韓国:懐疑派の間で高まるマイクロファイナンスへの期待

韓国の李明博大統領が、苦境にあえぐ低所得者層と会合を行った際に期せずして厳しい経済の様相が露呈されたのを機に、同国は新たなマイクロファイナンス構想に乗り出した。会合の数日後、韓国金融監督委員会(FSC)はマイクロファイナンスシステム「サンシャイン・ローン」を打ち出した。10~13%という適正な利率でマイクロローンを提供することで低所得世帯を取り巻く暗い経済状況に光明をもたらすのが狙い。

韓国でゴールデンタイムにテレビをつけると、たった一本の通常番組を観るだけで、速くラクラク組めるローンを耳に残るような歌に乗せて売り込む膨大な数のコマーシャルを続けざまに目にすることになる。際限なしに洪水のごとく流れるローンの宣伝は、危ない金ではないとの約束をエサに、経済不安を抱え崩壊しかかっている所得層を惹きつけようとしのぎを削る。一度電話を掛けたが最後、悪しき罠にはまりこんでしまう。ローンの利率を知るために、一見何の害も無さそうな番号に考えなしに電話を掛けただけで信用に大きく傷が付くのだ。ローンを組もうと銀行を訪れると、人々は桁外れに高い金利でしかローンを組めないという現実を突きつけられる。落胆し、絶望をつのらせ、ノンバンク系金融機関に助けを求めても同じく高金利で、そして最終的にはローン会社や悪徳金融に泣きつく羽目になる。

あらゆる場所で起こっていながらなおざりにされてきた現実が、ある出来事により明るみに出ることとなった。これを再報道した韓国のDongA Ilbo新聞によれば、それは李明博大統領と地方の靴の行商人との間の何気ない会話であったという。苗字をChungという42歳の靴商人は、大企業の傘下にある融資機関が、彼女の信用が低いがために40~50%という利率(のちに35%であったことが判明)でローンを提供したと語った。

会話が交わされた際、FSCの陳棟洙委員長もその場に居合わせた。

“이자 많이 받는 것 아닙니까, 금융위원장. 사채(私債) 하고 똑같잖아요.”(이 대통령) “(대출자의) 신용이 좀 안 좋아서 그런 것 같습니다.”(진 위원장) “신용이 좋으면 여기서 돈 빌리나요. (시장 상인들이) 구두 팔아서 40% 넘는 이자를 어떻게 갚을까. (사채업자들의) 일수(日收) 이자보다 더 비싸게 받아서 어떻게 하지요?”(이 대통령) “(캐피털사가 돈을 마련하는) 조달 금리가 높습니다. 채권 이자로 하니까요.”(진 위원장)” “(정 씨의 대출 서류를 계속 읽어보면서) 사회 정의상 안 맞아. 상상도 못했어요. 내가 현장을 몰랐다는 것과 똑같은 거예요.”(이 대통령)”

李大統領「委員長、この金利は高すぎると思わないか。民間のローンとほとんど変わらないではないか。」
陳委員長「彼女の信用が低いのが原因だと思いますが。」
李大統領「信用が高かったら、そもそもこんなところでローンを組もうとは思わないだろう。地方の商人が靴を売りながら40%もの利子を払えるはずがない。悪徳金融に支払う額の日割りよりかえって高いのではないか。」
陳議長「融資機関の貸出利率が高いのは国債のレートを使っているからです。」
李大統領「(Chung氏のローン記録に目を落としたままで)これは社会正義に反する。私は全く知らなかった。こんなことが現実に起こっていようとは知るすべもなかった。」

 
この気まずい会話の後、融資機関は大統領の叱責を受けた。サンシャイン・ローンは今日から始まる。年収2000万ウォン以下で信用格付けがレベル6以下の所得層に対し、金融機関は合計10兆ウォン(83億米ドル)を貸し出す予定だ。

ブロガーのGreennbは、実情に対する大統領の対応は心強いが、市場操作は極めて慎重に、確かな戦略をもって行われるべきだとコメントした。さらに同氏は、金融監督委員会が企業に対し利率を下げるよう急き立てると現状よりもかえって混乱を大きくする恐れがあると指摘する。なぜなら、信用の低い層にローンを提供することに伴うリスクが無くなるわけではないからだ。

서민들이 은행에서 대출을 받기란 참으로 어렵습니다. 그렇다면 고금리를 물더라도 제2금융권 즉 제도권 내에서 대출을 받을 수 있도록 해야 하지 결코 금리를 낮추라는 강요에 의해 캐피탈 사가 서민금융을 외면하도록 해서는 안 된다는 것입니다. 캐피탈 사가 서민금융을 외면하기 시작하면 결국 이들은 사금융, 대부업체로 몰리게 될 것이고 이러한 대부업체들의 불법적인 채권추심관행에 노출되도록 방치될 수 있습니다. 사회 안전망의 구축을 유지할 예산이 부족하다보니 서민들은 금융기관에 어려운시기를 버티기 위해 기대지 않을 수 없게 됩니다. 그러나 금융기관들은 서민대출의 리스크를 감내하지 않을 수 없는 것입니다.

低所得世帯にとって銀行でローンを組むのは極めて難しいということは認識している。しかし、例え高い金利を要求することになるとしても、そういった所得層を然るべき金融システム、少なくともノンバンク金融機関からは先へ行かないようにするのが我々の目的である。政府は融資機関に利率を下げるよう強いるべきではない。そうすることで結局は、低所得者層にローンを提供するのを機関が拒むようになるからだ。融資機関からローンを組めないと告げられると、人々は民間のローン会社か地方の貸付業者に行かざるを得ず、民間の貸付業者からの違法な債権取立てにさらされることになる。政府に社会的セーフティネットを作るだけの予算がないがゆえに、人々は難局を乗り切るために金融機関への依存を強める。しかし、金融機関は低所得者層向けローンに伴うリスクを無視することはできないのである。

一般層を支えるための政府ローンはサンシャイン・ローンだけではない。昨年始まった「ミソ・クレジットローン(「ミソ」は韓国語で「スマイル」の意)は貧しい実業家を救うためのマイクロファイナンスローンだ。

ブロガーShs78115は、サンシャイン・ローンはスマイル・ローンの盲点をカバーすることが出来ると述べ、政策が実際にどのように行われるかが最大の要だと強調する。

이와 비슷한 것이 미소 금융인데..이것은 햇살론과 엄연히 다르다..미소 금융운 미소 금융재단에 의한 비영리 상품이며 저소득층의 창업 자금 대출에 초점을 맞춘 반면에..햇살론은 기존 금융기관에 의해 시행되는 상품이라는 점이고 대출의 성격도 긴급 생계자금을 위주로 한다.
그래서 미소금융의 지원을 받지 못하는 계층까지 확대된 결과 그 혜택을 받는 사람이 1700만명에 해당할거라는 통계도 있다…문제는 정책이 아니라. 운영의 유연성과 미학을 발휘하는 것이다.
이명박 정부는 과거 그 어떤 정부들보다 훨씬 많은 서민 대출 상품을 쏟아내고 있다. 이번 햇살론이 미소금융의 혜택을 받지 못하는 또 다른 계층을 위한 것이라는 점에서 기존 미소 금융의 한계를 반증하는 셈이 된다. 이번에 새롭게 시행되는 햇살론에 대해서도 유연적으로 적용하고, 그 취급기관을 확대하면서 정책의 방향과 실제 대출 수혜자간의 괴리가 없는 가를 면밀히 살펴봐야 할 것이다. 햇살이 진짜 서민을 위해 따듯하게 비칠지, 아니면 오히려 그 햇살이 서민을 더 따갑게 할지는 그 운영의 미학을 어떻게 보여주느냐…바로 그것에 달려 있는 것이다.

スマイル・ローンとサンシャイン・ローンは一見よく似ているが、実際は全く別のものだ。スマイル・ローンが、低所得世帯を中心とした小規模事業に初期投資を提供する財団法人によって運営される非営利ローンであるのに対し、サンシャイン・ローンは抜き差しならぬ事態に陥った低所得世帯に対し即座に貸し出しを行う典型的な金融機関である。ある統計によれば、スマイル・ローンで貸し出しを拒否された全員にサンシャイン・ローンがローンを提供しようとすると、およそ1700万人がサンシャイン・ローンでローンを組む計算になる。鍵となるのは政策そのものよりも、政府がいかに柔軟性と管理能力を持って政策を運営するかである。李政権は、これまでの政権とは比べ物にならないほど数多くの低所得世帯向けローンを次々と提供してきた。しかし、スマイル・ローンがカバー出来ない層を対象にサンシャイン・ローンが作られた、というその事実が、スマイル・ローンの限界を証明してしまった。政府は、より多くの金融機関と連携を図り、ローン対象層と実際の受給者との隔たりが無いよう徹底して確認を行い、より柔軟性を持たせた上でサンシャイン・ローンを適用すべきである。サンシャイン・ローンが果たして人々の懐を暖めるのか、それとも焼き尽くしてしまうのか、それは政府の政策運営の腕にかかっている。

新たなローンシステムが開始してからたった24時間だが、インターネット上には多くの韓国国民から膨大な数の質問が寄せられている。質問内容は皆同じ-自分がローンの対象になり得るか-。質問は即座に次ページに移され、全く同様の質問に差し替えられる。誰もが必死になってこのうだるような暑さを生き延びる術を探しているのだ。

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