以前述べた[en]ように、ハッカソンの地方大会、Developing Latin America 2012[es](#DAL2012)において、Open Street Mapsに焦点 を絞ったワークショップが開催された。ライブ・ストリーミング[es]設備を備えて生放送[es]可能となったこのワークショップには、MapBox[en]データの権威、アレックス・バースが主賓として招待された。この週末の大会詳細とそのビデオはここにリンク[es]。
まずはウェブマッピングとは何か?Wikipedia[en]によると、「ウェブマッピングとは、ウェブ上で地図を設計し、地図作成作業を実施し、仕上げ、配信するまでの一連の作業及び出来上がった地図をいう」とされている。さらにここでは以下のように述べられている。
「地図情報の普及媒体としてウェブの利用は、地図製法にとって飛躍的な進歩とみなせる。例えば、リアルタイム地図や安価 な普及費用、地図データとソフトウェアの頻繁で安価なアップデートの提供、各個人の利用法に特化した地図内容、分散データソース、また地理情報の共有など、多数の新しい機会を生む。それはまた多くの技術的な制約(ディスプレイの低い解像度や帯域[en]の制約。この制約は、その多くが小型で、低速ワイアレスインターネット接続[en]を利用するモバイルデバイスなどにおいて、特に顕著に見られる)や著作権[3][en]、セキュリティ問題、信頼性の問題、あるいは技術的な複雑さから生じる多くの課題も意味する。初期のウェブマップは主に静的であったが、今日のウェブマップは完全に双方向的[en]であり、多くのメディアを統 合している。これはウェブマッピングやウェブ地図製法も双方向性、使いやすさやマルチメディアなどの課題に取り組まなくてならないことを意味する。」
つまり、インターネットで見る地図の裏にはおそらく多くの課題もあるが、さらに間違いなく多くの労力が関わっていると言うことだ。
この過程をよりよく理解するためMapBox技術者のイアン・ワード[en]に話を聞き、以下の見識を披露してもらった。
数多くのマッピングアプリケーションが存在するが、以下では特にOpen Street Mapsに焦点を当てる。
Development Seedに投稿された記事[en]で、イアンはペルーのアヤクチョ市の公共交通路を地図化しようとする取り組みについて記述している。
以前は交通情報はAutoCADのファイルしかなく、ほんの一握りの人しか利用できなかった。今はこの情報はオープンフォーマ ットで入手可能で、ここで示す地図や他のどんな目的でも利用できる。 […]
この交通情報を見るだけで、市内の交通量やどこに信号機が必要か把握でき、また観光客に近くで一番いいレストランへの道順を示すこともできる。歩行者の多い交差点などの新しい情報は分類された上記録され、その記録は都市計画のプランナーが的確な変更や自動車および歩行者用信号機の設置指示を出すのに役立つ。
注意:この地図の情報はこのプロジェクト開始時の2009年のものである。
Development Seedの招待記事[en]において、InfoAmazonia[es]のジュリアナ・モリはブラジルの類似したプロジェクトについて記述している。
InfoAmazonia[en]は今、2004年にまでさかのぼってアマゾン流域全体の森林破壊を地図化している。この地図の中で、各国の森林がどのように浸食されていくか、その模様が明らかにされている。O Eco[pt]、Knight-ICFJ[en]、Internews[en]が今年度初頭に国連持続可能な開発会議リオ+20に先駆けてInfoAmazoniaを開始した時、ブラジル分しか森林破壊のデータは手に入らなかった。しかしInfoAmazoniaによりTerra-i[es]のデータを使ってアマゾン流域の9か国すべての森林破壊データが一つの地図に集約された。今やジャーナリストなどは、政治、社会、あるいは環境など多様な視点で、この地域全体の森林破壊の情報を見つけることができる。
上記で述べた点をより確かにするため、Development Seedのチームのメンバー、ジュエ・ヤン(Jue Yang)[en]はアムネスティーインターナショナル[en]用の特製地図について詳しく語った[en]。
アムネスティーインターナショナル[en]の新しい世界正義推進キャンペーン(Campaign for Global Justice)[en]のため、物語のある地図(narrative map)を設計して、戦争犯罪や、人権に対する犯罪、あるいは集団殺戮の加害者に対抗する法的手段の支持を全世界に呼びかけた。
ナビゲーション機能が搭載されたこの地図は、世界におけるアムネスティーインターナショナルの活動や、国際刑事裁判所に対する各国の支持をわかりやすく示す。つまり、活動、正義、あるいは補償の各データを地図レイヤー上に視覚化して示している。ツイッターやYouTubeのビデオも地図上に埋め込んであり、見る者に対しこのサイトを広め、アムネスティーインターナショナルの正義要求[en]への呼びかけを支持するよう促している。
ウェブマッピングの広がりは、以上で述べた例によるものとは限らない。イアン・ワードは未来のマッピングはジャーナリズムに限らず、あらゆる分野に及ぶと信じている。
このテーマに興味を持った方にはOpenStreetMapのWikiページ[en]を見ることをお勧めする(スペイン語もあり[es])。ペルー在住の方はここ[es])をクリックされたい。ペルー支部にアクセスできる。
さらに、もし地図に提供できるオープンデータをお持ちの組織の方は、ハッカソンDeveloping Latin America 2012 [es] のページにアクセスし、ウェブマッピングのディベロッパや専門家にコンタクトされたい。
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校正:Masato Kaneko,Takuya Oshige