ロシア正教会発、話題呼ぶ猫カレンダー

(原文掲載日は2015年12月12日です)

The October page of the quirky calendar features hieromonk Theodorit and his cat Monya. Image from pravmir.ru.

意外性のあるこのカレンダーの10月を飾るのは、修道司祭のテオドリと彼の猫モーニャ。写真提供:Pravmir.ru.

猫とロシア正教会が仲良く寄り添いあう姿を見たことがあるだろうか? キリスト教信者のとある団体が発売した2016年12ヵ月のカレンダーの写真を飾るのは、自分たちの猫とともにポーズを決める正教会の司祭たちだ。キリスト教芸術家協会アルトスにより出版された「司祭と猫」カレンダーは、ロシアにおける「正教会文化の今」を世界に伝えようとしている。

あのピレリ・カレンダーが、2016年版において、これまでの慣例であった挑戦的なヌード写真を脱却することで時代の変化を訴えているならば、「司祭と猫」の組み合わせは、一般的に聖人と象徴的事物を組み合わせるという、正教会のカレンダーたるべき伝統的な考えに対する挑戦だろう。これが瞬く間に脚光を浴びるのも無理はないことだ。

カレンダーに登場するのは、長いローブに身を包む、髭をたくわえた笑顔の司祭たちである。彼らが自宅のクッションつきソファや陽のあたる長椅子で、猫とくつろぐ姿をカメラに収めたのは、フォトグラファーのアンナ・ガルペリナだ。上級聖職者のオルグ・バトフと彼の猫のアペルシンが2016年のトップを飾り、2月にはアニマルシェルターを営む上級聖職者のピョートル・ジニコフが、彼の2匹のペットのアンゴラとヴァシクとともに写っている。

A sampling of the monthly pages in the

「司祭と猫」カレンダーのサンプル画像。画像提供:Xenia LoutchenkoのFacebookページ

このプロジェクトの統括者であり、宗教関連のニュースウェブサイトPravmirのジャーナリスト、ゼニア・ロトシェンコは言う。「『司祭と猫』という組み合わせは、若くハンサムなカトリックの司祭を取りあげたイタリアの『Calendario Romano』や、ローマの猫を集めた『I gatti di Roma(ローマの猫)』カレンダーに続く、ロシア正教会の新企画と考えてもいいでしょう。」

「猫を飼っている司祭たちは誰もが、写真のために喜んで猫とポーズをとってくれました」ロトシェンコによると、司祭たちが猫をそばに連れてきて、ごく自然にこのカレンダーのキャスティングが決まったという。またこのカレンダーは、ロシア正教会から正式には後援されていないという点にも念を押した。ロシアの司祭たちの日常を切り取った写真集から構想を得たのだという。

「そんなに罪深いことだとは思いません」とコメントをしたのはロシア正教会の広報責任者のフセボロド・チャプリン大司教だ。最近このカレンダーについて反応を示した。「多くの司祭は猫を飼っていますし、猫は司祭の身近にいます。教会に住みつく猫だっています。けれど私は、このようなカレンダーを壁にかけようとは思いません」

一部のロシアのインターネットユーザーからは、カレンダーのコンセプトについて、この企画がはたして神聖なものであるのか、疑問の声が上がっている。

なんてまあ…、なんだかもう猫とか「The Voice」への参加とか、宗教とは関係ないコンセプトには慣れてきた。教会のレベルやその他もろもろが良くわかる。

このカレンダーに対する反応はおおむね好評だが、このプロジェクトを「低俗」だと考える人もいるようだ。ロトシェンコは、コムソモリスカヤ・プラウダ新聞で次のように語っている。「教会とは無関係な人たちからコメントを受けました。たとえば、『この司祭たちはどうしようもない。たとえ猫と写ったって、親しみがわくわけはない!』などです」

ロトシェンコ属する宗教関連のニュースを発信するウェブサイトPravmir、には「司祭と猫」カレンダープロジェクトに関する、さまざまな反応が寄せられている。

Портреты хорошие, отцы веселые, но идея странная. Отцы же не поп-звезды какие-нибудь, чтобы на календаре размещаться. И не близкие родственники. Иногда можно заказать календарь с фотографиями родственников. А это – странная затея.

写真自体は良いと思う。司祭たちは楽しそうだし。だけとコンセプトが疑問。司祭はアイドルのようにカレンダーに載るような存在じゃないし、身内でもない。家族の写真を入れたカレンダーを作ることはあるかもしれないけど、今回のはとても違和感を感じる。

ユーザーのエレナ・ガシンスカヤはこの反応に対して、このコンセプトのどこがそんなに悪いのかと反論している。

Нет, а что такого? Нормальный календарь, тем более, на грядущий год. Священники напомнят о Христе, ну а котики – антистресс. И тоже напомнят о Христе. “Всякое дыхание да хвалит Господа”. И чего многие так негативно реагируют?

何が問題なの?いつもの来年のカレンダーだと思う。司祭はキリストを思い起こさせてくれるし、猫だって心の安らぎになる。それに猫だってキリストを思い出すわ。「息のある者は皆、主をほめたたえよ」って言うでしょ。どうしてそんなに批判的に考えるの?

エカテリーナ・コフリジナは、来年の干支である猿より絶対に司祭たちを取るという。そのような動物のカレンダーは、ロシア国内でどこにでも売っているし、猿のカレンダーはもう売り場を占領しているからだ。

Лучше батюшки с котиками, чем обезьяны всех видов из каждого утюга.

どこのニューススタンドでも大量に売っているような猿のカレンダーより、「司祭と猫」カレンダーがいい。

「司祭と猫」カレンダーは、初版で1000部発行したものの、増刷予定である。このカレンダーは現在、モスクワの一部の教会で販売され、オンラインでも入手可能だ。

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