2012年8月にオーストラリアのメルボルンで行われた自由な西パプアの実現を求める抗議行動。ウィキペディアから転載。 (CC BY-SA 3.0)

インドネシアのパプア州で8人の学生たちが警察に拘束され反逆罪の疑いで取り調べを受けている。12月1日水曜日、ジャヤプラ市にあるチェンドラワシスポーツセンターでモーニングスター旗を掲げ、パプア州警察本部に向けて行進したことがその理由である。インドネシア政府はモーニングスター旗を掲げることを禁じている。この旗は、長きにわたりインドネシアからの独立を求めてきた地域でパプア人の誇りと主権の象徴とされてきた。

Suara Papua（パプアの声）によると、学生たち8人は、モーニングスター旗を振り、「西パプアに自決権を！　軍による西パプアの支配をやめよ。国連人権高等弁務官の西パプア訪問歓迎」と書かれた横断幕を掲げながら、パプア州警察本部へ向けて抗議のデモ行進を行った。

学生たちは警察署に着くとすぐに拘束され、いま反逆罪に問われようとしている。インドネシアでは反逆罪には懲役20年の判決が下される可能性がある。

1/12/21 Jayapura, West Papua

Six students DT, EM, LS, MY, AM, MY were arrested for raising the banned Morning Star flag. They could face treason which carries life imprisonment.

The Morning Star was first raised on this day in 1961. pic.twitter.com/d200w6ti7H

— Veronica Koman 許愛茜 (@VeronicaKoman) December 1, 2021

2021年12月1日、西パプアのジャヤプラにて
6人の学生、DT、EM、LS、MY、AM、MYが禁止されているモーニングスター旗を掲げたかどで逮捕されました。終身刑になる反逆罪に問われるかもしれません。

モーニングスター旗が初めて掲げられたのは1961年のこの日のことです。

独自の西パプア独立記念日とされている2021年12月1日は、オランダからの独立を期してパプア人たちが初めてモーニングスター旗を掲揚してから60年目の記念日にあたる。その時以来、この出来事を記念し自由パプアへの希望を表明して、世界各地にいるパプア人たちが12月1日にこの旗を掲げてきた。

West Papuans around Australia have raised their Morning Star flag, a potent symbol of their struggle for independence from Indonesia, to mark the 60th anniversary of the first time it was flown in the former Dutch colony https://t.co/htjxfbi5PG pic.twitter.com/1yuCCgz7gI

— Andreas Harsono (@andreasharsono) December 1, 2021

オーストラリア各地にいるパプア人たちが、インドネシアからの独立闘争を何よりも象徴するモーニングスター旗を掲げました。旧オランダ植民地で初めてこの旗が掲揚されてから60年目の記念日を祝うためです。
— アンドレアス・ハルソノ（@andreasharsono）2021年12月1日

訴訟コーディネーターを担当しているエマヌエル・ゴアルが報道機関Suara Papua（パプアの声）に語ったところによると、学生たちはまだ正式に起訴されていないという理由でゴアルの支援が認められなかった。ゴアルは次のように語っている。

We have not accompanied the eight Papuan students directly because the investigators have not updated the status of the eight students, he said. Until now, the eight Papuan students who raised the Morning star flag at the Jayapura Sports center are being detailed by the Papua regional police. The detention of these eight people still does not have any status.

私たちはまだ直接8人のパプアの学生たちに面会したことがありません。捜査当局が8人の学生たちの法的地位を変更していないのです。今のところ、ジャヤプラのスポーツセンターでモーニングスター旗を掲げたパプアの学生たち8人はパプア警察で詳しい取り調べを受けています。8人の拘束にはいまだ何の法的地位も生じていません。

パプア独立に向けた抗議行動を理由に学生たちが標的にされたのはこれが初めてではない。2020年8月、パプアを支持する抗議行動に参加したことで、ひとりの大学生が退学処分となり反逆罪に問われている。同様に「バリクパパン・セブン」と呼ばれる他の7人の活動家がパプアで人種差別の廃止を訴える抗議行動に参加したことで反逆罪に問われ、1年近く投獄された。この事案によって、インドネシア政府には国際的な広い注目と批判が集まった。

ここ数か月パプアでは緊張が高まる一方である。COVID-19によって経済的な苦境に置かれていること、活動家やパプア人市民の間で独立を求める声が高まっていること、この島で最近軍や武装勢力による暴力が発生していることが要因である。

報道機関Suara（声）によると、学生の抗議行動があったその日、地元の武装勢力、西パプア民族解放軍（TPNPB）のメンバーが、西パプアのソロンにある木材会社Build Irian Wood社に放火した。

同勢力の報道担当は、「パプアにおけるいかなる開発も拒否する。地域社会の意に反する開発を続ける会社に対しては同様の行動を起こす」と語った。