この記事は、 エジプト反政府デモ特集の一部である。
エジプトでは、まもなく議会選挙が行われる。その結果誕生するのが、ムバラク政権崩壊後初の議会となるわけだが、それだけでなく、エジプトの新憲法を起草する委員会もその議会が任命することになっている。そしてその新憲法に基づいて、大統領選挙が行われる。
選挙規定
11月28日(月)より始まる人民議会(下院)選挙は地域別に3段階に分けて行なわれる。また、選挙区内のどの候補者も必要得票数を獲得できなかった場合に備え、予備投票日も設けられている。
下に示す通り、3段階の選挙とそれぞれの予備投票の全てが完了するのは2012年1月10日。結果は1月13日に発表される予定である。一方、諮問評議会(上院)の選挙は1月29日より始まる。
議席の配分方法がやや複雑であるため、選挙の公式サイトでは専用のFAQページを開設し、有権者が複雑な選挙システムを理解しやすいようにしている。
以下、同公式サイトからの抜粋:
これまで数十年に渡り、エジプトは独裁政権で権力が政府に集中する構造であったため、国会議員は政治システムにおいてその本来の役割を果たすことができないでいた。そのため多くのエジプト人は、国会議員と地方議員の役割の違いを明確に区別することができず、大きな混乱が生じている。
Alex News では、下記の通り、その違いを明確に説明している。 [ar]
エジプトの Center for Socialist Studiesが行なった世論調査によると、選挙結果を信用しないとする人もいた。それでも投票には行くという。一方、現在の移行期間におけるエジプト軍最高評議会(SCAF)の統治方法に賛同できないとして、選挙のボイコットを呼びかける人々もいる。
国外のエジプト人
国外に居住するエジプト人は800万人と推計されており、彼らの選挙権についてはこれまでも多くの議論が交わされてきた。暫定政府は、在外エジプト人が投票を行なうことに何の問題もないと発表している。しかし、投票を行なうための施設や手段が用意されているわけではない。先ごろエジプトの裁判所にて、在外エジプト人が今回の議会選挙および大統領選挙の際、それぞれの大使館にて投票を行なうことを合憲とする裁定が下された。しかし最終的に彼らに投票が認めらるかどうかは、現在までのところ定かではない。
選挙監視活動
一方で、選挙の監視を目的に、多くの非政府団体が組織されている。「あなたが目撃者」という意味のU-shahidは Ushahidiをプラットフォームとしたインタラクティブマップで、選挙におけるあらゆる違反行為をモニタリングしている。この団体は、2010年に実施された前回の議会選挙や3月の国民投票でもモニタリング活動を行なっていた。
他にも、Haraket Morakba(「動向監視」を意味する)という団体では、現在ボランティアの協力者を求めている。
@FouadZayed:議会選挙を監視するためのボランティアに興味のある方はこちらまで。@moorakpa #Egypt #EgyElections #EgElec
選挙運動
ついに、ほとんどの候補者が選挙運動を開始し、国内の至るところでキャンペーンが繰り広げられるようになった。法律により、選挙運動は投票開始の2日前まで行なうことができる。選挙運動が始まってからは、物議を醸す選挙広告や奇妙な選挙広告を目にするようになった。たとえば、選挙広告中の女性の写真を花に置き換えることを決定したヌール党(光)―サラフィ主義の宣伝広告のように。
Sameh Hanafyはこの広告を面白がっている。
また、候補者が自分自身に話しかけている広告もある。
この記事は、 エジプト反政府デモ特集の一部である。