロード容量が大きくなり過ぎないようにファイルを作ることに尽力している。なので、ネット環境があまりよくない地域に必要に応じてeメールで送ることも可能だ。

この番組の成功をうけて、バーンズとプラマーは、さらに番組を成長させるための戦略を考えている。「私たちは、多くのリスナーが、『ピナッラ・アク』から刺激を受けて、この番組を聞くようになってもらいたいと願っています。そうすれば、他のバークリーの現地語を教えることも可能になります。」とバーンズは述べた。

校正:Masato Kaneko [10]