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世界中でボブ・マーリー・デイをお祝い レゲエそしてファンも変わってゆく

レゲエのアイコン ボブ・マーリーの壁画:写真提供 Vanessa, CC BY-NC-ND 2.0

この記事は2018年2月8日に掲載されたものである。

レゲエのアイコン、ボブ・ロバート・ネスタ・マーリーは1945年2月6日に生まれた。彼の誕生日はボブ・マーリー・デイとして世界中で祝賀行事が行われている。生きていれば今年73歳だ。彼の故郷のジャマイカのキングストンはユネスコ音楽創造都市の認定を受けている。

キングストンはレゲエ誕生の聖地であり、住宅街にあるボブ・マーリー・ミュージアムに世界中から音楽ファンが巡礼にやってくる。そこはかつてマーリーの家があった場所なのだ。そしてマーリーが1965年にダウンタウンに建てたタフ・ゴング・スタジオや、トレンチ・タウンの「カルチャー・ヤードを見てまわる。マーリーはそこで成長し、ギターを習い、自分のバンド、ザ・ウェイラーズを結成したのだ。

ジャマイカではボブ・マーリーは依然として不朽のシンボル、かつレガシーである。しかし音楽の好みや流行は変化しているので、昔ながらのレゲエの精神は色褪せつつあるかもしれないと気にしているジャマイカ人もいる。

ジャマイカ政府が2008年に初めて公表した「レゲエ月間」は現在も同国で開催されている。

ボブ・マーリー・ミュージアムのそばを通る時にファンがツイートしたお祭り騒ぎの写真。

ミュージアムの外では

ミュージアムまでもがライブ配信に加わった。

実況中継!ライブフィードにチューン・イン。
ミュージアムで今、マーリーの誕生日をお祝いしている。

イギリスレゲエ界の長老バンドUB40も祝辞を発信した。

ボブ、誕生日おめでとう。 最愛のボブへ UB40

ジャマイカの公私様々な団体が、独創的なツイートやマーリーの言葉、そしてもちろんマーリーの音楽を発信した。

「眼をあけて心の中を見るんだ。今の生き方に満足しているか?」
ー ボブ・マーリー

毎年マーリー・デイの祝賀が行われるカナダ、トロント在住のジャマイカ人、AK・ディクソンはこのお祭りを一段階進めたいと思った。

マーリー・デイを国民の休日にするべきだったんだ・・・・・・。

アメリカ人ラッパーのコモンはツイッターで誕生祝いに付け加えて、マーリーから学んだことに礼を言った。

マーリー、誕生日おめでとう。僕のアートを人々のために役立てる方法を教えてくれてありがとう。

カリフォルニア州ロサンゼルスのツイッターユーザー、アイザック・ブライアンは私達にマーリーの積極行動主義を思い出させてくれた。

マーリーの誕生日にはいつも思い出す。「起き上がれ、立ち上がれ、自分の権利のために立ち上がれ。起き上がれ、権利のための戦いを投げ出すな。」

この日の記念にダミアン(ジュニア・ゴング)マーリーは父親との可愛らしいツーショットの写真をツイートした。

ゴング、万歳!

ジャマイカの若者はレゲエの精神を失っている?

ボブ・マーリー・デイは、外国の人たちや組織、また国外で暮らすジャマイカ人たちがSNSで華やかに祝う一方で、ジャマイカの若者たちのネットの発信は比較的おとなしいものだった。

フロリダを拠点とするジャマイカ人、ウィンストン・バーンズは国外在住ジャマイカ人向けラジオトーク番組の司会者だ。彼はレゲエ音楽への関心が目に見えて衰退していると嘆き、ヒップホップなどの西欧音楽への傾倒を非難した。

I am now convinced that Marley's work was in vain. At least for Jamaicans. We know so little about what he did, as evidenced by our disrespect for his work and by extension our culture. Jamaica has many more radio stations than ever and cumulatively, they play less Jamaican music than before. This at a time when Jamaicans create and produce virtually every genre of music! What would we say to Bob if he was among us physically? I listened to a motivational feature on Jamaican radio last evening and virtually all the inserts originated from outside of Jamaica! In 2018?
Foreigners respect and regard Marley's music, at least publicly more than we ever have even in 2018! I am now convinced that maybe it is too late to fix this problem we face as a country and as a culture…and then we turn around and talk rubbish about the Grammies and Reggae!

確かにマーリーの仕事は無駄だったと今は思う。みんなマーリーが何をしたのかほとんど知らないんだ。みんな彼の業績を軽視しているし、文化はグローバル化している。ジャマイカのラジオで元気をくれるような番組を聞いた。実際、かかった音楽はすべて、ジャマイカ国外のものだった。いまボブがいたとしたら我々は彼に何と言ったらいいのだろう。
2018年にこんな状態なんだ!外国の人たちは少なくとも世論としては、ジャマイカ人以上にマーリーの音楽に敬意を示し評価している。国や文化として直面している問題を解決するためには多分遅すぎるんだと確かに今は思う。それじゃ、グラミー賞とレゲエの馬鹿話でもするか!

バーンズはジャマイカ人たちの不満にも触れた。つまり、グラミー賞はレゲエミュージックに十分な謝辞を贈っていない。その証拠に受賞式はテレビ中継放送されなかったというのだ。

ステファン・クーパーは同意した。

(上)去年、Raging Fyah'sのアルバム「Everlasting」がノミネートされたが、結局はジギーが受賞した時も同じようなコメントが寄せられた。そろそろカリブ海地域の「グラミー賞」を作る時期なんじゃないかって。
(下)とても不幸なことだ。実際、グラミー賞なんて全く関心がないと言い張るレゲエミュージシャンが多い。グラミーなんて詐欺だと少しはわかっているんだ。それでもグラミー賞はもレゲエが国際的なステージで認められる数少ない場所の1つなのだ。そしてそのおかげでレコードの売り上げは明らかに上がる。

多くのジャマイカ人はこう感じた。ダミアン(ジュニア・ゴング)マーリーではなく、若くて前途有望なレゲエ・アーティスト、クロニックスがグラミー賞を受賞するべきだった。マーリー一族の中でジャマイカに住んでいるのはほんの数名で、他の人たちはたまにやって来るだけだ。しかしながら、他のSNSのユーザーはジュニア・ゴングのアルバム「ストーニー・ヒル」を質の高い対抗馬として褒めていた。

みんな内心ではデ・ラ・ベーガの若者に受賞して欲しかった。でも審査員のガキどもはストーニー・ヒルのドレッド野郎に授与したんだ。[中略] お見事だね。

「マーリーの影響力」とレゲエの未来

ソニア・スタンリー・ニーア博士(ウェスト・インディーズ大学のカリブ海及びレゲエ研究所)は「マーリーの影響力」について説明した。

Jamaica is this cool place on the world map that is hardly visible, but everyone knows of the little rock because of its musical legacy. When it comes to the Grammys, Jamaica is always present. In the 2018 staging it was Shaggy's on-stage performance that ensured Jamaica's presence at the live Grammy show, and when he uttered “I'm a Jamaican in New York”…the crowd response peaked.

However, it wasn't Shaggy's performance which caused all the backstage rumbling that kept Jamaicans awash with emotion. It was Jr Gong [Damian Marley], and, more specifically, the ‘Marley factor.’

…This abundance of presence at the Grammys on the part of the Marleys has concerned Jamaicans in particular, and thus each year upon the release of the nominees for the ‘Best Reggae Album’ category, there is the inevitable combination of glee, grief, concern, and trepidation.

…Chronixx was leading in the court of public opinion ahead of all the other nominees and in particular, the only one close to him was Morgan Heritage, who were nominated for their Avrakedabra album, in the poll conducted by the Recording Academy. Unfortunately, the award is not granted on the basis of public opinion, sales figures, or even musical appeal…

ジャマイカは素敵な場所よ。世界地図ではほとんど目立たないけど、リトルロックは音楽遺産があるので誰でも知ってるわ。グラミー賞についていえばジャマイカは常連ね。2018年のグラミー賞のライブでジャマイカの存在感を確かなものにしたのはシャギーのステージ・パフォーマンスだった。彼が「俺はニューヨークのジャマイカ人さ」と叫んだ時、[中略] 観客の反応は最高だったわ。
だけどジャマイカ人たちを大いに盛り上げたのは、バックステージからブーイングの嵐を起こしたシャギーのパフォーマンスでじゃなかったのよ。ダミアン(ジュニア・ゴング)マーリー、いいえ「マーリーの影響力」がそうさせたのよ。
[中略] 世間では、クロニックスが抜きん出て他の候補者をリードしていた。「レコーディング・アカデミー協会」の調査では、アルバム「アヴラカタブラ」でノミネートされたモーガン・ヘリテージが唯一、彼に肉迫していたらしいわ。グラミー賞の授与基準は世論でも売上高でも、ましてや音楽性でもないからね。[略]
これまでにジギー・マーリーは合計7つのグラミー賞を勝ち取った。ステファンとダミアン(ジュニア・ゴング)マーリーはバニー・ウェイラー(マーリー関連)と同様にそれぞれ3つの賞に輝いた。
[中略]グラミー賞でのマーリー一族の圧倒的な存在感はとりわけジャマイカ人に影響を及ぼしたわ。だから毎年「ベストレゲエアルバム部門」にノミネート作品が発表される時には喜び、悲しみ、心配や動揺といった感情が入り混じるのがお決まりよ。

キングストンを拠点にするあるブロガーはラスタファリアンの精神とレゲエミュージックのエネルギーは本当にその力を失っているのかもしれないと思った。

It was through music that slaves communicated, the drums warned other slaves and motivated them toward rebellion and change. Reggae music with its origin in Jamaica was one of the most effective tools in advocating for peace and unity, challenging political movements and creating change
Bob Marley’s messages of love and unity was perhaps not as successful in the 1970s because our violence was imported and managed by and for external interests. As Babylon prepares for its fall, its hold on Jamaica is compromised, and this is the right time for the Rastafari messages of love and unity. Consciousness and liberation are still some of the messages we associate and expect from Rasta, unfortunately, it would appear that Rasta has lost its value locally and as an agent of change in our society.
Bob Marley, Reggae music and Rastafarianism represents a few of the most renowned parts of Jamaican culture, it seems however that the Marley legacy is busy chasing Grammys as opposed to using music to create change…as was the real impassioned legacy of Robert Nesta Marley, Reggae and Rastafari. We are left with Capitalist Rastafari, token international Grammy awards, and an ailing culture directed by dancehall music, reversely influenced by Hip-hop and the American lifestyle!

音楽こそが奴隷たちの連絡手段だった。ドラムの響きで仲間の奴隷たちに警告を発し、反乱と変革を促した。元々ジャマイカで産まれたレゲエミュージックは、平和と団結を主張し、政治運動を起こし変革を成し遂げる最も効果的な道具の1つだった。
マーリーの愛と団結のメッセージは多分、70年代にはそれほどうまく生かされなかった。というのは我々の情熱は外国製で外国の利益に左右されていたから。今やバビロン(訳注:レゲエでは国家権力や政治体制の意味で使われる)は自分の足元が揺らいでいるので、ジャマイカでの支配力は弱まっている。だから今こそ、ラスタファリの愛と団結のメッセージを掲げる絶好の時なのだ。自覚と自由は今でも我々が心に抱きラスタに期待するメッセージのひとつだ。でも不幸にも、見たところどうもラスタは国内での社会変革者としての価値は失くしてしまったようだ。
ボブ・マーリーやレゲエミュージック、ラスタファリアン主義はジャマイカ文化を代表する大きな部分を占めている。しかしながらマーリーの後継者たちは、音楽を変革のために使うのではなく、グラミー賞を追い求めるのに余念がない。[中略] ロバート・ネスタ・マーリーやレゲエやラスタファリの真に情熱的な後継者とは逆のことをしている。我々に残されたのは金持ちラスタファ、国際的とは名ばかりのグラミー賞、そしてヒップホップやアメリカのライフスタイルに逆影響を受けたダンスホール・ミュージックに支配される病んだ文化だけだ。

エンターテイメント専門弁護士のロイド・スタンブリーも同様な思いだ。

誰がグラミー賞の「最優秀レゲエアルバム賞」を獲得するかに集中すること以上に、レゲエにはもっと必要なことがある。

ジャマイカの若者たちがマーリーの遺産を認める一方で、レゲエ・ミュージックとそのファンは世界の変化と共に変わってきている。

クロックスはレゲエの「ニュー・ゴールデン・ボーイ」と呼ばれ、気候変動や犯罪の増加そしてインターネット中毒などを歌詞に取り上げている。そのヒット曲「ドゥー・イット・フォー・ラブ、ノット・フォー・ライク」はジャマイカの流行語になりハッシュタグ#DoItFortheLove にも使われた。

こんな変化に応えて、ボブ・マーリーが今生きていたら、おそらく「ナチュラルミスティック」の一節を我々に思い起こさせてくれるだろう。 「大気の中に自然の神秘が溢れ出している。[中略]耳を澄ませば聞こえる」言い換えれば時間、空間、そしてそのすべてがひとりでに動いていく。最後には多分、どこまで行っても全ては音楽になる。

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