戦地の動物を救え! 東ウクライナから300匹の犬や猫を救出

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キーウ・アニマルレスキュー・グループからスヴォイ・シティへ提供。公正使用。

ヴァレリア・パナセンコによるこの記事は、当初ウクライナのメディア、スヴォイ・シティに掲載されたものです。 グローバル・ボイスは、コンテンツ共有契約に基づき編集した短縮ヴァージョンをここに再掲載します。

キーウ・アニマルレスキュー・グループ のボランティアは2014年から動物の救助を行っている。首都キーウとその周辺地域でのみ動物を救助していたが、2022年12月に東部への最初の救助作戦に着手した。東部地域は、ロシアの全面戦争のさなか、激しい砲撃を受けていた。これまで、ボランティアたちは東部から動物を避難させる活動をすでに4回試みており、バフムートに2回、近隣のチャシウヤールにも2回行ってる。 これらの救助活動によって、約300匹の犬と猫、そして1頭のヤギを救出することができた。

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救助されたヤギ。写真:キーウ・アニマルレスキュー・グループからスヴォイ・シティへ提供。公正使用。

「通常、私たちは小さなグループで目的地へ向かいます。1台か2台のマイクロバスにそれぞれ2人乗り込みます。多くの救助要員は連れていけません。より多くの動物を救助するには車内にできるだけ多くのスペースが必要だからです。しかし、動物を紛争地域から救助するだけで終わりとはいきません。キーウとその近隣地域のすべての避難所は過密状態であるため、すべての動物を余裕を持って収容するのはできません」と動物保護ボランティアのミハイロ・ストロジュクさんは語った。

救助が必要な動物は路上で簡単に見つかる。 通常、動物は自分に餌を与えてくれる人間を探すからだ。「路上にはさまざまな動物がたくさんいますが、すべてを捕まえて収容することはできません。そのため、まず第一に路上で生きていけない動物を収容します。たとえば、かつて家で飼われていた動物たちです。暖かい家や餌をもらうのに慣れてしまっていますから。 負傷したり重病を負った動物も同様です」とミハイロさんは説明する。

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ドネツク地方から救助した猫。写真:キーウ・アニマルレスキュー・グループからスヴォイ・シティへ提供。公正使用。

キーウ・アニマルレスキュー・グループのボランティアは全員、以前、緊急事態に対処する経験があるか、動物と関わった経験がある。「私たちは全員コースを受講し、トレーニングを受けてきました。たとえば、私は洞窟学者であり、高所作業の仕事もこなします。ロープを使って作業したり、木に登ったり、地下に潜ったりできます。私たちのチームの大部分は動物保護施設で働いていました。旅行家もいれば、洞窟学者、地下探検家もいます」とボランティアのミハイロさんは語る。 

通常、ボランティアは数日間滞在し、朝から暗くなるまで最前線の町の隅々まで見て周り、負傷したり弱った動物を救助する。ミハイロさんは更にこう付け加えた。

Ми намагаємося забрати якомога більше тварин за менший проміжок часу, щоб не знаходитися у небезпечному місці довго. Тобто ми приїжджаємо на точку, швиденько завантажуємо тварину й їдемо далі, бо прильоти там майже щохвилини. Перші дві місії в Бахмуті ми працювали майже по 10 днів. Ночували в Слов’янську, а зранку їхали знову туди. 

危険な場所には長居できないので、短時間にできるだけ多くの動物を保護するように努めています。砲撃は休むことなく続いているので、保護する動物がいる現場に到着すると、速やかに動物を積み込み、車を発進させます。 バフムートで初めて行った2つの任務では、ほぼ10日間連続で働きました。 スラヴァンスクで夜を過ごし、朝には現場に戻るといった具合です。

戦時下、飼い主とペットの苦闘はつづく

人員不足のため、月に1回しか救助のための遠征はできない。ミハイロさんは、このように頻繁に遠征しないことには利点もあると語った。なぜなら、その間にボランティアが保護した動物たちの行き先を見つければ、新しく保護する動物に空いた場所を使えるからだ。彼は次のように説明する。

Ми прилаштовуємо тварин всюди, де є ще місце. Це і приватні притулки, і волонтери, які приймають по одній-дві тваринки до себе додому. На жаль, ми маємо дуже багато покинутих тварин, бо часто люди їдуть, самі не знаючи куди. Переселенці часто не можуть знайти житло, куди готові пустити з тваринами. А ще більше людей живе в шелтерах по кілька десятків людей у кімнаті. Очевидно, що вони не можуть взяти туди дві вівчарки.

私たちはスペースがあればどこでも動物を収容します。 民間の保護施設でも、ボランティアが1匹か2匹の動物を家に連れて帰る場合もあります。 残念なことに、置き去りにされ保護している動物は多数に上ります。人々は行き先が分からないまま避難することが多いためです。避難先には動物の居場所がないことがよくあります。避難施設に収容される人は増加しており、一部屋に数十人ということもあります。そんなところに牧羊犬を2頭を連れて行くわけにはいきません。

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避難を待つ犬。写真:キーウ・アニマルレスキュー・グループからスヴォイ・シティへ提供。公正使用。

しかし、こういう難題にもかかわらず、自分で住む場所を確保した後にペットを取り戻したいと考えている飼い主はたくさんいる。住まいや仕事を見つけた後、多くの人がペットを見つけて安全な場所に連れてくるようボランティアに依頼する。


「私たちは、飼い主が引き取りたいと思っているペットを喜んで避難させます。 私たちはペットを探して救出します。 しかし、時として、すでに手遅れなことが起こります。飼い主が動物を隣人に残し、隣人は避難して他の人に動物を預けます。 ペットを見つけることが常に可能であるとは限りません」
とミハイロさんは悲しそうに言います。

しかし、ペットを連れずに家を離れることを渋る飼い主もいる。 ペットを捨てたくないという理由で避難を拒否する人もいる。

Є такі люди, які чекають, щоб вивезли їхніх тварин. І тільки після цього вони погоджуються їхати самі. Їх небагато, але такі люди існують, і це не може нас не радувати. Люди розповідають, що їх не хочуть евакуювати разом із їхніми котами та собаками, тому вони вимушені залишатися. У таких випадках ми кличемо на допомогу волонтерів, які вивозять із зони бойових дій людей, а самі забираємо тварин.

ペットたちの避難を待っている人たちがいます。ペットの避難ができて初めて、その人たちは自ら避難することに同意するのです。多くはありませんが、そういう人たちがいると嬉しくて仕方ありません。犬や猫を飼っているから避難したくない、ここに留まらなければならない、と人々は言います。このような場合、人の避難については紛争地域からの避難に対応するボランティアの助けを求め、私たちの方はペットについて対応します。

動物たちは怯え救助を求めている

食糧不足により、動物はおろか、地元住民が自分たちで食事をすることも困難になっていることをボランティアたちは知っているため、常にペットフードを持参する。通常、飼い主のいなくなった犬や猫のために約2トンのドライフードを用意する。住民たちのペットだけでなく、出会った迷い犬や猫にも餌を与えるために人々に託すのだ。

「遠征に先立って、関係者の皆様にペットフードのための資金集めか、寄付をお願いしています。隣人が去った後に残った人が多くの動物を抱え込んでしまうことがよくあります。たとえば、バフムートのある通りには捨てられたすべての動物に餌をあげていた年配の女性がいました。数十匹いました」とミハイロさんは語った。 

ボランティアたちは、ドネツク地方に置き去りにされた動物たちが人々に対してとても友好的なことに気づいた。動物たちは怖がっており、戦闘地域から連れ出して欲しいと思っているようだ。

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前線から救助された猫。写真:キーウ・アニマルレスキュー・グループからСвої.Cityへ提供。公正使用。

「砲弾が降ってくる中で暮らす犬や猫は、たとえ初めて会ったばかりでも、とても簡単に捕獲できます。彼らは好意的で愛情に飢えています。 キーウで野良猫を捕まえようとしても、人慣れせず攻撃的で、拾わせてくれません。それにひきかえこの子たちは、『私たちをここから連れて行って、外へ連れて行って』と言っているかのように行動します。私たちがキャリアを開けて餌があると分かるとすぐに、その中に逃げ込んでしまいます」とミハイロさんは語った。 

校正:Mitsuo Sugano

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