See all those languages up there? We translate Global Voices stories to make the world's citizen media available to everyone.

カフェ店主が追い出した自閉症の客は、スーパーモデルの妹だった

ナタリア・ヴォディアノヴァと妹のオクサナ。Facebook上で広く共有されている画像。

ナタリア・ヴォディアノヴァと妹のオクサナ。Facebook上で広く共有されている画像。

先週(原文公開日は8月20日)ロシアのネットユーザーたちは、ロシア圏からまたもや入ってきた野蛮な話を聞いて、義憤に燃え上がった。今回は、ニジニ・ノヴゴロド市にある「フラミンゴ」というカフェの支配人が、ある客の入店を拒否した。客はオクサナという名で27歳、生まれた時から自閉症及び脳性まひと診断されていた。支配人は、あなたがいると他の客が怯えて来なくなってしまう、と彼女に言った。

この事件はメディアから大きな注目を集めた。その理由は、少なからず、オクサナが世界的に有名なロシアのスーパーモデルであるナタリア・ヴォディアノヴァの妹だと判明したからである。

ヴォディアノヴァは自分の名声を利用して、妹への支援を集めてきた。彼女はFacebook上に、妹がカフェで遭遇した不愉快な出来事のいきさつを書いたところ、その投稿は現在4万4000回以上シェアされ、10万6000以上の「いいね!」を集めている。ヴォディアノヴァによると、妹は一日の大半を、自宅周辺を散歩して過ごしているという。歩き疲れた時は、ヘルパーさんが妹を最寄りのカフェに連れて行く。先週、2人が腰を下して一息つこうとした時、店主が彼らに出ていくよう求めた。オクサナの保護者に「公の場に出てくる前に、あなたもお子さんも病気を治してきてください」と言ったのだ。

しかしオクサナのような症状の人には、力づくや脅しで何かをさせるのは不可能である。ヘルパーさんは、出ていくよう彼女をなだめるからもう少し待ってもらえないかとカフェ店主に頼んだ。店主は待とうとはせず、警備員を呼んだ。オクサナの母と姉がやっと到着すると、店主は警察を呼ぶぞと脅した。結局のところ、地元の警察は両者から調書を取った。

ナタリア・ヴォディアノヴァは、妹の身に起きた出来事は珍しいことではないと指摘する。障害を抱える本人や家族にとって、これが世の中の現実なのだ。

「ロシアに共生社会を築こうと日々活動している、非営利団体や慈善基金を援助しましょう。――共生社会にしたいという私たちの願いに手を貸して」とナタリア・ヴォディアノヴァは書いている。このスーパーモデル自身、ネイキッド・ハート基金の主宰者である。この団体は、2004年設立以来、障害を持つ人々に対する社会の認識を変えようと活動している。2011年には、ヴォディアノヴァは自身の家族の障害者経験をもとに、「Every Child Deserves a Family(どの子もかけがえのない家族)」という企画を立ち上げた。

障害者の敵としてやり玉に挙げられてから、ほどなくそのニジニ・ノヴゴロド市のカフェは閉店したが、店主は「人間の尊厳をおとしめた」罪で禁固5年になる可能性がある。しかしヴォディアノヴァは、世間に冷静になるよう呼び掛けている。「一つの不寛容が別の種類の不寛容に取って代わることのないようにしましょう」

とはいえ地元警察は、カフェを見逃すことはしなかった。先日ロシア消費者権利保護・福祉監督庁(Rospotrebnadzor)の職員がカフェ「フラミンゴ」を抜き打ち検査し、一連の条例違反に対する罰金を科した。その額ざっと300万ルーブル(約530万円)程度と伝えられており、違反に問われたのは火災予防措置がきちんと取られていないこと、身障者用のスロープの入口が無いことなどだった。

ナタリア・ヴォディアノヴァは、カフェ店主に科された厳しい罰金について質問されたのに対し、それより社会奉仕活動を言い渡せばいいのにと言った。「罰金の代わりに、私たちの青少年課外キャンプ活動のひとつでボランティアさせてはどうでしょうか」と彼女は説明した。「たぶん私は理想主義なのでしょう。でも、これは彼らにとっても、かなり有益なことだろうと思うのです」