このほど行われた企画に挑んだ若い男性映像作家たちは、セクハラ行為そのものと、セクハラを早急にやめさせる必要性について、深く思いを巡らせた。最終成果として、セクハラ被害の苦しみやセクハラが被害者や社会全体に与える悪影響を描き出した10本以上の短編映画ができあがった。
この活動を支えたのが、カンボジア国内で政策提言を行っている国際協力NGOのCAREである。CAREは#WhyStopという活動をカンボジア中に展開した。すべての男性に、なぜセクハラをやめさせなければならないかを考えてもらい、女性へ対する性暴力を廃絶する直接の役割が男性側にあることを理解してもらうのが、この活動の目的だ。
16歳から29歳の若き映画監督が製作した16本の作品が選考に残った。いずれもセクハラの廃絶について明確で強力なメッセージを放つ作品だ。その中のいくつかを紹介しよう。
「虹色のパンツ」
「虹色のパンツ」はバタンバン州のカーン・カブ(18)によって製作された。この作品は、セクハラを機に不登校となってしまった優等生について描いたもので、最優秀作品として選ばれた。
「ワンタッチ」
これは首都プノンペンのスティーブン・ロウによる作品で、教授に性的ないたずらをされた勤労学生を描いた悲しい物語だ。作品は「一回触れるだけですべてが変わってしまう」というメッセージで締めくくられている。
「事件が起きた日」
これは、カフェで嫌がらせを受けたことが原因して精神的外傷を負った10代の少女について描いたロン・ソヴィトゥ(16)の作品である。
「7つの理由」
トン・フィナッチ製作のこの作品では、セクハラが持つ意味について説明し、性暴力をなくすための活動に男性が参加すべき7つの理由について述べている。
「痛み」
このチー・サイディスの作品は、職場での性暴力の影響について訴えかけている。
「オウドム」
この作品「オウドム」は、亡き父からの手紙を読み、女性を尊重する大切さに気付く10代の息子について描いている。
「もし彼女があなたの妹だったら」
そして最後に、ラン・ソクヘンによるこの作品には、女友達にしつこくつきまとっていた2人の男子生徒が、クラスメートから「もし自分の妹が同じことをされたらどう思うか」と問われ過ちに気付く様子が描かれている。