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マケドニア:NATO、EU加盟のために国名変更?

1991年にマケドニアがユーゴスラビアから独立して以来、その国名は隣国ギリシャとの間で激しい論争の種となってきた。ギリシャは、マケドニアが憲法で定めている「マケドニア共和国」という国名を使用することは、その名称へのギリシャの歴史文化的主張を侵害するばかりでなく、ギリシャ北部マケドニア州への領土権主張をちらつかせていると訴えている。

そのかわりにギリシャと国連は、マケドニアを「マケドニア旧ユーゴスラビア共和国」と呼び続けている。B92ブロガーLucy Mooreは、「小さな国にしてはひどく長い名前だが、短くしてFYROMと呼べば良い」と指摘し、「ギリシャが紀元前3世紀の名前にこだわり続けているのを見ていると、1398年のセルビアのコソボに対する領有権主張が急に妥当に聞こえてくる」と付け加えている。

Do Not Fyrom Me
Photo by Tigertweet, used with permission.

現在、この旧ユーゴスラビアの共和国の国名をめぐる議論が、ギリシャも加盟しているEUおよびNATOへのマケドニアの加盟を脅かし兼ねない状態にある。4月にブカレストで開かれるNATOのサミットで加盟への招待があると期待されており、先月のコソボの独立宣言を受け、マケドニア(かなりの少数派アルバニア人がいる)は安定を保つために同安全保障組織、そして後に欧州連合への加盟が必要であると、マケドニア当局者は述べている。

しかし、ギリシャはマケドニアが現在の名称(マケドニア共和国)を変更しなければ、同国の加盟投票で拒否権を行使すると脅している。先週発表されたEUの経過報告書によると、マケドニアはNATOの他にも秋にはEUとの加盟交渉開始を望んでいる。唯一問題になりそうなのは、やはりその国名だ。EUのオリ・レーン拡大担当委員は、「もしこの問題が解決できなければ、(EU加盟に)悪い影響を及ぼすかもしれない」と述べている。Balkan Babyは、ギリシャ側がもっと柔軟性を持ち、双方が地域の安定を維持するために近いうちに妥協点に達するよう求めている:

現在バルカン地域全体に漂う不安定感から考えると、比較的豊かな国であるギリシャが、貧しくはあるがセルビアとは違い西側諸国寄りの民主主義国家を目指し安定を促すマケドニアの発展を妨げるのは、非常に無責任であるように思える。ギリシャ側からの反対はおそらくマケドニアのナショナリストの感情を逆なでし、2001年に起きた少数派アルバニア人との流血の衝突のような事態をくり返してしまう可能性もある。自らをバルカン諸国の一員ではなく地中海国として売り長い間避けてきたが、そろそろギリシャもその高慢さを捨て、この地域においてもっと責任ある成熟した役目を果たす時がきたようだ。もしかしたらマケドニアも対抗して、ギリシャに「アテネ旧オスマンギリシャ共和国」に変更させるよう要求できるのでは?

Dieneke's Anthropology Blogは、なぜ両国にマケドニアというの名に権利があるのか説明し、この国名問題の複雑さを詳細に解説している。

この論争では「Macedonian(”マケドニアの”という意味)」という形容詞の使用が問題の中心にある。この形容詞には、マケドニアという地域の出身者を指す地理的な感覚がある。しかし、多くの(またはほとんどの)スラブ語を話すFYROM(マケドニア旧ユーゴスラビア共和国)の住民は自分たちを民族的にマケドニア人と考えているため、FYROMの住民にとってもこの言葉は民族的意味を持ち合わせている。[…]

-FYROMはマケドニアのほんの一部でしかない
-地理的には北部、遺伝学的にはマケドニアの血の一部、言語学的にはマケドニア地方のスラブ方言のだから、ギリシャがマケドニアという名前への独占権をFYROMが持つことを認めたくないのは当然だ。
-FYROMの人びとはマケドニアの一部に住み、スラブ語族のマケドニア方言を話し、バルカン地域の他のスラブ人とは違う国と考えているのだから、マケドニアの名前への権利を要求するのは当然だ。

Macedonia Greece
Demonstration in Thessaloniki for the name change of the Republic of Macedonia. Photo by Pappalicious, used under a Creative Commons license.

マケドニア人ブロガーもギリシャ人ブロガーもこの国名問題について強い感情を抱いているが、Greater Surbitonのような外部の人は理解し難いと感じている:

・・・まともな人にとってはここで起きていることを理解するのは難しいかもしれない。イングランド人が、ボアディケアはイングランドなのかウェールズなのかをめぐってウェールズ人と、またはリチャード獅子心王は「イングランド人」なのか「フランス人」なのかをめぐってフランス人と争っているところを想像してみるといい。フランス人がシャルルマーニュは「フランス人」だったのか「ドイツ人」だったのかをめぐってドイツ人と争っているのを想像してみるといい。これは成熟した民主国家がすることではない。それでも21世紀になっても、この様なことでNATO拡大とバルカン地域の安定が脅かされることがあり得るようだ。事実、それが暗示することはもっと危険だ。もしスラブ人がアレキサンダー大王の遺産を供することが許されないのなら、西インド系やアジア系のイギリス市民はボアディケア やリチャード獅子心王の遺産を共有するを許されないのか?ドイツのユダヤ人はフリードリヒ・バルバロッサの遺産を、またはイタリアのユダヤ人はユリウス・カエサルの遺産を共有することが許されないの?

この17年におよぶ争いの解決を見出せるようギリシャとマケドニアの後押しを任されている国連のマシュー・ニメツ事務総長特別代表は、双方にとって受け入れ可能な国名を協議するのに先月から多忙だ。彼は先日、5つの代替国名候補をを提示し、両国の代表と会談をしている。提案されている国名は、「マケドニア立憲共和国」、「マケドニア民主共和国」、「マケドニア独立共和国」、「マケドニア新共和国」、そして「上部マケドニア共和国」。この提案はあまり評判が良くない。いくつかのマケドニアのブログでは、国名変更に反対する請願書が出回り、マケドニアでは何千人もが抗議し、ギリシャ北部マケドニア地方の首府テッサロニーキでも同様のデモが行われた。

ブログSay:Macedoniaでは、著者が「自分自身の名前を選び国籍を示すことは基本的人権だ」と考え、国連のマシュー・ニメツ事務総長特別代表への公開書簡の中で、ギリシャメディアの間でもっとも人気のある提案のひとつについて意見を述べている:

「上部マケドニア」に関して、(ギリシャのメディアがここ数日間で報道しているように)ギリシャ政府がこの国名に同意する意向を示しているが、この国名は公式見解と矛盾したものであることが指摘されるべきだ。「上部マケドニア」が存在するのなら、論理的には「下部マケドニア」が存在する。そう考えると、ギリシャ政府はよりによってなぜ、「マケドニア共和国」という国名にはギリシャ北部へ民族統一主義的主張がみられるが、「上部マケドニア」にはないと言えるのか?

Macedonia Ohrid
The Macedonian flag over the town of Ohrid
(Photo by rtw2007, used with permission
)

4月のNATOサミットが近づいているために、マケドニアとギリシャ政府間で17年間続いている論争を解決させるための協議に残された時間は残り少なくなっており、何人かのブロガーは代替案を提案している。ギリシャのブロガーEugenia Loli-Queruのアイディアを紹介しよう:

解決策は、両国を合わせて一つの国にすること。「マケドニアとギリシャ」か「マケドリース」か「グリードニア」と呼べば良い。どうだっていいじゃない。肝心なのは、この2つの文化は、彼らが思っている以上に共通点が多いということ。古代マケドニア人は文化や宗教面でギリシャの他の地域にとても似ていた。2つの国を統合するのは大変なことだけど、過去にも行われたことがあるし、平和的にまたそうすることだってできる。[…]
私の最後の議論はこれ:とちらの文化もアレキサンダー大王をあがめていて、それぞれがこの英雄が自分たちだけのものであって欲しいと思っている。でも、アレキサンダー大王が欲しかったのは統一マケドニア=ギリシャだった。2500年経っても統合する良識を持たない両国は、どちらとも彼を英雄とするに値しない。

Florian Bieberのように他のブロガーは、マケドニアの国名が提案されたのを受けて、共和国は国名に意味のある記述形容詞をつけるよう要求されるべきだと考えている。

モンテネグロ小さめ共和国(Smallish Republic of Montegegro)”SROCG”

セルビアなんちゃって民主主義共和国(Kinda Democratic Republic of Serbia)”KDROS”

ボスニア・ヘルツェゴビナ民主連邦ときどき同等構成民族以外誰もいない同盟共和国(Democratic Federal and Sometimes Confederal Republic of Three Equal Constituent People and Nobody Else of Bosnia and Herzegovina)”DFSCRTECPNEBH”

今ではマケドニアにふさわしい形容詞を提案してこの争いの解決法を見つけ出そうというFacebookのグループまである。提案の中には、ポストモダン・マケドニア共和国(PoMoRoMa)、マケドニアまったくぜんぜん正直少しもギリシャじゃない共和国、またはAjvarska Republika Makedonija(ARM)などがある。

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