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インドのスマートシティ構想による貧困層への影響とは?

インドのスマートシティ構想のウェブサイトのスクリーンショット

インドのスマートシティ構想のウェブサイトのスクリーンショット

ナレンドラ・モディ首相の将来構想であるインドのスマートシティ構想は、その大きな規模と意気込みのため、国中から、また国内のメディアからも歓迎されている。100のスマートシティが、大都市の衛星都市として現代的なインフラを成す予定であり、またそれは既存の中規模都市にも追加される予定である。

チャンスを求めて村から都市に移動するインドの人々は増加しており、政府の考えによると、この706億ルピーの構想は人々に、先進的なヨーロッパの都市に匹敵する質の高い生活を保証することになるだろう。

しかし、生きていくのがやっとの人が何百万もいる国では、新たな取り組みに対し、スマートシティでの高額な住居費・生活費をどう得ることが出来るかを疑問視する人もいる。論点に上がっているのは、「インドのスマートシティ構想は貧困層の締め出しの上で実現されるのか?」ということである。

インドに必要なのは、スマートシティではなく、スマートな村だ。アンナ・ハザレ
ニュース動画はこちら。http://www.abplive.in/livetv/#.VMkA89KUeOs

ガンジー翁は『村へ帰ろう』と言いました。この言葉を『村に背を向けよう』と解釈する人もいます!

1年経って、スマートシティを構成するものについては、まだ問題点がある。都市開発省によって発表された草案によると、スマートシティは(インテリジェントな)物理的、社会的、制度的、経済的インフラを備えていて、持続可能な環境で市民の中心性を保証する。

アフマダーバードの市街地から12km地点のグジャラート国際金融テックシティ(GIFT)を皮切りに、スマートシティ構想は既に始まっている。5年後、その場所は煌びやかなガラスの外観の高層建築を誇り、近くを流れるサバーマティ川は青く澄んだ水を特色とするだろう。

GIFT 1、グジャラートの最高層ビル。画像:Gujaratin、ウィキメディアより。CC BY-SA 3.0

GIFT 1、グジャラートの最高層ビル。画像:Gujaratin、ウィキメディアより。CC BY-SA 3.0

その技術は、インド人ジャーナリストのマヌ・ジョセフが「人間の排泄物を、ほとんどのインドの電車より速く運び去る」とニューヨークタイムズに書いているようなものになるだろう。建物には高性能な監視カメラ、年中途切れない電気ときれいな水が装備され、高速列車には自動ドアが装備されるだろう。

しかし、スマートシティ構想は多くの問題と遅れにも直面している。この国のほとんどの地域で、今後のインフラは農地を犠牲にするものである。

インドの土地収用はとても複雑なプロセスだ。モディ政権はある構想の迅速な土地収用の為、地主の同意の必要条件を撤廃しようと模索している。高速道路とインドの初のフォーミュラ1の走路建設に対する農家の人々の抗議は、まだ記憶に新しい。その際の政権の振る舞いも、モディ政権は民間企業に味方し農家の人々と争う、という認識が広がる一因となっている。
野党とその支持者は『富裕層を着込み、貧困層を踏みつける(スーツ・ブーツ)政権』という表現を使用して、モディ首相のイニシャル入りのスーツを引き合いに出し、政府が農業や一般市民よりも産業化を優先していると思われることに触れてきた。

モディ首相いわく、「土地法案は私にとって死活問題ではない」
しかし、数百万の貧しい農民にとっては死活問題です、モディ首相。

モディ首相やチャンドラバブ・ナイドゥ州首相は、ヒトラーやトゥグルクを思い起こさせる。
あなたが土地を首都圏開発局(CRDA)の共同管理下に渡さないなら、我々は土地収用法を使って買収するまでだ。

2015年1月にムンバイとチェンナイで開催された、スマートシティに関する双方向のパネルディスカッションでは、エコノミストからのコメントにより、構想に対する批判の正しさが立証されたようだ。ジャーナリストのShruti Ravindran氏は、参加者に配られた冊子「インドのスマートシティ:待ち受ける真実」から様々な文章をツイートした。

「スマートシティ」は本質的に貧困層を締め出しています。ワールドトレードセンタームンバイでの会議から。

今日開催されたスマートシティがテーマの討論会で渡された、公式冊子からの一節です。

エコノミストのラビーシュ・バンダリ氏は、一部の人を締め出すことは自然の成り行きだと説明しています。

経済調査会社Indicus Analytic社の創立者兼主席エコノミストであるLaveesh Bhandari氏の冊子内の小論から、抜粋してツイートされた一節にはこう書かれている。

When we build these smart cities, we will be faced with a massive surge of people who will desire to enter these cities. We will be forced to keep them out. This is the natural way of things, for if we do not keep them out they will override our ability to maintain such infrastructure. There are only two ways to keep people out of any space – prices and policing. In other words, the prices will automatically be higher in such cities – the notion that they will be low cost is flawed. Even if possible from a cost provision perspective, they cannot be low cost from a demand supply perspective.

Even with high prices, the conventional laws in India will not enable us to exclude millions of poor Indians from enjoying the privileges of such great infrastructure. Hence the police will need to physically exclude people from such cities, and they will need a different set of laws from those operating in the rest of India for them to be able to do so. Creating special enclaves is the only method of doing so. And therefore GIFT is a [special economic zone] and so will each of these 100 smart cities have to be.

Safety and security are the outcomes of a city where the rule of law defines daily lives and where justice is the dominant notice of resolving disputes. But all disputes are not resolved through laws, policing or a judiciary; a well-functioning political mechanism is by far the best dispute resolution mechanism.

スマートシティを建設すると、これらの都市にはいりたいと希望し押し寄せる多くの人々を目にすることになります。私たちは彼らを締め出すことを余儀なくされるでしょう。これは自然の成り行きであり、もし締め出さないならばこうしたインフラを維持する能力を上回ることになります。どの場所でも人々を締め出すには2つだけ方法があり、物価と警察活動です。つまり、こうした都市では物価は自動的に他より高くなり、価格が低くなるという考えは破綻するでしょう。価格供給観点から可能であっても、需要と供給の観点から低価格となることはありません。

物価が高いとはいえ、従来のインドの法律の下では、何百万の貧困層を、こうした素晴らしいインフラの恩恵にあずかれないよう除外することはできません。つまり、警察はスマートシティから物理的に人々を排除する必要があり、それを可能にするためには、インドの他地域で運用されているのとは異なる一連の法律が必要となります。特別地域を作ることが、異なる法を適用するただ一つの方法です。そしてそれゆえにGIFTは特別経済地区なのであり、同様にこれら100のスマートシティもそれぞれ特区にしなくてはならないでしょう。

法の支配によって日々の生活が定められ、紛争を解決するものは司法であると知らしめられていると、結果として安全で治安のいい都市になります。しかし、全ての問題が法や取り締まりまたは司法により解決されるわけではありません。上手く機能している政治機構は最高に優れた問題解決機構です。

後のほうでラビーシュ・バンダリは、政府はやがて次のようになるだろう、と説く。

[…] need to decide whether to continue with building such enclaves, or use these enclaves as an example, and expand such services across all of India's 8000 odd cities […] If it is the latter, it will need to move forward on a spate of urban reforms.

[略]このような特区の建設を続けるか、あるいは、こうした特区を手本にして、そのサービスをインドの8千余りの都市全てに適用するかの判断を迫られることになります。[中略]もし後者にするなら、都市改造案件があふれかえる前に、行動を起こすべきでしょう。

この小論の全文はこちらから。

ブロガーのVidyut氏はこれに対してコメントしている。

So let me get this right. The government will be used to empty land to build smart cities in the name of developing the country. It will be called “inclusive development”. And the smart cities built on this land will be for the rich – by design. And we are talking of a hundred cities, displacing god knows how many people. The police of the land will be used “on the tax payer’s money” (as these hotshots like to call it) to keep the poor out of these cities using laws OTHER THAN INDIAN LAWS.

ここで状況を整理しておきましょう。政府は国の発展という名目で、スマートシティ建設のために空いている土地を使おうとしています。これは「包括的開発」と呼ばれます。そしてこの土地に建設されるスマートシティは、「意図的に」富裕層向けのものとなるでしょう。そして我々は、どれだけ多くの人が退去させられたかも知らず、100都市のことを話題にします。この土地の警察は(知識人好みの表現ですが)「納税者の金で」、インドの法律から外れた特別法を使って、街から貧困層を排除するために動くことになるでしょう。

一方、「N」は彼女の記事のコメント欄にこう書き込んでいる。

On the face of it, it does seem cruel but nothing can make the development go faster and reach India’s poor than making our cities world class and attracting the talent and entrepreneurs which we are losing to emigration. With China reaching some 160 or so cities with more than a million population and the infrastructure in each city is just amazing, it can be seen how urbanisation is working there. Such fear mongering will lead us nowhere.

一見、それは確かに残酷に見えますが、開発をより速く進めてインドの貧困層まで到達させるには、私たちの都市を世界レベルにすることと、海外に流出した有能な人材と企業家をひきつけることより他にありません。中国では、人口が百万人以上のの都市は160ほどあり、各都市のインフラはただただ驚きであり、そこからいかにして都市化が成り立つか見ることができます。スマートシティの負の可能性をあげて恐怖をあおることは、私たちに何ももたらしません

批評家たちは、スマートシティ構想をエリート層と貧困層の隔たりを深めるものであり、『贅沢の夢』が社会全体からさらに遠ざかり、経済的余裕のあるわずかな人々へわたるとみている。

インドは80%の地方人口によって成り立っています。農地転換を止めるためには、スマートシティより集団の発展のほうが重要です。

批評家たちは、年中無休の電力や日光に輝き夜空に煌めく高層ビルが約束されているにもかかわらず、スマートシティ構想が国に暗い影を投げかけるのではと恐れている。インドの大衆のため何かが必要だが、スマートシティがその答えになる、と国民全員が確信しているわけではない。

校正:Yuko Aoyagi