10月上旬、カンボジアを始め世界中からITに関心を持つ人びとが、年に1度カンボジアで開催されるバーキャンプに参加するためプノンペンのパンニャサ大学に集まった。
プノンペンでのバーキャンプに参加する人びと
プノンペンでバーキャンプが開催されるのは今回が2度目である。カンボジアのブロガーたちは2007年、カンボジアでブロガーサミットを開催した。
バーキャンプには講演者リストはなく、VIPピーカーもいない。バーキャンプに参加するすべての参加者がスピーカーになることができる。
議題を考えるバーキャンプの参加者
スケジュール掲示板に議題を載せ、その議題に興味を持った人が十分な数に達すればセッションを開くことができる。
掲示板に議題を乗せた後、セッションの準備をする発表者
世界の他の地域と同様、東南アジアでもバーキャンプに注目が集まっている。人びとは上下関係がなく、みなが知識を共有できるイベントに魅力を感じている。
参加するセッションを決める参加者
満員になったセッションの発表者(カンボジア出身)
グーグルでこれまでよりも視覚的な新しいサイトを紹介するタイのSajal
クメール語のセッション
プノンペンのバーキャンプには多くの外国人も参加
カンボジアのブロガーやIT技術者たちは、これまでインターネットを通じて活発に交友関係を広げてきた。カンボジアの若者たちは英語に抵抗がなく、英語での読み書きも日常的に行っている。そのため彼らは、カンボジア以外の国の多くの人びとと交流することができる。
カンボジアには、開発や医療の分野でIT技術を活かして活動する多くの非政府組織がある。カンボジアのバーキャンプでは、そのような活動を垣間見ることができた。
にっこり微笑むセレモニー担当のPagna
カンボジアで開催される技術系イベントの特色として、女性参加者が多数集まることが挙げられる。女性たちはイベントに参加するだけでなく、企画の運営にも携わる。
ドイツ出身でポッドキャストかつブロガーのThomasは、マインド・マッピングについて語っている。セッションの議題は技術に関するものだけではない。参加者は、ボランティアや市民メディア、教育、ゲームなども取り上げた。
タイ人と日本人のハーフの31o5は、寝ている間に見た夢を書き込むとその夢を分析してくれるというシステムについて語っている。
ベトナムでのソーシャルネットワークについて語るベトナム人のHung
隣国の多くの人びとを引寄せるカンボジアの魅力はどこにあるのだろうか。カンボジアの若者たちのネットワークや 優れた才能の他に主な要因として、気軽に旅行できる安価な航空運賃が挙げられる。カンボジアには、手頃な価格の宿泊施設も多くある。バーキャンプの参加者は、移動や宿泊にかかる費用を自分で賄わなければならない。そのため、このようなカンボジアの経済的事情はバーキャンプの参加者にとって都合が良い。
休憩を取るイベントの企画者たち。この写真でも分かるよう、参加者の多くがIT技術に関心を持つカンボジアの若者たちである。彼らはIT革命を促進し、フェイスブックやツイスター、その他のブログでとても活発に活動している。
タイの若者に比べカンボジアの若者がなぜ英語に抵抗がないのかについてタイ人のSKと討論するカンボジア人のPagna。タイでは長年、タイ語でコンピューターが使用されてきた。多くのカンボジア人は、初めから英語でコンピューターのツールやシステムを使ってきた。
タイとカンボジアは、プレアヴィヒア寺院の領有権を巡り争ってきた。タイとカンボジアの人びとが隣り合い、お互いに議論を交わし学び合う姿は微笑ましい光景だ。
タイの参加者たちは地域レベルでのITキャンプ、メコンICTキャンプについても話し合い、意見を出し合っていた。
地域に根ざしたIT技術について語るハンガリー人とタイ人のハーフのTamas
プノンペンでの今回のバーキャンプは閉幕したが、また来年会いましょう。
参照:Barcamp Phnom Penh 2009(Tharum Bun)