ロシアの裁判所、データ・ローカライゼーション規制に違反したとしてソーシャルメディア企業に多額の罰金を科す

画像:トーマス・ウルリッヒ、ピクサベイから転載。ピクサベイ・ライセンス。

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モスクワ地方裁判所は、ロシアのデータ・ローカライゼーション要件に違反しているとして、ソーシャルメディアの巨人に新たに多額の罰金を科した。最新の罰金は、合計で3,600万ルーブル、つまり485,000ドルを超える。

Facebookは1,500万ルーブル(202,000ドル)、Twitterは1,700万ルーブル(229,000ドル)の罰金を科された。ロシアのインターネット監督当局である連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁(ロスコムナドゾル)の声明によると、Facebookが所有するメッセージングアプリであるWhatsAppは、別途400万ルーブル(54,000ドル)の罰金を科された。

2015年に採択されたデータ・ローカライゼーション法では、ロシア人ユーザーのデータを処理するすべてのインターネット企業に対し、それらのデータをロシア国内に配置されたサーバーに保存することを義務付けている。この政策は、ロシアの国家がオンラインコンテンツおよびコミュニケーションをより自在に統制できるようにすることを目的としている。さらに、これは国外に拠点を置くサービスを使用して個人データを送信または保存する場合には難しいユーザー情報への超法規的アクセスにつながる。ほとんどのソーシャルメディア企業はユーザーのデータに対する政府の要請に応えるには裁判所命令が必要だとしているが、国家当局にとっては監視技術を使用するか、管轄内の企業サーバーに直接アクセスすることで、ローカルに保存されているデータに非常に簡単にアクセスできる。

Booking.com、Apple、Samsungなどの一部のテクノロジー企業は、この法律に準拠していると報じられている。ロスコムナドゾルによると、ロシアにオフィスを持つ約600 の外国のテクノロジー企業がすでにロシア人ユーザーの個人データをローカライズしている。しかし、欧米のソーシャルメディア企業はクレムリンの要求を断固として無視しており、新たな罰金にどのように反応するかは不透明だ。

ロシアのインターネット監督当局である連邦通信・情報技術・マスコミ分野監督庁であるロスコムナドゾルは、従わなければ罰金を科したりブロックしたりすると長年脅してきたが、これまでのところ、明らかな制裁に直面している企業はごくわずかである。2016年、現在Microsoftが所有しているビジネス向けのソーシャルネットワークであるLinkedInは、データ・ローカライゼーション規制への準拠を拒否したため、ロシアではブロックされた

2020年2月、FacebookとTwitterには、それぞれ400万ルーブルの罰金(54,000ドル)が科されたが支払わず、Twitterはその罰金について裁判所に上告した。その際、コメンテーターは、どちらの会社もロシアに法人を持っておらず、罰金の支払いを義務付けるのは難しいだろうと述べた。Googleは2021年7月に同程度の罰金(300万ルーブル、つまり41,000ドル)を科された。

ロシアのデータ・ローカライゼーション規制は決して特殊ではない。ドイツやカナダからベトナムやインドネシアの国々は、自国のデータ保存に独自の規制を採用している。

2019年3月、Facebookのマーク・ザッカーバーグは、Facebookや同社の他のサービスであるInstagramやWhatsAppは、人権に関して「芳しくない」状況の国では「機密性の高い」ユーザー情報を保存しないと発表した。ただ、どの国かについては言及していない。

昨年、ロシアはソーシャルメディア企業に新たな圧力をかけた。

2021年の春、ロシア当局は、全国の大規模な反対派の集会での抗議に関するコンテンツを削除しなかったとして、オンラインネットワークを取り締まった。さらに、ロシアの検閲官によって違法と見なされたコンテンツを削除しなかったとしてTwitterの通信速度の制限を始め、このマイクロブログプラットフォームを罰した。

2021年7月、ウラジミール・プーチン大統領は、一日あたり50万回以上の視聴回数を誇る外国のソーシャルメディア企業にロシアに支社を開設し、現地の法人を登録することを義務付ける新しい法律に署名した。準拠しないプラットフォームは、広告の制限またはブロックに直面する可能性がある。

校正:Shigeru Tani

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