新型コロナウイルス(COVID-19)の世界的影響に関しては、グローバル・ボイスの特集記事をチェックしてください。
ケニアの長距離ランナー、エリウド・キプチョゲは昨年、人類で初めてフルマラソン2時間切りを達成した選手になった。
彼は2020年東京オリンピックで走ることを楽しみにしていたが、新型コロナウイルスのパンデミックにより、オリンピックは延期になった。彼はそのニュースを受けて、「延期は衝撃的だが、国際オリンピック委員会 (IOC)が取った称賛に値する考えだと思う」とグローバル・ボイスに語った。
All in all a very wise decision to postpone the Olympics until 2021. I look forward to come back to Japan to defend my Olympic title next year and look forward to witness a wonderful event. I wish everybody good health in these challenging times. pic.twitter.com/jrhsFEe545
— Eliud Kipchoge – EGH?? (@EliudKipchoge) March 24, 2020
全体的に見て、2021年にオリンピックを延期することは、とても賢明な決断だ。来年、オリンピックのタイトルを守るために日本に戻ってくること、また、素晴らしい大会に立ち会うことを楽しみにしている。このような困難な時でも、みんなの健康を願っている。
昨年10月にオーストリアで行われたフルマラソンを1時間59分で走った34歳の彼は、2016年リオデジャネイロオリンピックで獲得したタイトルを、この7月東京オリンピックで守ることを望んでいた。しかしながら、彼は2021年の夏まで待たなくてはならなくなるだろう。
ケニアは、高い感染力を持つ新型コロナウイルスの感染拡大を遅らせるために、他のいくつかのアフリカの国々と同様に、厳しい措置を行っている。ケニア政府は、外出禁止令を出し、国境を閉鎖し、国内の全校を休校にし、そして、ソーシャルディスタンスの維持を促すために、集会を禁止している。
ケニアでは、2020年3月29日現在、42人の新型コロナウイルスの感染者が確認されている。
ケニアの自宅から、キプチョゲはIOCの決定に驚きを表したが、その決定はより大きな善のためだと考えている。彼は、3月25日にWhatsAppアプリを通してグローバル・ボイスに語った。
I received the news about the postponement in a shocking way, but I trust and think it’s a noble idea for IOC to come into agreement to postpone the Olympics.
Health is an important priority…a firm decision … because as human beings, we need to respect this pandemic which has hit the whole world in a hard way.”
私は延期のニュースを聞き、衝撃を受けたが、IOCがオリンピックを延期することに合意したことは、称賛に値することだと思っている。
健康は重要な優先事項であり、延期は確固とした決定である。なぜなら人間として、世界中を襲っているこのパンデミックを配慮する必要があるからだ。
カナダとオーストラリアは、新型コロナウイルスによる死者、感染者の増加を受けて、オリンピックの参加をとりやめ、日本オリンピック委員会は11,000人の選手が参加することが予想されるオリンピックを延期するよう圧力をかけられていた。
IOCは、オリンピックを開催するか否かを最終的に決定するまでには時間が必要だと言っていたが、国際社会から急かされたのだ。
キプチョゲはその決定は少し急ぎすぎたのではないかと思っている。
I didn’t expect the suspension of the Olympics as early as this. I thought it [the decision] will come in the next one or two months as we are struggling to get rid of this virus. We live in a world of uncertainties.
私はこんなに早くオリンピックの延期が決まるとは予想していなかった。今は新型コロナウイルス退治に取り組んでいる最中なので延期の決定は、1、2か月先になるだろうと思っていた。私たちは、不確実性の高い世界に住んでいるのだ。
キプチョゲは2004年にギリシャで行われたアテネオリンピックの男子5000mで銅メダルを獲得し、4年後の北京オリンピックでは銀メダルを獲得している。
キプチョゲは新型コロナウイルスの感染が広がるなか、自宅に閉じ込められていると語った。
I am staying at home with my family – playing with the kids and trying to read some books to get some knowledge and make my mind healthy. I also watch some movies to create more connection with my family.
私は家族とともに自宅にいる。子供たちと遊んだり、知識を得て、心を健康にするために読書をしている。また、家族とのつながりをより持つために映画を見ている。
自身の哲学で多くの人を勇気づけてきているキプチョゲは、「自宅でのトレーニング」ビデオ日記を続けて、ファンのやる気を持続させている。そして、普段は多くの時間を過ごすことのない場所である彼の農場で時間をつぶしている。
彼は世界的な危機の間も、走り続けることを決意したすべての人に対して力づけるメッセージを投稿し、希望と善意の声を上げ続けている。
To the thousands of runners who with me have devoted the last months of our lives towards this goal I would like to say: Be proud of the work you have put into this journey, keep smiling and seek your next goal on the horizon to continue running in a smooth and positive way! 2/2
— Eliud Kipchoge – EGH?? (@EliudKipchoge) March 13, 2020
ロンドンマラソンが延期になったことは残念なニュースだ。しかし、世界の健康を守ることがいつも最優先事項なので、大会組織委員会による決定に敬意を表する。1/2
私と同じように、このゴールに向けて、ここ数ヶ月の生活を捧げてきた多くのランナーに向けて、私は言いたい。「この道のりに費やしてきた練習に誇りを持ちましょう。そして、笑顔を絶やさず、穏やかにそして、前向きに走り続けるために、あなたの次の目標を遠くない未来に達成しようと努力しましょう」2/2