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インド:「うんちはトイレで」キャンペーン

リンク先はすべて英語のページです。

インド・ウッタル・プラデーシュ州にある村の学校。男子用と女子用のトイレ設備がある。食事の前やトイレの使用後には石けんを使って手洗いするよう、子供たちに勧めている。(手洗いの指導は、絵や文字でかかれている)写真:著者

ユニセフ・インド事務所の「Take the Poo to the Loo」キャンペーン(訳注:「うんちはトイレで」キャンペーンの意)は、これまでに類のない支援プログラムを使っている。これはインド人の意識向上に努め、屋外での排泄も、汲み取り人が手作業で清掃する簡易トイレ(乾式トイレ)の使用もやめるよう呼びかけてきたものだ。

世界保健機関(WHO)とユニセフ(UNICEF)の推定によれば、約6億2千万人のインド人がなお屋外で排泄を行っているという。この数字は、人口の50%以上にのぼる。インド政府(GDO)最新の国勢調査データですら、約50%という 数字を出している。インド政府は、公衆衛生関連の計画を多数継続して行っている。しかし 最新の国勢調査データにより、インドではトイレ設備を持つ家庭より電話や携帯電話を持つ家庭のほうが多いことが明らかになっている。

トイレがないこと。それだけの問題ではない。

公衆衛生プロジェクトを担当する政府職員には分かっていることだが、古くからの習慣である屋外での排泄をなくすためにはまず、衛生的なトイレを家庭に持ち、利用する必要性を人々が感じなければならない。しかしそれは、農村社会では特に骨の折れる仕事だ。というのも、農村では昔から、野原や森などで生理的欲求を満たすこと(排泄)に関して、社会に対する羞恥をさほど感じなかったからだ。屋外での排泄は単に「誰もがしていること」にすぎなかった。現実として、人々は自宅の敷地内へのトイレ設置に二の足を踏んでいた。これには、宗教上の理由と「衛生的」な理由の両面がある。彼らの言い分によれば、「不浄な」物であるトイレが、台所や礼拝場所と同じところにある状況は考えられないという。

「Take the poo to the Loo」キャンペーンサイトからのスクリーンショット

マハラシュトラ州農村部生計ミッションに携わる若き専門家 Malathy Mは、人々が幹線道路脇を屋外トイレとして使用するのを目にした後、この問題について次のように考察している。
彼女のつぶやき :

屋外での排泄はインドで現実に起こっていることであり、簡単に解決できる方法はありません。問題は、単にトイレがないということだけではないのです。#sanitation(衛生) #health(健康)

ちゃんとしたトイレを使うこと自体が問題です。農村家庭のトイレ事情を社会的・文化的に考えてみれば、非常に深刻な問題なんです

しかし、この習慣によって、最もひどい重荷を負っているのは子供たちである

ロンドン大学公衆衛生学・熱帯医学大学院(LSHTM)が発表した報告 [pdf] によれば、屋外での排泄に伴う劣悪な衛生状態が原因で健康被害が起こった場合、真っ先に影響を受けるのは子供たちである。

Diarrhoeal diseases caused by inadequate sanitation and unhygienic conditions put children at multiple risks leading to vitamin and mineral deficiencies, high morbidity, malnutrition, stunting and death.

公衆衛生が不十分で不衛生な状況下で下痢を起こした場合、子供たちは様々な危険にさらされ、ビタミンやミネラルの不足、高い罹患率、栄養失調、成長阻害や死亡に至ることもある。

インドでは、これは緊急を要する問題だ。というのは、

インド農村部ではトイレを使用する子供たちは12%未満だからだ。都市部ではこの数字より高いものの、50%未満(47%)となっている。#India(インド) #toilets(トイレ) http://t.co/AmAWIC9P9M #Sanitation(衛生)

 

2800万人の子供たちがきちんとしたトイレを利用できません。この数字は、世界中にいるツイッターユーザーの総数より500万人少ないだけです。pic.twitter.com/KTBkbPiZvq (訳注:実際は、インド国内のツイッターユーザー総数が3300万人

インド政府はこの事態の深刻さに気づき、屋外排泄習慣廃絶のために戦うキーパートナーとして、ユニセフ・インド事務所に協力を求めた。ユニセフは様々な面でインド政府と連携し、新たな取り組みを行っている。その中でも今回の #poo2loo キャンペーンの目的は、都市部住民にも働きかけ、農村だけでなく都市部(スラムを含む)でも屋外での排泄が行われているという認識を高めることだ。

ユニセフインド事務所は、これまでにない手法を用いて国民に働きかけ、屋外での排泄への関心を高めている。

 このシリーズでの次回投稿では、次の2点について考える予定だ。

a)インドでは、乾式トイレとそれにまつわる悪習、手作業による汲み取りが根強く残っている場所があること。

b)勇敢な「トイレ戦士」が自分たちの住む共同体内での変革をもたらし、衛生的なトイレやより良い汚物処理施設に対する需要を作り上げて行く様子。屋外での排泄や手作業による汲み取り清掃が、ゆっくりではあるが確実に過去の遺物となっていくだろうという希望が生まれるまで。

校正:Yuko Aoyagi