コロンビア:辺地の子どもたちに本を届けるロバの移動図書館

Biblioburro, biblioteca itinerante en Colombia. Accion Visual/Diana Arias - Wikipedia (CC BY-SA 3.0)

ビブリオブッロ(ロバの図書館)、コロンビアの移動図書館 写真:Accion Visual ダイアナ・アリアス Wikipedia (CC BY-SA 3.0)

何かをやろうと決め、どうやったらそれがうまくできるか考える人たちの、ウイットに富む素晴らしい思いつきがなかったとしたら…そしてこの世に先生がいなかったとしたら、一体どうなるだろう?

ルイス・ソリアノは、コロンビアの小学校の先生である。グラナダのヌエバに生まれ、教育の価値を実感している。セサール県、ラ・グロリア地方の集落で育ったソリアノは、月に2回彼の村に通ってくる教授のおかげで、スペイン文学の学位を取得した。

読書がいかに重要かをよく知るソリアノは、普段の生活の中ではなかなか本に触れることのできない子どもたちに、本を確実に届けるために、自分にできることをやっている。「ビブリオブッロ(ロバの図書館)」はアルファとベットという名の2頭のロバと共に、北コロンビア中に本を届ける移動図書館だ。2頭のロバの名をつなげると、スペイン語のalfabeto(英語のアルファベット)になる。そしてもうひとつ、この2頭は、ラテンアメリカのブログ、ナラティブ・ジャーナリズムによると、世界で最も賢いロバたちなのだ。

En 1997 [Soriano] tuvo una idea que para muchos fue maravillosa, pero para otros constituyo una verdadera locura: por su propia cuenta decidio cargar en el lomo de dos burros 70 libros de matematicas, literatura geografia e historia. ?Su objetivo? Llevarlos a diferentes ninos sin recursos ubicados en apartadas zonas de su municipio.

1997年にソリアノが思いついたアイデアに対し、たくさんの人は素晴らしいと思ったが、ただ馬鹿げていると言う人もいた。彼は2頭のロバの背に、数学、文学、地理、歴史の本など70冊を積んで行こうと決めた。その目的は、彼の住む地区の中でも遠く離れた貧しい子どもたちに、本を届けることだった。

ルイス・ソリアノは子どもの頃から読書を楽しんできた。その読書への情熱は、叔母のおかげと言う。叔母と一緒に、ニカラグアの詩人ルベン・ダリオの詩に触れ、心に刻まれたのだ

Sin duda Soriano es un quijote colombiano, que enloquecio como el Caballero de la Triste Figura con los libros. Cuando su tia le leyo “Margarita esta linda la mar”, no pudo dormir en ocho dias. Tenia cuatro anos y si no lo adivinaba entonces, al menos intuia que su vida estaria intimamente ligada con la literatura.

間違いなく、ソリアノはコロンビアのドンキ・ホーテだ。クレイジーで、本を抱えたかわいそうな格好の騎士。彼の叔母さんが、「マルガリータ・デバイレに捧ぐ」を読んでくれたとき、ソリアノは8日間も眠ることができなかった。彼は4つで、その時は想像つかなかったとしても、その人生が親密に文学とむすびつくだろうと、ソリアノは直感した。

ソリアノは最近、CNNに、移動図書館のビブリオブッロを始めた動機について挙げ、ウェブサイトで次のように語っている

In [rural] regions, a child must walk or ride a donkey for up to 40 minutes to reach the closest schools. […] The children have very few opportunities to go to secondary school. […] There are [few] teachers that would like to teach in the countryside.

へき地では、子どもは一番近い学校でも、40分は歩いたり、ロバに乗ったりして行かなくてはなりません。(中略)子どもたちの多くが次の学校へ進む機会もないのです。(中略)田舎で教えたいと思う教師もほとんどいません。

彼は、スペイン語に限らずに他の言語の読書へも広げたいと考えている。彼は自分の持つ数少ない英語の本も、若い読者と分け合っている。

While crusading against illiteracy in a war-weary hinterland, Soriano is keen to expand his meager English-language book collection. Understanding the importance of bilingualism in a country that?increasingly is connected to the outside world through digital and print, he feels passionately that rural children should have greater access to words written in the world’s most widely-spoken language.

内戦で疲弊した奥地の非識字に対する改革運動をすすめるなかで、ソリアノは彼のわずかな数の英語の本を増やすことに、熱心に取り組んでいる。英語によりデジタルや印刷物を通して外の世界へのつながりが拡大することから、この国でスペイン語以外に英語が使えることは重要だ。へき地の子ともたちが、世界で最も使われている言語である英語で書かれたものにもっとアクセスできるようになることを、彼は強く望んでいる。

このビデオは、活動するルイス・ソリアノだ。本を入手することが難しい地域があることを強調している。もちろん、そのような地域へも、彼とロバたちは出かけている。

Tengo 3,480 libros guardados en cajas, metidos en anaqueles, en burriquetes, en cajas, cajitas. En donde mis amigos tengo tambien porque no habria espacio para mi ni para los libros. […]

Alfa es la que practicamente lleva toda la biblioteca, 120 titulos cargamos en esta biblioteca para el goce y el disfrute de los ninos del campo. Tenemos recorridos de 3, 4, 5, hasta de 11 horas. Son 8 horas montado en burro.

Este es mi compromiso de vida. Sentirme util a la sociedad a la que pertenezco.

私は3480冊の本を持っていて、箱や棚、小さな箱にも詰めています。私の友人のところにも、置いています。というのも、私の家にはもう本を置いておくスペースが残っていないからです。(中略)アルファは、移動図書館の本をすべて運んでいます。この本だなに、へき地の子どもたちが喜んでくれるような120冊の本を持ってゆきます。私たちは、3時間、4時間、5時間、時には11時間も旅することがあります。ロバに8時間くらい乗っています。

これは、私が人生で果たすべきことで、この社会に対する意義を感じています。

ニュース・ウェブサイト・クウォーツの記事で、ビブリオブッロは、本好きが訪れるべき8つの図書館の一つに選ばれた。クウォーツの記事は、英語のツイッター・ユーザーの中でも大きな話題となった。

ビブリオブッロ、いいね。

ビブリオブッロからウォールマートまで…異国の図書館を楽しめます。

私はビブリオブッロが一番好きだと思う。

地道な努力を続けた結果、ルイス・ソリアノは、ジャネット・ウインターの子ども向けの絵本の中にも登場した。

「図書館の日」をお祝いして、ジャネット・ウインターによる「ビブリオブッロ」

El maestro Luis un dia decide cargar sus dos burros, Alfa y Beto, con libros, para llevarlos a los ninos que, por vivir en alejadas zonas rurales, no tienen acceso a ellos. Desde entonces, recorre el pais con su biblioteca ambulante.

ある日、ルイス先生は2頭のロバ、アルファとベットに本を積み、本のない地域の子どもたちへ届けることを決めます。それからというもの、ルイス先生はロバの移動図書館と一緒に国中を巡っています。

校正:Mio Kato

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