ウクライナのインターネット上で先月、偽のスターバックスウクライナのフェイスブックページが炎上する騒ぎとなった。世界的人気を誇るコーヒーチェーン店・スターバックスがウクライナ市場への参入を発表するのではとページ公開後すぐに注目が集まったが、後にそのページで多くのウクライナ人ネットユーザーを不快にさせる投稿がなされた。
以下はWatcher.com.ua提供のコピー[ru]である:
スターバックスウクライナのファンの皆様へ!
このページを読んでいる大多数の方がロシア語を話されますので、このページはロシア語のみで運営いたします。
ウクライナ語を話すスターバックスファンの皆様を不快にさせる、あるいは対立を引き起こすなどという意図は一切ございません。どんな言語でも、たとえスワヒリ語でも投稿していただけます。スターバックスはグローバル企業ですので、全ての言語が使用可能です。
良い一日を!
怒り心頭のフェイスブックユーザーから、何百件もの批判コメントや抗議がそのページに寄せられた。
以下はそのうちの一つ、テレビ司会者Oleksandr Zinchenkによる抗議文[en]である。
拝啓
ウクライナオフィス(独立されているのか、それともロシアオフィスと連結されているのかはわかりませんが)に対して抗議します。ウクライナ人は皆ロシア語を理解するので公用語であるウクライナ語に翻訳する必要がないという弁明の下に、スターバックスウクライナのフェイスブックページ( [www.facebook.com] )は全ての投稿をロシア語で行いました。また、このような侮辱的な投稿もありました:ロシア語を使いたくないならスワヒリ語で不満を書き込んでも良い―私たちは気にしない、と。
他のネットユーザーも不快感を示した。
ツイッターユーザー@povnatorbaはこのように書き込んだ[uk]:
スターバックスウクライナに潜むウクライナ嫌悪主義者http://povnatorba.com/ukrajinofoby-v-starbucks-ukraine/
間もなく、そのページはフェイスブックによって閉鎖された。スターバックスアメリカオフィスはそれが全くの偽サイトであることを確認した。
しかしBlogoreader.org.ua [uk]のSerhiy Pishkovtsiyの分析 [uk]によると、ソーシャルメディアアカウントをロシア語で運営することはウクライナの外国籍ブランドだけでなく、ウクライナ企業にとっても珍しくないことであるという。次のグラフ[uk, ru, en]はその状況を示した ものである。
Pishkovtsiyはこのように述べている [uk]:
ここに挙げた企業は現状をはっきり示すものではないかもしれない(あるいは、そうではないと断言すらできる)ことを私は重々承知している。どの企業もビジネスの分野やスケールは異なっているからだ。
しかし、いわゆる「言語問題」には驚くべきものがある:ウクライナ語だけでアカウントを運営しているのは、ソニーエリクソン・マクドナルド・ペプシの3社のみである。不思議なことにいずれもウクライナ生まれの企業ではない。
Pishkovtsiyは、ロシア語話者向けのソーシャルメディアマーケティング(SMM)アカウント自体がウクライナ人ネットユーザーを不快にさせるわけではなさそうだと結論づけている [uk]。もちろん、使用言語を不快なほどに強調している例を除いてだが。