BAKE、ケニアでのブログコミュニティの普及を支援する団体

[訳注:原文の掲載日は2015年7月13日であり、記事内容は当時の状況を反映している]

James Wamathai, one of the founders of BAKE. Photo used with his permission.

ジェイムス・ワマタイ、BAKE創設メンバーの一人。写真は本人の許可を得て掲載。

The Bloggers Association of Kenya (BAKE) は、ケニアのオンラインコンテンツ・クリエーター集団を代表するコミュニティ組織である。デジタル研修、ケニアン・ブログアワードの開催、市民ジャーナリズムサイト 「ケニア・モニター」運営といった様々な企画をこの組織が先導して行っている。

また、この組織は、ケニアのブロガー同士の親交を深めるための討論会「ブロガーズキャンプ2015」を企画し、9月に開催を予定している。

BAKEは先月、 ケニアにおけるブロギングおよびソーシャルメディアの現状に関する総合レポートを発表した。 それによると、ケニアで最初のブログは2003年にスタートした メンタル・アクロバティックス であり、著者はケニアブログ界の草分け的存在、ダウディ・ワーラである。 ケニアで最初のツイッターアカウントは2007年3月、@kamuiriの名で開設されたと記録されている。現在ケニアには、フェイスブックユーザー430万人とツイッターユーザー120万人がおり、ブログ登録数は1万5000となっている。

そのレポートによれば、ブロガーたちを規制する当局からの圧力が強まっているという。オンラインで公表した内容のせいで起訴されているケニア人が5人ほどいるのである。

コリー・キシルは、BAKE創設メンバーの一人であるジェイムス・ワマタイにインタビューし、この団体について、様々な論点から検討を行った。

コリー・キシル(CK): BAKEを始めたのはいつですか?

James Wamathai (JW): BAKE was ‘born’ in 2010 after Kennedy Kachwanya floated an idea of a bloggers association to select group of Kenyan bloggers. They then came together and formed what we know now as the Bloggers Association of Kenya (BAKE).

ジェイムズ・ワマタイ (JW): BAKEは 2010年に「誕生」しました。 ケネディ・カチュワニャ が、ケニアのブロガー集団を選出するため、ブロガーの協会というアイデアを提案した後のことです。それからメンバーたちが集結し、現在the Bloggers Association of Kenya (BAKE)として知られている組織を結成しました。

CK: 創立者は誰ですか?また、メンバーたちはどのようにして集まったのですか?

JW: BAKE was founded by 42 people and the notable ones being Kennedy Kachwanya, Robert Kunga, Martin Gicheru, Rayhab Gachango, Njeri Wangari, Rebecca Wanjiku, Kahenya Kamunyu, Conrad Akunga and myself. Kennedy Kachwanya started the conversation.

JW: BAKEは42人のメンバーによって創立されました。その中心となったのは、ケネディ・カチュワニャ、ロバート・クンガ、マーティン・ギチュー、ライハブ・ガチャンゴ、ンジェリ・ワンガリ、レベッカ・ワンジク、カヘニャ・カムヌユ、コンラッド・アクンガ、そして私、という事になるでしょう。ケネディ・カチュワニャが話し合いをスタートさせたのです。

CK: 何か他の表彰の場ではなく、BAKEでなければならない理由は何ですか。

JW: In 2012 BAKE came up with the idea of the Kenyan Blog Awards which would act as a reward and recognition mechanism for exceptional Kenyan bloggers blogging on different topics.

Four years down the line it has grown into a competition that has attracted solid sponsorship from organizations such as Airtel, Hivos Foundation, Intel, Samsung, Microsoft among others. The submissions into the competition are now at 1,800+ with over 150,000 people voting.

The awards have also been a catalyst for blogging growth and because of them we've seen many blogs come up that have been inspired by the some of the winners of the blog awards.

JW: 2012年に、様々なトピックを扱う優秀なケニア人ブロガーを評価し、報酬を与える手段として、ケニアン・ブログアワード のアイデアを思いつきました。

4年後、このコンテストは大きく成長を遂げ、数ある企業の中でも、エアテル、ヒボスファウンデーション、インテル、サムスン、マイクロソフトといった企業から確固たる経済的支援を得られるようになりました。コンテストへのエントリーは今や1800件以上に達し、それに対し15万人以上が投票をしています。

このコンテストをきっかけにブログ数が増加を続けており、受賞者に刺激を受けた結果生まれたブログを、私たちはたくさん見てきました。

CK: 会員は何人位いますか?

JW: We have 500 full members and about 2,000 quasi members. The full members have paid a membership fee and the rest have just registered their blogs with us.

JW: 500人の正会員と約2000人の準会員がいます。正会員は会費を払っていますが、それ以外の会員はブログの登録だけをしています。

CK: 創立者の一人として、この協会が直面する課題についてはどう考えますか?

JW: Not having enough funds to fund our activities especially our digital training. We started taking our trainings to towns outside of Nairobi last year and we've covered about 15 but more work still remains to be done.

JW: 特にデジタル研修において、活動資金が十分ではありません。私たちは昨年、ナイロビ市外の町で研修を始めており、約15地区を回りましたが、まだやらなければならない事が残っています。

CK: ブロガーたちについては?

JW: Bloggers lack access to funds to expand especially if they decide to make blogging a business.

Some bloggers have also found themselves on the wrong side of the law after rubbing some powerful people the wrong way. Examples here are Allan Wadi and Abraham Mutai.

JW: 特にブログをビジネスにつなげようとした場合、彼らはそのための資金を調達する方法を知りません。

また、権力者を怒らせてしまい、ふと気づけば犯罪者にされていたブロガーもいました。アラン・ワディとアブラハム・ムタイがその例です。

CK: BAKEに参加するには、ライターとして何が必要なのでしょうか?

JW: They just need to be online content creators who share factual and original content.

JW: 単純に、事実に基づいた独自のコンテンツを共有できる、オンラインコンテンツ・クリエイターである事。それだけです。

CK: 創設者、そしてメンバーの一人として、一番素晴らしい功績は何だと考えますか?

JW: We have trained over 1,500 people on blogging, social media and online community management.

In five years we have managed to increase the number of online content creators around Kenya to over 5,000.

We have successfully organized the BAKE Kenyan Blog Awards for 4 years. The awards represent BAKE’s efforts in the promotion of quality content creation.

JW: 私たちはブログ、ソーシャルメディアとオンラインコミュニティの運営管理において、1500人以上に研修を行いました。

この5年で、私たちは努力の末に、ケニアのオンラインクリエイターの数を5000人以上に増やす事ができました。

4年の間、ケニアン・ブログアワードを開催し、成功を収めています。このコンテストは、高品質なコンテンツ開発の促進という意味において、BAKEの努力を象徴しています。

The cover of The State of Blogging and Social Media in Kenya 2015 Report.

ケニアにおけるブロギングおよびソーシャルメディアの現状レポート2015年度版

CK: こんなことわざがあります。「アフリカ人に見つけられたくない物は本の中に隠せ」。ケニアで読書文化を普及させるため、BAKEはどんな事をしていますか?

JW: I disagree that Kenyans do not read. This stereotype is perpetuated unfairly by people who don't really have any facts to back this claim. Blogs in Kenya are widely read and the growth of street bookstores point to the fact that Kenyans do read. The quality of what they read is another story. But they read.

JW: ケニア人が読書をしないとは思いません。実際には根拠となる事実を何も知らない人々が、こういった固定観念を不当に持ち続けています。ケニアではブログが広く読まれており、町に本屋の数も増えている事からもケニア人が実は読書をするという事実がわかります。彼らが読んでいるものの質についてはまた別の話ですが、彼らは読書をするのです。

CK: 賞を得ること以外に、ブロガーたちはオンラインコンテンツ・クリエイターの集団としてBAKEから利益を得ているのでしょうか?

JW: We train bloggers on how to be better online content creators.

We empower bloggers by linking them with advertising from brands through our commercial arm Bloggers Media Limited (BML).

JW: 私たちはより優れたコンテンツ・クリエイターになる方法を、ブロガーたちに教えています。

我々のコマーシャル部門である、ブロガーズ・メディア・リミテッド(BML)を通し、ブランド広告と彼らのブログの橋渡しをすることによってブロガーたちを援助しています。

CK: ケニア、そしてアフリカにおいて今後はどんな計画がありますか?

JW: We plan to take our digital training workshops to all the 47 counties in Kenya.

We plan to set up a digital academy to impart digital skills to young Kenyans who are looking to be employed or start businesses in the digital sphere,

We plan to set up a University Blog Awards in order to encourage and reward content creators who are in university students.

We plan to set up more University Chapters so that we can support young online content creators directly. Currently we have two, Daystar University and Kimathi University.

In Africa, we would like to help set up blogging associations in all the African countries and then create linkages that will help unite Africans and tell the African story.

JW: ケニアの47県全てでデジタル研修を行う計画があります。

デジタル分野の就業や起業を希望する若者に向け、技術を伝授するための専門学校を設立することを考えています。

大学に通いながらコンテンツ・クリエイターをしている人に対する激励と報酬ということで、大学ブログアワードを準備することも考えています。

より多くの大学に支部を置き、若いオンラインコンテンツ・クリエイターを直接サポートできるようにすることも考えています。最近ではデイスター大学とキマスィ大学の2校でサポートを行っています。

アフリカにおいては、アフリカ各国でのブログ協会の発足を援助したいと考えています。そして、アフリカ人同士の団結を促し、アフリカの歴史を伝えられるようなつながりを創っていきたいと思います。

校正:Maki Ikawa

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