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モスクワでは学校のパーティーにも戦争の影が

カテゴリー: 東・中央ヨーロッパ, ウクライナ, ロシア, 人権, 市民メディア, 戦争・紛争, 抗議, 芸術・文化, 言論の自由, 音楽, RuNet Echo, Striking the wrong notes

モネトチカのユーチューブ動画 [1]より

2022年12月、ロシア語のツイッターとテレグラム利用者は、あるメッセージ [露] [2]をひんぱんに目撃するようになった。メッセージはモスクワの学校が大みそかに開くパーティー主催者に配布されたと称するリストで、パーティーで流す音楽に「使うべきではない」ロシアとウクライナのバンドをまとめたものだった。

リストが本物かどうかは不明だが、記載された歌手やバンドの多くは「反愛国的」、「反ロシア的」とされており、ロシアのウクライナ侵攻以降は「ロシア国内での公演が当然禁じられる歌手やバンド名」と題するリスト [露] [3]の方にも名を連ねている。

グローバルボイスでは「禁じられた」バンドのリストの中から、読者が楽しめるようにいくつかの歌を紹介したい。

モネトチカ [英] [4]はウラル地方にある人口150万人の都市エカテリンブルクの出身だ。たった15歳の時に自分で書いた歌が有名になり、いく枚もの人気アルバムを出し続けている。2022年2月にロシアのウクライナ侵攻が始まると、国を離れて率直に戦争を非難 [露] [5]するようになった。

こちらは最新のビデオクリップ「Burn, burn」だ。「Burn, my country, burn, do not stop the fire,(燃える、わたしの国、燃え続けろ)」と彼女はこの歌でロシアの今の姿を非難している。

オケアン・エリズィ [6]はリスト中でも最人気のウクライナのバンドで、1994年から世界的に活動している。リーダーのスヴャトスラフ・ヴァカルチュク [英] [7]は政治的にも多弁で、バンドはウクライナ支援コンサートを今夏ヨーロッパ各地で開催してきた。「Without fight(戦わずしてあきらめはしない)」は、戦わず、無抵抗には決してあきらめない人のことを歌った古い歌だが、今の時代を象徴する歌でもある。

禁止リストにはラッパーのオクシミロン [英] [8]も入っている。人気ラッパーのオクシミロンは市民の抗議運動にも参加していたが、ウクライナ侵攻開始後ロシアを出国した。「Oida」と呼ばれるこの曲は戦争とプーチンを非難している。

リストにある29の歌手とバンドの中には、リトル・ビッグ [9]マニジャ [10]のようにここ数年ユーロビジョン・ソング・コンテストでロシア代表をつとめてきた歌手やグループまでもが含まれている。さらにはボリス・グレベンシコフ [英] [11]やDDTロックバンド [英] [12]など非常に息の長い活動を続けてきたグループもある。いずれもロシアのウクライナ侵攻をハッキリと非難している歌手やバンドだ。

(トライアル応募者の翻訳を見直して掲載します)

校正:Mitsuo Sugano [13]