タイ:バンコクではタクシーの車内装飾が面白い

フレンドリーで忍耐強く、ソムタム食いでお守り信仰の厚い、バンコクのタクシードライバーたちにこのブログを捧ぐ。(訳注:ソムタムは青パパイヤのサラダで、出稼ぎ者の出身地に多いタイ東北部の郷土食)

 4年前に開設されたブログ『走行する車内の静物画(Still Life in Moving Vehicles)』 は、バンコクのタクシーの車内装飾を撮った様々な面白い写真ををメインに取り扱ってきた。デール・コンスタンツは5年以上前からこうした写真の編集を始めたが、ネット上での活動を思いついたいきさつをこう述べている。

僕がバンコクのタクシー車内を撮り始めたのは5年近く前のことだった。そのすぐ後に、ブログを開設したらどうだ、と作家の友人に勧められたんだ。僕の撮った写真のアーカイブにもなるし、タクシー内で経験したことを記録に残すためにも、ってね。
それに僕自身も、僕のタイ文化観察結果を、友人や家族や他のタイ大衆文化フリークたちとも共有するのに、ブログはいい方法だと思ったんだ。

デールは、タクシーの魔除けやお守りの価値を認め、とりわけ乗客やバンコク住民へのご利益を称賛している

僕はスカイトレインを降りてタクシーに飛び乗って仕事に行く。職場で8時間費やしたらタクシーにまた乗り込んでうちにとんぼ返り。週に5日だよ。飽きないかって?まさか。バンコクのタクシーに乗ってれば退屈しないよ。
僕にとって、窓の外の景色はどうってことはない。バンコクでは、タクシーの内部の方が見るべきものが多いんだ。神像、女神像、仏像や僧侶像などの小像のコレクション、それに花やその他の装飾品たち。それらは運転手と車体を護ってくれて、僕のような乗客がいっぱい乗ってくることを保証してくれるような、ご利益のあるものが選ばれているんだ。

彼のブログの中で、バンコクのタクシーのユニークさを一番よく表している写真はどれか、と問われて、デールは次のものを挙げている。

1.宗教的で迷信的な物や、その他多種雑多な寄せ集めの膨大なコレクションでいっぱいになったタクシーの写真

2.ハロー・キティやトゥイーティー、ドラえもん、クマのプーさん、超人ハルクといったキャラクター画で飾られたタクシーの写真。

3.天井、ハンドル、その他の車内のパーツに、仏教の僧侶の描いた護符『ヤン』のあるタクシーの写真。この描画は運転手や車体や乗客を、事故や悪霊から守護するものとされる。

4. 金運を招くと信じられている物たちの写真。例えば、紙幣を折って魚の形にした装飾、中に裂いたお金が貯まっている樹脂製の仏像(訳注:紙幣を裂くとお金が増えると信じられている)、お金を中に『捕える』とされているミニチュアの魚獲り籠、といった品々。

5. 過去や現在の国王と他のタイ王家の方々の肖像を掲げたタクシーの写真。

国王はタイでは非常に人気がありとても愛されている存在である

プラスチックカバーのついたお守り

ブッダと兵士

コインの装飾

タイ初の女性首相、インラック・シナワットのステッカー

神様へ朝食のお供え:レッドカレー、青菜炒め、ご飯、アイスティー

タイ・ボランティア道路救助財団のシンボルマーク

紙幣を折って作られた魚の飾り

ダッシュボード上の僧侶の像

デールのブログにはいい評価が多数あり、さらにメディアからも注目されている。

読者の中にはタイ在住の人もいるけど、熱狂的ファンは世界中にいるよ。国外在住のタイ人で故郷の一端に恋焦がれる人もいれば、旅行で来たことがあってタイでの経験を懐かしく思い起こす人もいるし、他にタイ文化やタクシー関連のこと、考古学、さらには仏教に引かれてブログを訪問する人もいるんだ。

校正:Sayuri Kakimoto

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