飛べ白いチョウチョウーネパールから世界中に羽ばたく希望と変革のメッセージー

A boy looks on from an old abandoned vehicle installed with white butterflies. Image from the Facebook page of the White Butterfly project. Used with permission.

古い廃棄車両から顔を出して何かを見つめる男の子。そこには白いチョウチョウのインスタレーションが。 白いチョウチョウプロジェクトのフェイスブックからの写真 転載許可済み

白色は平和を意味するが、このネパールの白いチョウチョウは世界中に羽を広げ、その羽ばたくところには平和と希望と社会変革のメッセージが運ばれていく。

全ての始まりは、ネパールの芸術家ミラン・ライが、カトマンズの町にこのチョウチョウの群れを解き放った時だった。 チョウチョウが見られるのは、たいてい切り株などの古く荒れ果てた見向きもされないような場所だ。しかし、にぎやかな通りや観光地でもその姿を目にすることができる。

ライによると、チョウチョウは変態の象徴であり、変化と希望を表すそうだ。

ライがもっと凝ったアートプロジェクトのプランを立てているときに、本物の白いチョウチョウがライの絵筆にとまった。それを見てこのインスタレーションのアイデアがひらめいたという。

これがライの作った白いチョウチョウが世界中へ飛び始めたきっかけだ。

この紙の切抜きのチョウチョウは、ライの多様なインスタレーションを見に来た人々の間で、彼が目指しているものへの大きな感動と共感を呼び起こしている。

つい最近、ライはカトマンズのカルモチャン寺院の伽藍で9000匹の白いチョウチョウのインスタレーションを制作した。これは昨年4月の大地震で亡くなった約9000人の人々を追悼したものだ。

この寺院は地震で全壊してしまった。

それ以前に、ライはカトマンズのバグマチ川の橋の下にチョウチョウのインスタレーションを制作していた。野放しの汚染被害からこの神聖な川を救いたいという気持ちを表明したものだった。

あらゆる階層の人々が、継続的な環境活動の一環としてこの神聖な川の清掃のために集まっている。

バグマチ川の橋の下の白いチョウチョウのインスタレーション フェイスブックページからの写真 転載許可済み

この「チョウチョウ効果」は世界中の人々を惹きつけ、希望を与えてきた。そしてたくさんの人々がライにこう求めている。「もっとチョウチョウを!」

最近のフェイスブックへの投稿で、ライはこう書いている。

Verena came to visit my studio and took 500 white butterflies with her. She is going to a village called Ghyachchok – the epicenter of earthquake from 11-13 Baisakh. She is taking white butterflies for this community. She had also participated in spreading 9 thousand white butterflies on 6th april at Kalmochan. She is from Australia and works as a Music therapist in a children’s hospital.

ベリーナという女性が500匹もの白いチョウチョウを連れてぼくのスタジオにやってきました。ベリーナはヨチョックという名の村へ行くんです。そこはバイサク月(訳注:ネパール暦の月で西暦では4月中旬から5月中旬)の11日から13日の間に起こった大地震の震央でした。その村にチョウチョウを連れて行くんですよ。ベリーナは4月6日にカルモチャンで行われた9000匹のチョウチョウのインスタレーションにも参加したんです。彼女はオーストラリア出身で、音楽治療の専門家として子ども病院に勤めています。

このように世界中を飛び回ってきたチョウチョウは、あちらこちらで写真に収められている。

たとえば、ある公園を行政の破壊から救おうと、子どもや大人やお年寄りや活動家たちがブリュッセルに集まったときだ。チョウチョウのインスタレーションが人々と一緒に撮影されている。

ブリュッセルのある公園での白いチョウチョウ 白いチョウチョウプロジェクトのフェイスブックページからの写真 転載許可済み

そしてここ、 ニューヨークのジャクソン・ハイツでも見ることができる。

白いチョウチョウプロジェクトのフェイスブックページからの写真 転載許可済み

そしてまた、カンボジアでもチョウチョウが羽ばたいている。

白いチョウチョウプロジェクトのフェイスブックページからの写真 転載許可済み

高校をドロップアウトした ライは自分のこれまでの人生をこう語っている。カトマンズを中心に活動している映像作家、シャシャンク・シュレスタの作品「芸術家の素顔ーミラン・ライ」 のアップロードをVimeoで見てみよう。

先ごろ、ライはハーバード大学に招かれ、自分のプロジェクトについての講話を行い、大学構内のいろいろな場所でインスタレーションを実演した。

Two days ago, I had a meeting with Harvard Divinity school Buddhist ministry students. It was a heart warming experience to share my creative journey with the the Professors and students. I mostly talked about my personal transformation and how a tiny butterfly changed my life. After that we went to spread white butterflies in other departments.

2日前、ぼくはハーバード大学神学部仏教学科の学生たちと会いました。ぼくの創作活動について教授方や学生たちと話し合い、とても心温まる経験になりました。主にぼくの個人的な変化と、一匹の小さなチョウチョウによってぼくの人生がどう変わったかを話したんです。そのあとで、ぼくらは他の学部にも白いチョウチョウのインスタレーションを広げていきました。‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬‬

白いチョウチョウプロジェクトのフェイスブックページからの写真 転載許可済み

フェイスブックメッセージを続けて見てみよう。

昨日、ハーバードのCGISビル(政治・国際学センター)で白いチョウチョウのインスタレーションを完成しました。1階から始まって4階まで旋回しながら上がっていくんです。

今日をふりかえるーネパール人芸術家ミラン・ライ氏に、白いチョウチョウプロジェクトについてとても素敵なインタビューができた。

最近、ライは口コミで急速に広がっていく白いチョウチョウプロジェクトと共に、世界中を飛び回っている。そんな時、フライトアテンダントにねぎらいと感謝の気持をあらわすとっておきのことばを用意している。

白いチョウチョウプロジェクトのフェイスブックページからの写真 転載許可済み

フライトアテンダントによくこう言われるんです。「ご搭乗ありがとうございました。」でも、ぼくはアテンダントに会うといつもこう言うんですよ。「みなさんありがとう、ぼくと飛んでくれて。」

校正:Kaori Kuwayama
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