ベツレヘムの教会にて がれきの中の幼な子イエス

(原文の掲載は2023年12月24日であり、記事の内容は当時の状況が反映されている)

この記事は、当初、2023年12月5日にザ・ニュー・アラブに掲載されたものです。コンテンツ共有の合意のもとにグローバル・ボイスが編集、転載しています。

パレスチナのガザ地区へのイスラエルの容赦ない攻撃のさなか、クリスマスを間近に控えたベツレヘムの教会が、紛争で荒廃したガザの状況を映し出したキリストの降誕場面を展示した。

福音ルーテル派クリスマス教会はキリスト降誕場面を表す展示を行った。それは、パレスチナ伝統のクフィーヤに包まれた赤ちゃん人形ががれきの中に置かれているというものだった。クーフィーヤはパレスチナ人のアイデンティティ、歴史、闘いの象徴であり、がれきは破壊されたガザを表している。ガザ地区では、(掲載時点で)イスラエルの無差別攻撃により、7,729人の子どもを含む少なくとも19,453人が死亡している。

イエス・キリストを模した赤ちゃん人形は、ガザのがれきの中で犠牲になった何千人もの子どもたちを投影していると考えられている。

教会の牧師であるムンター・アイザック博士は、このアイデアは自分が思いつき、集会で信者に伝えたとザ・ニュー・アラブに語った。

「先週、教会の信者たちが集まり、一緒に展示を作りました。 れは感動的なひとときでした。 日曜日の礼拝中、涙を流す人さえいましたよ」と牧師は語った。

ベツレヘム はキリストの生誕の地であると信じられている。 毎年、このヨルダン川西岸の街ベツレヘムには、キリストの誕生を祝うため、いつも数千人が集まる。しかし先月、ベツレヘムとラマッラーの自治体および教会は、ガザとの連帯を表すため、占領下にある西岸地区でのクリスマスの祝いを中止すると発表し、代わりに寄付を集めるよう教区に呼び掛けた

「今年はベツレヘムに観光客はいません。戦争のため巡礼者も来ません」とアイザック牧師は語った。「しかし、ソーシャルメディアや報道機関を通して、この飼い葉桶のキリストに集まった注目と反応に驚き、圧倒されました。私たちのメッセージが世界に届いたことをうれしく思います。これが、クリスマスの起源であるパレスチナの今年のクリスマスの姿です」と牧師はニュー・アラブに語った。

イスラエル当局からは「少なくともまだ」何のコメントもないと牧師は言う。しかし、市内の厳しい経済状況については不満を持っている。戦争開始以来、イスラエルがエルサレムに厳格な封鎖を行いヨルダン川西岸地区で厳しい経済措置を課しているためである。

「私たちは厳しい包囲網の中にいます。ベツレヘムには観光客がいません。(イスラエル軍による)エルサレム封鎖以来、大量の失業者が生まれています」

そもそも、西方キリスト教会が12月25日にクリスマスを祝う一方で、正教会と他のキリスト教宗派は1月にクリスマスを祝う。

現在、ガザとヨルダン川西岸に残っているパレスチナのキリスト教徒はごく少数であり、多くはイスラエルの占領、包囲攻撃、経済的苦境のためここを離れることを余儀なくされた。

校正:Moegi Tanaka

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