インドネシアのウィメンズ・マーチ 権利と自由を奪う法制に抗議するため立ち上がった人々

ウィメンズ・マーチ2018ジャカルタの参加者。ウィメンズ・マーチより許可を得て掲載

インドネシアの十数の都市で行われたウィメンズ・マーチに、1000を超える人々が参加し、公平と女性の権利の保護を呼びかけた。この一斉行進は、国際女性デー(3月8日)の5日前、2018年3月3日に行われた。

このウィメンズ・マーチでは、8つの要求が政府に提示された。

  1. ジェンダーバイオレンス(日本で言うDVとほぼ同じ意味)を後世に残すような差別的な法律や制度を廃止すること
  2. 女性、子供、先住民、障害者、性的少数者の人々を、差別や性的暴力から守る法律や制度を可決すること
  3. ジェンダーバイオレンスの被害者が、裁判を起こしたり、リハビリを受けやすくすること
  4. 国や社会が、人の身体や性的関心について干渉することを止めること
  5. 人のジェンダー、性的関心、健康状態に関する恥辱や差別を廃止すること
  6. 裁判所、学校、職場で頻繁に振るわれている暴力を根絶すること
  7. 女性、特に工場労働者、トランスジェンダー、セックスワーカー、家事労働者への、経済的、および金銭的な剥奪を止めること
  8. 様々な制度に存在している不公平な慣習と、暴力の文化を廃止する前向きな社会を

この集会では、国民議会(DPR)のメンバーを批判した者を処罰する刑法(RKUHP)改正案が承認されたことも問題に掲げられた。また参加者は、かん淫にとどまらず、避妊や性教育に関する情報共有までも禁止する法案が可決されたことを非難した。

インドネシアはイスラム教徒が人口の大多数を占めるが、社会の調和を目指すため、多様な信仰を尊重する穏健なイスラム教を推進してきた。しかし近年では、強硬路線の聖職者たちが、イスラムの教えの厳密な解釈と彼らの考えの妥当性を、様々な統治の面で推し進めている。

インドネシアのウィメンズ・マーチは2017年に始まった。社会の様々な場面に影響を及ぼしている家父長制を打ち破るために、あらゆる社会的立場の人々を動員することをコンセプトとしている。インドネシアでは、女性は「夫のために魅力的でいること、家族のために料理をすること、子供を育てること」だけやればよいという古いジャワの教えのような封建的な概念が根強く残っており、参加者はこれについて言及している。

参加者たちはソーシャルメディアで、ハッシュタグ#LawanBersama(ともに戦おう)を使い、団結と、女性の権利への公的サポートを呼びかけた。

今朝のウィメンズ・マーチで、心揺さぶられる素晴らしい多くの女性たちと共に行進できた。それは光栄で恐れ多いことだった。

画像中のポスターの言葉:「人の下半身について法律で縛りつけても汚職がまん延するだけだ」

インスタグラムのキャプションの言葉:今朝のウィメンズ・マーチにて。自分の意見を述べることに加えて何が楽しいかって、忙しい生活の中でめったに会えないような 人たちと会えることだ。この人たちみたいな。

画像中のポスターの言葉:「家父長制は男性にとっても悪夢だ」

画像中のポスターの言葉: 「私のピュアな体に、汚い法律は介入しないで」

インドネシアでは、親が18歳以下の子供を結婚させるのを禁じる法律があるにもかかわらず、未成年者の結婚は、いまだ普通に行われている。インドネシアの児童婚は多くの場合、公表されていない。バリの近く、東ヌサトゥンガラ州の州都クパンでは、10代のカップルが懸念や希望の声を上げた。

インスタグラムのキャプションの言葉:「より人権を尊重したインドネシアのために! クパンのウィメンズ・マーチ」

画像中のポスターの言葉:「ママ、私の子宮はまだ子供を産むには早すぎるよ。」「ママ、僕はまだ学校に通いたいよ。」

3月3日のウィメンズ・マーチは、インドネシアで1ヶ月にわたって行われる様々な活動の始まりに過ぎなかった。

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