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フランス発新興企業: スマートホームの普及に意欲

Un tableau de bord numérique pour une maison CC BY-SA 3.0

家庭用デジタルコントロールパネル。CC BY-SA 3.0

モノのインターネット( 訳注:様々なものに通信機能を持たせ、ネットワークに接続したり相互に通信することにより、自動制御、遠隔計測などを行うこと) により新たなアプリケーションが生み出され、建物の運用の改善をもたらした。モノのインターネットの市場は非常に速いスピードで成長を遂げ、ますます素晴らしいものになっている。この分野で最前線に立っているのがフランスの新興企業だ。

ネットワークに接続された機器は徐々にフランスの家庭に浸透を始めている。モバイル・インターネットが一般化した今、フランス人は家庭用機器の管理用アプリケーションに熱心に関心を寄せているようだが、暖房費を節約しようという試みに関してはとりわけ熱心なようだ。

フランス・パリに本社を置く通信機器メーカー、アルカテル・ルーセントの社長( 訳注:この記事は2014年6月に投稿されたもの) であるジャン・リュック=ベイレットは、IT系ニュースサイトのSiliconのインタビューの中で、「モノのインターネット」の成長の重要性をこう説明している。

Je pense que nous sommes en train de vivre la première révolution technologique du 21éme siècle. Quelque chose d’aussi important que l’arrivée du train, de la vapeur ou de l’électricité. Ce n’est pas un hasard si des philosophes comme Bernard Stiegler s’y intéressent. Mais il faut bien attention faire à ne pas créer de blocages

我々が今経験しているのは、鉄道や蒸気機関、電力といった発明と同じくらい重要な21世紀最初の技術的な革命だと考えている。ベルナール・スティグレールのような哲学者が「モノのインターネット」に関心を持ち始めたのは偶然ではない。だが、モノのインターネットに対する批判を生み出さないように十分気を付けなくてはならない。

domotique ( ホームオートメーション) という概念は、家庭やビルの電子機器をネットワークにつないで操作を自動化し、エネルギー消費を抑えたり、より快適な生活を送ること目的としたものだが、実はその起源は1980年代にまでさかのぼる。今日、我々が話題にしているのは「スマートビルディング」だ。この言葉は、個人が所有する家( スマートホーム) という考え方と、ネットを積極的に活用しエネルギーの効率化を図ったビル( スマートビルディング) という考え方の両方を表している。 

A feeder for house cats controlled by internet in a home CC BY 3.0

インターネット経由で制御された飼い猫用給餌器。CC BY 3.0

省エネ対策の「ホーム・サービス」は、いままでのところはまだ実際に市場を見つけ出しているとは言えない。しかし、情報サービスと顧客サービスに対する需要はすでに存在しており、数年のうちにその需要はかなりの程度高まると見込まれている。さらに、欧州指令環境グルネル懇談会、そしてその結果により形成された背景においては、新しいアプリケーションの開発や、家庭用機器の性能や知能により、エネルギー供給事業者は顧客との関係を強化することにつながるという。

貯蓄の増加、快適性の追求及び環境保護意識の高まりと相まって、さらにダイナミックな価格引き下げを通じた需要の管理が積極的に図られれば、導入した機器の用途を広げ、効果的に使うために、顧客は正確な情報を求め、技術的サポートを受けたいと考えるだろう。2013年にアクセンチュアが発表した調査によれば、この点においてはヨーロッパの回答者のうちたったの22%しかエネルギー供給事業者を信頼していないという事が明らかになっている。

スマート・ホーム市場への参入に熱心なフランス・ナントの新興企業のQivivoは、「インテリジェント・サーモスタット」にボイラー及び電気ヒーター用のwebサービスをセットにしたうえで販売している。

システムを動かすにあたり、家に必要なのはADSLモデムだけ。 装置を据え付けた後、サーモスタットは通信用の「ゲートウェイ」モジュールを経由してADSLモデムへと接続される。サーモスタットはクラウド・ソリューションによりインターネット接続経由で遠隔制御されるので、調整を行う必要はない。つまり、ユーザは手動で設定をする必要も、ケーブルを取り換える必要もない。「プラグ・アンド・プレイ( 訳注:本体に接続すると認識・設定が自動で行われる) 」のソリューションが自動で設定を行う。必要なら、PCやタブレット、スマートフォンのアプリケーションから操作することも可能だ。

さらに、人工知能アルゴリズムにより、サーモスタット自身が学習をすることで、暖房システムの運転を最適化する。
Qivivoの創立者であるAdrien Suireは、その動きをこう説明する。

Durant la première semaine d’utilisation, le thermostat va se programmer pendant la nuit des cycles marche/arrêt pour déterminer le temps de montée en température. Par itération, le thermostat intègre dans son fonctionnement le comportement d système de chauffage, ainsi que la signature énergétique de la maison. De plus, en collectant les données météo, le système va être en mesure d’anticiper la demande de chauffage.

使い始めて最初の1週間は、サーモスタットは自分自身に夜間のON/OFFの周期をプログラミングし、いつ気温が上昇しているかを特定する。イテレーション( 訳注:プログラミングにおいて、一定条件に達するまで繰り返し処理をすること) の実行により、サーモスタットは暖房システムの動きと、家庭のエネルギー使用の傾向をサーモスタットの機能へと統合する。さらに、気象情報の収集により、いつ暖房をつけたら良いかという予測までもが可能になる。

別のフランスの新興企業のNetatmoもネットに接続できるサーモスタットを販売しており、「学習」バージョンも開発中だ。

Netatmo社製のウェザー・ステーションは屋内用と室内用の2つのモジュールから構成されており、屋外用モジュールは湿度、気温、大気圧から空気の質を測定し、屋内用モジュールがCO2と湿気の濃度から室内の空気の質を測定する。繰り返しになるが、ウェザー・ステーションはすぐに使用可能だ。ウェザー・ステーションは屋内用と屋外用のモジュールが相互に通信し、Wi-Fiを利用している家庭にあるインターネットボックスと通信する。ユーザはPCやスマートフォン、タブレットなど、自分の持っているデバイスに対応したNetatmoのアプリケーションをダウンロードし、アプリケーションの設定をするだけでいい。

ネットワークにつながった住宅のためのアプリケーション、「B Domo」の実施のため、NetatmoはBouygues Telecomとパートナーシップを締結している。現在では室内の空気の質が重視されている事を考えると、このようなパートナーシップ、とりわけ空気循環システムを提供している企業とのパートナーシップが他にも締結されると想像できる。

ネットワークに接続された機器に特化した新興企業にあふれ、いつの間にかシリコンバレーのようになったフランス。空前のブームの中、デジタル技術は建築物にも進出を始めており、スマートホーム市場は多くのイノベーションを経験しつつある。デジタル・フランスへと向かう第一歩を見逃すことは出来ない。

校正:Masato Kaneko