神戸発、レズビアンカップルの暮らし

(原文掲載日は2020年2月8日。なお、記事中の動画はチャンネルが削除されているため再生できなくなっている)

L Japan

L Japanとは、「関西在住の国際レズビアンカップル、日本人のミホとアメリカ人のクレア」による、YouTubeのVlog(ビデオブログ)である。

「私たちにとって、動画制作は楽しく創造的な表現方法であり、『カミングアウト』することで自らを誇りに思う方法でもあったのです」。そう語るのは、日本でのレズビアン生活を発信するYouTubeのVlog、「L Japan」をプロデュースするクレアと、彼女のパートナーのミホ。2人はレズビアンを自認している。

「YouTubeチャンネルを始めようと決めた理由は、日本人同士のレズビアンカップルは見つかるのに、自分たちみたいな存在を見つけられなかったことがひとつです」と、クレアはグローバル・ボイスのインタビューで語った。「さらに、日本で女性と付き合いたいけれどそんなことは夢物語だと思い込んでいる、私のような女性たちのためのリソースを作りたいという個人的な思いもありました」

クレアはアメリカのフロリダ州、ミホは奈良県出身だ。2人とも神戸在住で、同居して1年半になる。

「動画では、日本語でいろいろなトピックについて話したり、おもしろいことをしたり、デートしたりしています」と、クレアはグローバル・ボイスに語る。「私は個人としての動画も配信していて、そこでは日本でレズビアンと付き合うことについて英語で紹介しています」

ミホとクレアは2019年にチャンネルを開始し、これまでに30本近い動画を配信してきた。以下の動画では、2人がミホの両親と会うために奈良へ帰り、新年に向けた思いも語っている。動画は日本語だが、YouTubeでは英語字幕を付けている。

https://youtu.be/-hinD8MkAxk

「奈良に住むミホの家族は、彼女と私をとても快く受け入れてくれました。87歳と91歳になる祖父母もです」とクレアは語る。また、日本でのレズビアン生活は心地よいとも付け加えた。

「日本人は、大半がLGBTの人々についての意見を持っていないように思います。そのために、(同性婚に関する法改正などの)積極的な活動が難しくなりますが、一方でカミングアウトしやすいという側面もあります」と彼女は言う。「私たちは自然に手をつなぎ、カップルであることをカミングアウトしています。戸惑う人もいますが、否定的な反応はありません」

結婚の平等や同性パートナーシップの法制化は、日本に暮らすLGBTQ+の人々にとって重要な問題だ。2月初旬、安倍総理大臣(当時)は、同性婚の法制化を求める訴えを退けた。国のリーダーシップが足りない中で、全国の都道府県や自治体では、同性パートナーシップが認められるケースが増加している。これは、財産共有や不動産の計画、老後の計画に関して重要な意味を持つ。

「私たちが暮らす神戸では、同性パートナーシップはまだ認められていません。しかし周辺地域では認められるところが増えていますし、神戸で『パートナーシップ制度』が導入されるのも時間の問題でしょう」とクレアは語る。「ここで認められなかったとしても、私たちは海外で結婚するつもりです」

その日の最後、クレアは、日本での生活を楽しく有益な視点から見られるようにすることが目標だと語った。

「私たちは『レズビアンカップル』や『国際カップル』などのタグをつけて動画を配信しています。自分たちは他のカップルとそんなに変わらない。そのことを知ってほしいだけなのです」

ミホとクレアによる「L Japan」動画には、日本のレズビアン用語を紹介しているものもある。

https://youtu.be/3NPjBjonNXs

校正:Masato Kaneko

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