人権団体ブレイクスルー(英:Breakthrough)の新しいインタラクティブオンラインゲームは、拘置されている多くの移民やその家族が直面した不正義を、ビデオを使って説明する。『ホームランド・グアンタナモ(Homeland Guantanamo)』では、プレイヤーが、拘留中に死亡した実在の被収容者について情報を集めようとしているジャーナリストの役になる。
3Dの拘置施設の中を回り、実際の被収容者のビデオインタビューを観ながら、プレイヤーは、できるだけ多くの人びとを強制退去させるために作られているようにも見える司法制度に翻弄される移民たちが苦しむ不正義について、重要な事実を突き止めていきながら、手がかりを得ていく。
その中の1本のビデオに、17歳の娘がマリファナを吸ったことで1度逮捕され罰金を受けたことで3年間投獄された、セントルシア出身の女性が登場する。
ゲーム『ホームランド・グアンタナモ』が作られるヒントとなったのは、ニューヨークタイムズ紙に掲載された、ニュージャージーの拘置所で死亡した54歳のギニア出身の仕立人についての記事だった。
ゲーム終盤で謎が解けると、プレイヤーは亡くなったすべての人々に捧げられた「メモリアル・ガーデン」を見るよう招待され、コメントを投稿したり、自分の証言を書き込んだり、または写真をアップすることできる。
声なき人びとへのオンライン上の声
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、1996年以来、非暴力的な軽犯罪でアメリカから強制退去を受けたのは30万人以上にのぼると推定している(暴力犯罪では14万人)。
アメリカでは2003年以来、87人の男女が拘置所で死亡しているにも関わらず、この問題に対しての社会的認識は薄い。
ブレイクスルーは、昨年、I.C.E.D. (”I Can End Deportation”/わたしは強制退去を止められる)という同様の目的の別のコンピュータゲームのために、拘置所内で3人の合法永住者と接触しインタビューを行った。
アメリカで移民に代わって運動をしている他の多くの活動家たちも、関心を広めるためにオンライン市民メディアに目を向けている。
LaGrangeでは、ジョージアのアナバプティスト系クリスチャンの活動家たちが、1000人以上を収容している移民の拘置所前での講義デモを映したこのビデオを制作した(Young Anabaptist Radicalsより)。
この団体のブログOne America with Justice for Allで、Pramila Jayapalは、ワシントン州タコマにある拘置所での人権侵害についての報告を読むよう人びとに呼びかけ、以下のように言っている:
私は、アメリカはこれよりもずっと優れていると思っています。そしてほとんどのアメリカ人は、全国の拘置所で彼らの名において何が起きているのかを知っていれば、この不正義を止めるはずだと信じています。ほとんどのアメリカ人は、人びとが公正に、そして人道的に扱われることを望んでいるのです。