タイ学生自治会会長、反政府運動参加で逮捕

学生自治会会長のジュタティップ・シリカン氏は、釈放後に象徴的に白いペンキを被り、抵抗を示した。写真とキャプションはプラチャタイ(Prachatai)による

この記事は、タイの独立情報サイトであるプラチャタイ(Prachatai)の記事を参考にしたものである。同サイトとのコンテンツ共有契約の一環として、グローバル・ボイスが編集・再記載している。

タイ学生自治会(SUT)の会長であるジュタティップ・シリカン氏が、7月18日の団体抗議運動に参加した罪で、9月1日に大学への通学中に逮捕された。

ジュタティップ氏は、バンコクのタマサート大学タプラチャンキャンパスでの講義にタクシーで向かっている途中に逮捕された。私服警察官が彼女の乗っていタクシーを止め、逮捕状を示した9月1日の午後12時50分から、彼女はFacebook上でライブ配信を行った。

ジュタティップ氏はサムランラット警察署に連行された。ジュタティップ氏は、警察官が彼女を逮捕するために用意した自家用車では、警察署に到着するまでの安全性に欠けると感じた。そのため、警察官一人が警察署までタクシーで彼女に同行した。彼女は警察署に到着するまでの間もFacebookでのライブ配信を続けた。そしてその中で、トマス・ペインのコモン・センスのタイ語訳版から、数節を抜粋して読み上げた。

その後、彼女はバンコク刑事裁判所に連行されたが、午後5時20分には保釈を許され、タマサート大学講師による保護の下で釈放された。裁判所は、彼女に保釈金10万バーツ(約34万円)の即時の支払いは求めなかったものの、彼女が告発された行動を繰り返さないという条件を課した。これは、彼女と同じ内容で告発されたのち釈放された、他の逮捕者に課された条件と同じものだ。

ジュタティップ氏は、7月18日の団体抗議運動に参加した罪で逮捕された14番目の活動家だ。他の15名の抗議参加者も、出頭命令を受けて、告発内容を知るためにサムランラット警察署に8月28日に出頭した。ジュタティップ氏は、扇動罪や、緊急法令および伝染病法に違反した罪などで起訴された。

ジュタティップ氏は釈放後、刑事裁判所の前に姿を現し、短時間の記者会見に応じた。

「ペンキは洗い流せても、不正は洗い流せない」

I didn’t intend to run away to begin with. I know I have an arrest warrant. I have been waiting to be arrested for a very long time, but it didn’t happen until today. Each time someone gets arrested, there will be slurs against our side that we did not protest peacefully.

I am a student and I have been harassed by the police for months, for years. Why is there no compensation for me? Why must there be compensation for the police who are servants of the dictatorship?

There should actually be a summons first, but what happened was that the police brought the arrest warrant and arrested me. It’s extremely unfair to a student. They followed me with my phone signal, followed me from where I’m staying. They threatened my home, they threatened my family, they took a warrant to my house, so now we have to escalate our protest. Everything is supported by the Constitution.

We pay our taxes. We must receive protection from the state, not harassment from the state. So today I have to express myself symbolically that we can do this. We must stand by our rights and freedoms. Throwing paint is also something that can be done.

まず第一に、私は逃げるつもりはありませんでした。私は私に向けた逮捕状があることを承知しています。逮捕するならいつでも来いという気持ちでずっと待ち構えていたのですが、今日になってようやく逮捕されました。誰かが逮捕される度に、私達の立場に対して、抗議が穏健でなかったとして批判が起こるのでしょう。

私は学生ですが、何ヶ月、何年もの間、警察に苦しめられてきました。それなのに、 どうして私には補償がないのでしょうか。どうして独裁政権の手下である警察には補償がなければならないのでしょうか。

本来、まず先に出頭命令が出されるべきであるのに、出頭命令なく警察は逮捕状を示して私を逮捕したのです。これは学生に対してあまりにも不公平です。彼らは私の電話信号を使って私を追跡し、私の滞在場所から私を追いかけていました。私の家庭を脅かし、私の家族を脅かし、そして逮捕状を私の家に示しに行きました。だから、今私達は抗議を拡大しなければなりません。憲法が全てを支えてくれます。

私達は税金を支払います。私達が国家から受け取るべきものは保護であって、嫌がらせではありません。だから、私は今日、私達はこんなことができるのだということを、象徴的に自己表現しなければなりません。私達は、私達自身の権利と自由を守らなければなりません。ペンキを投げつけることも、私達ができることの一つです。

その後、ジュタティップ氏は、3本の指を高く挙げて、映画”ハンガー・ゲーム”の敬礼をしながら、バケツに入った白いペンキを彼女自身の体に浴びせた。白いペンキは 潔白さと正義を象徴しており、また、人々は正義が取り戻されることを求めていると彼女は述べた。

We are showing that this is freedom, this is the kind of expression we can do. Even if now it is throwing paint over ourselves, it is a way of showing that we can throw paint at any time. We can throw paint over those with power, because those with power throw legal charges over us, throw bullets at us without exception.

Paint can be washed out, but we can’t wash out injustice.

私達は、これこそが自由だということ、また私達はこのような表現ができるのだということを示しています。今はペンキを投げかけるのが私達自身に対してであっても、 この行為は、私達がやろうと思えばいつでもペンキを投げつけることができる、ということの見せつけになります。権力者達は、私達を法的に攻撃したり、例外なしに弾丸で攻撃したりするのですから、私達はペンキを権力者達に投げつけて攻撃することができます。

ペンキは洗い流せても、不正は洗い流せません。

その後、ジュタティップ氏は、保釈金を支払ってくれた講師と、彼女を支持するためにやってきた人々に感謝を示し、また民衆が裁判所前の歩道の前の小道についたペンキを落とすのを手伝った。

「私達は、君主制の改革と新憲法成立を含めたあらゆる事柄に関して、勝利を掴むまで戦い抜きます」とジュタティップ氏は述べた。

校正:Masato Kaneko

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.