(原文掲載日:2022年11月3日)
ベラルーシ国内外で奮闘する活動家や識者 はベラルーシ人の抗議行動に国際的な注目を集めようとしている。ロシアのクライナ侵攻や同盟国としてロシアがベラルーシを利用することへの抗議はもちろんのこと、ヨーロッパで最もひどい独裁政権に対する抗議行動への注目をだ。実際、ロシア軍の戦車や装備がウクライナに到着するのを阻止するため、捕まれば今は死刑になるにもかかわらず、線路を爆破するベラルーシ人活動家のことが報じられている。
ベラルーシ人のハンナ・リウバコワは大西洋評議会の会員であり、ジャーナリストまたメディアトレーナーでもある。彼女は2022年11月1日、最近ベラルーシで起こった政治犯に関する最も衝撃的な事件をTwitterへ投稿した。この投稿でリウバコワは抗議行動が終わっていないこと、そしてベラルーシ人はロシアのウクライナ侵攻に最大限の抗議をしていることを知らせている。このように抗議する勇気ある人々は、その勇敢さゆえの行動により長期刑や死刑に直面している。以下はリウバコワの投稿だ。
真相を見ていこう。
🔹ヴィタル・メルニクは鉄道ゲリラの一人で、膝を撃たれました。現在メルニクはテロ行為、ルカシェンコへの侮辱的な言動、さらには違法な武器取得の罪で起訴されています。この事件は裁判で争われました。#ベラルーシにおいてテロ行為は死刑を意味するのです。pic.twitter.com/pDKMl55znV
🔹Right now, three men are on trial in the Homiel court, accused of terrorism,treason, participation in an extremist formation. The reason for the arrest was a relay cabinet on the railway set on fire. The Investigative Committee officially stated that they can face death penalty pic.twitter.com/63VyZyxykn
— Hanna Liubakova (@HannaLiubakova) November 1, 2022
現時点で3名の男性がテロ行為や国家への反逆、過激派組織に参加したという罪に問われ、ホメリ地方裁判所で審理を受けています。線路脇の信号設備に放火したというのが逮捕の理由です。調査委員会の公式発表では、この3名は死刑になりうるそうです。
🔹Siarhei Hlebka from Stoupcy was sentenced to 11 years in prison. According to the regime, on March 2, he set fire to logs on the railway to prevent the movement of Russian military equipment. During his detention, he was severely beaten. pic.twitter.com/M1EcyfjRjE
— Hanna Liubakova (@HannaLiubakova) November 1, 2022
ストウプツィ出身のシャルヘイ・フレブカは懲役11年の判決を受けました。政府によると、3月2日に線路の枕木に放火し、ロシア軍の軍需品の輸送を妨げたとのことです。拘禁中にフレブカはひどく殴られました。
🔹Student Danuta Piarednia was sentenced to 6,5 years in jail for a repost of an article that criticized Putin and Lukashenka & the war against #Ukraine. Danuta studied Romano-Germanic philology in Mahiliou. She was accused of calling for harm to the national security of Belarus pic.twitter.com/eIXobYgtQe
— Hanna Liubakova (@HannaLiubakova) November 1, 2022
学生のダヌータ・ピアレドニアは、プーチン、ルカシェンコ、 #ウクライナへの軍事侵攻を批判する記事を再投稿したかどで懲役6年半の判決を言い渡されました。ダヌータはマヒリョウでロマンス諸語とゲルマン語派の文献学を専攻していましたが、ベラルーシの国家安全保障を脅威にさらした罪に問われています。
ここで挙げた事件は、自国政府とウクライナへの軍事侵攻に対するベラルーシ人の抗議行動をまざまざと思い出させるものであり、その抗議行動は今も続いている。ウクライナが注目されることで確かにある意味ベラルーシへの関心が薄くなっている。グローバル・ボイスのインタヴューでそのように話すのは、ソ連崩壊後の市民社会を熟知するアルムート・ロホヴァンスキである。
For my Belarus contacts, as far as they're concerned, their uprising is still ongoing, their revolution is still ongoing. Lukashenka is an illegitimate president for them. But then I recently attended a session with European foreign policy experts. And the way they see it, the uprising is over, and it failed.
私に情報をくれるベラルーシ人の意見は、ベラルーシ人の蜂起はまだ続いており、革命が今もなお進行中というものです。ベラルーシ人はルカシェンコを大統領として正式には認めていないのです。しかしその一方、私が最近出席した会議で共通外交・安全保障政策の各国代表者は、ベラルーシ人の蜂起は失敗に終わったとの見解を示しています。
ベラルーシ人が差別を受ける事例も報じられている。ベラルーシ国籍というだけで、ルカシェンコ支持者でロシアのウクライナ侵攻を支持しているであろうという先入観を持たれるからである。しかしリウバコワが伝えてくれたのは、ルカシェンコ政権に抵抗を続ける活動家や庶民の果敢な姿である。弾圧は日々続いており、世界はベラルーシで抵抗を続ける人々を忘れてはいけない。