See all those languages up there? We translate Global Voices stories to make the world's citizen media available to everyone.

マレーシア:「攻撃的な」小説が物議を醸す

Interlok book. From the blog of Hartal MSM

近頃マレーシアで、中等教育の国語の教科書に載ったある小説を巡って論争が起こっている。アブドラ・フセイン著の「INTERLOK」は1971年に出版されたマレー語の小説である。この小説が上級中等学校2年生[訳注:日本の高等学校にあたる]の必修になったのを機に抗議が起こった。

マレーシアの英字日刊新聞「The Star」は次のように報じた

幾人かの個人、及び幾つかのインド系組織が抗議を起こしており、小説の発禁を要求している。小説211ページの一段落に、南インドの各地で集められたタミール人が船にすし詰めにされ、長く危険な航海の苦しみの末にマレーシアにたどり着いた様子を描写した文脈の中で、パリア・カースト(kasta pariah、pariah caste) と言う言葉が使われている、理由はただそれだけだ。

小説は様々な反応を持って受け止められている。小説作品に過ぎず、出版もかなり昔なので、今日の現実社会を映し出しているわけではないと考える人がいる一方、インド人に対する侮辱と受け止める人もいる。

The Owlブロガーの(フクロウ)は次のように書いている

小説家にも優劣があって、彼らの小説を読むかどうかは、あなた個人の選択だ。しかし小説家がいったん書いた内容は、あなたの個人的な考えや現在の一般的な価値観、政治状況に合わせて書き換えることは出来ない。ともかく「INTERLOK」は小説としては二流で、もし書評を書くとなれば、その内容は容赦ないものになるだろう。

以上のことからも、この小説が中等教育の教材として使われることには反対である。マレーシアの教育制度では、批判的な思考、分析能力を養うことは出来ないと言うのが私の意見だ。このような教育制度の下にある生徒達は、どのような本を読むにも必要になる、対象からの適切な距離、批判的な視点や再考能力を持ってこの小説を扱えるほどの素養を身に付けていないかもしれないのだ。

ブロガーのdrrafickはこう書いている

インドで誰がカースト制を始めたか、私は知らないが、この制度は間違っており、イスラム教の教えと合致しない。罪のない子どもがパリアのような下層カーストに生まれ、そのカーストの烙印を押されて生き続けなくてはならないのは不幸なことだ。パリア・カーストに生んでくださいと頼んだわけでもないし、自分はパリア・カーストなのだと絶えず気付かされながら生きなくてはならないのは間違っている。

どのような本でも、公立学校の教材として使用されるためには一定の基準を満たさなくてはならない。その一つとして国民の結束に関連した基準があるべきで、「INTERLOK」はこの基準を満たしていない。この国の子供達に、過去の世代が徹底して行ってきた慣習を思い出させる必要は全くない。カースト制度の慣習は今日のマレーシアではごく僅かしか残っておらず、気付かせないでおくのが最善だ。

Kaviは、マレーシアの教師達には、この小説を批判的に分析することを生徒達に教えられるだけの素養が備わっていないと考えている。カビは次のように書いている。

学校長でさえ人種差別的な発言をするマレーシアで、子供達を適切に指導する準備が教師達に出来ているといるとは決して言えない。政府が支持を失うのを恐れて(もしくは単に状況が認識できていないだけかもしれないが)、教師に対して厳しい懲戒規定を課せないでいるのは確かだ。パリアと言う言葉の用いられ方を、その背景も含め教師達自身が完全に理解していると誰が言えるだろうか?

教師達は、なぜその言葉が使われてきたのかを子供達に説明できなくてはならない。教師達は子どもを教育しようとする以前に、文学の概念に精通し、マレーシアの歴史をしっかり理解していなければならない。しかし政治目的のために、国の歴史要綱でさえ歪められてしまっている現状では、こんなことは実現不可能ではないか? 全ての教師に子供達を指導する素養がないといっているわけではないが、そのような教師がたとえごく僅かだとしても、問題には変わりがない。不正確な誤った情報を若者の心に植えつけるのは、意図的であろうとなかろうと、間違っている。マレーシア語の 教師達全員がこうした問題の全てを十分に理解し、中立的な視点で「パリア」と言う言葉を捉えられると、教育省は保証できるのだろうか?

このブログを書いている時、教育省大臣ムヒディン・ヤシンが、論争を解決するための委員会を設立したが、「INTERLOK」は授業要綱に残るであろうとの声明を出した

コメントする

Authors, please ログイン »

コメントのシェア・ガイドライン

  • Twitterやfacebookなどにログインし、アイコンを押して投稿すると、コメントをシェアできます. コメントはすべて管理者が内容の確認を行います. 同じコメントを複数回投稿すると、スパムと認識されることがあります.
  • 他の方には敬意を持って接してください。. 差別発言、猥褻用語、個人攻撃を含んだコメントは投稿できません。.