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ロシア: なぜ私たちは国を捨てようとしているのか

ロシアのインターネット上には絶えず「国外移住」というトピックが存在するが、それはここ数ヶ月、新たな盛り上がりを見せている。様々な社会集団に属するブロガーたちが投稿した説得力のある記事を舞台に、ロシアという国の現在と未来についての見解や、人々の境遇が語られているのだ。

ロシア人の大量移住は、一世紀以上前からの問題だ。これまでに幾度も移住の動きが押し寄せ、何百万もの有能な労働者、科学者や物書きがロシアから流出した。以降、ロシアからの移住は絶えず続いている。近年、経済状況が改善しているとはいえ、いまだに多くのロシア人が国を出ることを夢見ている。

Stamped passport. Image by Flickr user Sem Paradeiro (CC BY-NC 2.0).

スタンプの押されたパスポート。画像/FlickrユーザーSem Paradeiro (CC BY-NC 2.0)

ロシアの新聞Novaya gazetaの伝えるところによると、最新の世論調査でロシアを永遠に離れる意思を示した成人の割合は22%にのぼった(主にビジネスマンや学生)。同新聞にはまた、「近年」ロシアを離れた科学者やエンジニアの人数は130万人にのぼるという「公式な人数」が引用されている。

「ロシアは悪だ」

「ロシアは、純粋な、混じりっけなしの悪だ」という文から始まるのは、有名なロシア人作家で、アメリカに政治亡命したYuri Nesternkoのブログ記事だ。2010年末に投稿された『エクソダス(脱出)』という今や有名になった記事は、多くのロシア人ブロガーの胸に突き刺さった。

この記事は、すぐに移住賛成派、反対派双方にとって必読になった。記事には、ロシアで生きようとしたが、その現実に耐えることができなかった人の失意の叫びがつづられている。

Nesterenkoは、ロシア人の気質が非常に重要だと言う。その気質のせいで、過去も、現在も、そして未来も、ロシアの繁栄が阻まれているという主張だ。

Nesterenkoは、ロシア人こそが腐敗した為政者を歴史的に産み出してきたとして、同胞ロシア人を批判する。「為政者は火星から来たわけではないのだ」と書き、ロシアとロシア国民はもはや絶望的だという。Nesterenkoはロシアに対する愛国心を支持するいかなる議論も退け、大量移住を呼びかけたのだ。

Россия – это не то, ЧТО следует спасать, а то, ОТ ЧЕГО следует спасать. Спасать всех, кого можно спасти, начиная с самих себя. Таким образом, эмиграция является единственным разумным выходом. Хватит уже гробить свои жизни на то, чтобы стать удобрением для российской грязи, на которой все равно не вырастет ничего, кроме чертополоха.

ロシアを救う必要があるのではない。ロシアそのものから自分自身を救わなければならないのだ。自分たち自身から始めて、救える人はすべて救わねばならない。それゆえ、移住が唯一の方法なのだ。自分の人生を破滅させるのはやめよう。ロシアという土の堆肥になって働いたとしても、この土地ではアザミ以外は何も育たないのだ。

ロシアには何もいいことが起こらないという主張を支えるため、Nesterenkoは比較的自由になった現在のロシアにおける、人々の自由への無関心さについて書いた。

Доступ к интернету имеет не менее трети россиян […]. И как они этот доступ используют? Заполняют политизированные форумы своей ненавистью к Западу, Грузии, Украине, “демшизе”, ну и “жидам”, само собой […], ностальгией по Совку и славословиями Сталину. Западные радиостанции никто не глушит – но кто их слушает? Ведь по ним вещают “враги, которые всегда против России”[…].

ロシア人の少なくとも3分の1はインターネットにアクセス可能だ。[…] みんな、どのようにインターネットを利用しているだろうか。政治フォーラムは強い嫌悪で埋め尽くされている。それは西側、グルジア、ウクライナ、demshza(民主主義寄りの運動を軽蔑するために、”democracy<民主主義>”と”schizophrenia<総合失調症>”を組み合わせた言葉)、そして当然ユダヤ人に対するものだ。 […] それに、ソビエト時代を懐かしむ声や、スターリンを称える言葉も見られる。西側のラジオ放送は妨害されていないというのに、誰も聞いていないではないか。なぜなら、それは「敵」の放送で、常に反ロシアだからだ […]。

「ひとつだけ、わかっていることがある」、とNesterenkoは締めくくる。「私はロシアには戻らない。そして今、ロシアが『我々の国』でないばかりか、 […] 『この国』ですらないことを喜ばしく思う。私にとってロシアは永遠に『あの国』なのだ。」

移住する理由

自身を「この国を離れたいと願っている25歳、女性」というブロガーViktoriaは「ロシアを離れる9つの理由」という記事を書いた。記事はFacebookの「いいね!」を9000件集め、ロシアで人気のソーシャルネットワークサイト Vkontakte.ruでのページビューが8000件、ツイッターでのリツイートが1400件を数え、記事そのものへのコメントは2000件を超えた。

タイトルの通り、記事ではViktoriaがなぜロシアを出ようと思ったのかがつづられる。乏しい安全性、中途半端な医療体制、低い教育水準、プロ意識の欠如、高い不動産価格、汚職の蔓延、低品質の国産製品、人々の権利や自由に対する軽視、そしてViktoriaにとって一番の要因は、「他人を見下す、そしてまるでファシズムのように不寛容な」ロシア人の気質だ。

Представьте себе на секунду, что вот так случилось и всё правительство, все чиновники трагически погибли в один день. Что будет через неделю, через месяц? Будут те же самые рожи и на тех же самых местах. Почему? Потому что люди не меняются, потому что по каким-то не вполне понятным мне причинам у нас такие люди.

一瞬でいいので、想像してみてください。ある日、もし何かが起こって、悲惨にも政治家や官僚が全員死んでしまったとしたら、その1週間後、1ヵ月後にどうなっているか。きっと同じ場所に同じ顔の人が座っていることでしょう。なぜか?なぜなら、人々は変わらないからです。なぜなら、私には理解できませんが、ロシア人はそういうものだからです。

「幸せのために戦うべきだ、明るい未来のために戦うべきだ、という人もいるでしょう」。Viktoriaは続ける。「みなさん、ごめんなさい。私は戦士ではありません。気弱なシステム・アドミニストレータです。私は明るい未来が欲しいのではありません。安定した今が欲しいのです」。

移住するわけがない

ロシアのインターネット上で移住に関する議論が活発になる中、ブロガーのarmyan-capitanが、多くの人々がそれでも移住しないのはなぜか、と移住論に懐疑的な記事を投稿した。armyan-capitanは、その理由は主に「気質」だという。

Не смешите. Ваши дедушки по 10 лет ждали, когда их арестовывать придут и не дернулись уехать даже в соседний город. А когда их везли на Колыму, ждали амнистию и собирали шелуху у лагерной помойки. И это не «быдло», офицеры, чиновники, интеллегенция… Быдлом стали их внуки. Жирные менты, офисная шваль, путинская гвардия спиногрызов. Никуда вы не уедете. И не потому что у вас денежек нету.

笑わせないでくれ。あんたらのじいさんたちは拘束されるまで10年間も待ったし、その間、隣町にすら逃げなかった。コルィマ鉱山(シベリアにある金鉱山で、強制収容所があったことで知られる)に連行されたときは、収容所のゴミの中から野菜の皮を拾いながら恩赦を待った。しかも、みんな「烏合の衆」じゃない…将校とか政府高官とか、知識人のエリートだった。まあ、そいつらの孫は「烏合の衆」になったが。デブの警官とか、会社の下っ端とか、プーチンにたかる奴らとか。あんたらはどこへも行きはしない。そしてそれは、あんたらに金がないからじゃない。

armyan-capitanは、移住したいという人たちがなぜ移住しないのか、その理由をもう2つ挙げる。移民資格取得が困難であること、そして新しい文化になじめないことだ。

Вам не выжить там, где правит закон, а не ваше любимое БАБЛО. Вам это не понять. Уже на генетическом уровне. Вам не выжить с вашей вселенской злостью среди нормальных людей. Они вас не поймут и не примут. Вы это почувствуете сразу, как приедете жить, а не в отель пожрать включенного халявного пива.

金ではなく、法律がすべての国でなど、生きていけないだろう。理解できないんだ、遺伝子レベルで。憎悪を普遍的に持つロシア人は、普通の人々の中では生きられない。誰も理解してくれないだろうし、受け入れてくれないだろう。ロシア以外の国に着いたとたんに感じるはずだ。まあ無料のビールが飲めるようなホテルでは違うだろうが。

これらインターネット上のブログ記事が圧倒的に人気を集めていることから、移住という問題に対していかに多くの人々が無関心でいられないかがわかる。また、ロシアの現状に不満を持っているネットユーザーがどれくらいいるのかを表す指標にもなっている。

ロシアで人気の世論調査サービス、Levada-Centerの調査では、ロシアが良い方向に動いていると考える人の数がますます少なくなってきていることが分かった。政府の政策に賛同する人の数も徐々に下落している。

ロシアの様々な問題を気質のせいにするのは簡単だし、多くの若者には移住が手っ取り早い解決法に見えるかもしれない。しかし、ロシアの現実を生み出している「気質的要因」を認めて受け入れることができれば、圧政的な王や腐敗した政府を前に何世紀も続いた「無言の服従」を変える小さな一歩になるかもしれない。

翻訳の校正はTaeko Itoが担当しました。

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