ツイッター本社前で「ヘイトスピーチ」を踏みつけて抗議 

「この記事は2017年9月11日に掲載されたものである」

twitter hate speech

2017年9月8日、東京のツイッター本社前。抗議者たちが、暴言ツイートが書かれた紙を踏みつけて訴える。 IWJ official YouTube channelのスクリーンキャプチャ

2017年9月8日の金曜日、約100人もの抗議者たち がツイッター東京本社に集まった。そしてネットでの中傷やヘイトスピーチのツイートを取り締まるように訴えた。

ボランティア団体の「トウキョウ・ノー・ヘイト」がデモを先導し、ツイッター社が問題への取り組みを怠っているようだと主張した。

この活動団体は、2017年9月3日に差別的かつ軽蔑的なツイートが繰り返されていると報告した。そして7日までに、問題のつぶやきを削除するように求めた。さらに抗議者たちは対応が不十分な場合、次の日も本社前でデモを行うと宣言した。

近日、ドイツのハンブルグで行われた抗議の戦略をまねて、ハッシュタグ 「#0908Twitter社前 (9/8にツイッター社前で会おう)」で参加者を集めた。そして抗議者たちはデモ当日に集合し、性や人種差別、暴言などのツイートをプリントアウトして歩道いっぱいに並べた。

活動家たちは数百ものツイートを紹介した。そのうちのいくつかを写真撮影しツイッターで共有した。

ヘイトスピーチ反対!

ついに抗議者たちは、例のツイートが書かれたプリントを次々に踏みつけはじめた。そしてデモが終わった後は、それらの紙は儀式の一環としてリサイクル容器に詰め込まれた。

抗議者らがさらに不愉快だとみなしたツイートは、Twitter Moment活動家のタカヒロ・カツミ氏 によって英訳された。

ツイッターに改善策はあるのか?

実際のユーザー 4000万人のうち利用者は日本国内で30%を占めるほど、ツイッターは最も人気で一般的なソーシャルネットワークの一つである。

ツイッター社は、ネット上から脅威的なつぶやきやヘイトスピーチを減らすため、いくつか対策をしていた。(最近差し止められたユーザー threatened to kill a mosquitoを含む)。しかしその間に、誹謗中傷的なコメントをツイッター社側が野放しにしているとの苦情が来てしまった。

インターネット活動家でトウキョウ・ノー・ヘイトの元会長キノ・トシキ氏は、グローバル・ボイスに以下のように語っている。「ツイッター社は、日本国内の少数民族に対するヘイトスピーチの規制に関して、全く対策をしてこなかった」

Hate speech against ethnic minorities people in Japan―mainly against Korean and Chinese people, but also against the Ainu [indigenous residents of Japan] on the Internet has been a very serious problem in recent years, but Twitter Japan has been completely inactive in terms of regulating such remarks. There is much hate speech on Twitter to choose from, but you'll see lots of serious examples if you search for “朝鮮人” [‘chosenjin’, a derogatory epithet for Korean people.]

ネット上の少数民族へのヘイトスピーチとは、主に韓国人や中国人だけはなく、アイヌ(日本にいる先住民のこと)に対しても、近年深刻な問題となっている。しかしツイッタージャパンは、そのような言及の規制に関して全く何もしていない。ここでは多くのツイートがピックアップされているが、もし「朝鮮人(韓国の人々を侮辱する言葉)」を検索すれば、さらにひどいツイートが載せられている。

ツイッター社は明確にヘイトスピーチを禁じてはいない。しかしこの規則では、アイデンティティのルーツを理由にユーザーが特定の人物を攻撃または脅迫する行為を禁じる、とある。そして次のように書かれている。

You may not promote violence against or directly attack or threaten other people on the basis of race, ethnicity, national origin, sexual orientation, gender, gender identity, religious affiliation, age, disability, or disease. We also do not allow accounts whose primary purpose is inciting harm towards others on the basis of these categories.

「人種、民族、出身地、性的指向、性別、性同一性、信仰している宗教、年齢、障碍、疾患を理由とした他者への暴力行為、直接的な攻撃、脅迫の助長を禁じます。また、以上のような属性を理由とした他者への攻撃を扇動することを主な目的として、アカウントを利用することも禁じます」(ヘイト行為に対するポリシーより一部引用)

ツイッター社は、ユーザーに上記の引用および その他の規則を守るように呼びかけている。しかしこれは規則を執行するための厳重な方法ではない。もし差別的もしくは脅威的なツイートを削除したければ、ツイッター社に報告書を提出しなければならないであろう。そして事実そのツイートが社内規定に違反するかどうかは、ツイッター社内のモデレーターの判断次第である。

これは日々投稿されるヘイトスピーチを減らす手段にはなると思う。しかしこのようなツイートは頻繁に何百も投稿されているので、どんなユーザーも迅速に対応しきれなくなっているのかもしれない。そして問題となるのは、人々が報告するのを諦めてしまう可能性があることだ。(ツイッター社はこの問題について、ほとんど公衆データを提供しない)

事実多くのケースで、ノー・ヘイトの抗議者たちが主張した数々の事例によれば、ヘイトスピーチの報告はあるが削除はされていないとのことだ。ツイッター社は長い間批判にさらされてきた。この会社のモデレーション機能はネットのヘイトスピーチが蔓延してることに対して太刀打ちできないからだ。しかし現地点では、モデレーションに変わる解決策は考案されていない。

ツイッター社を攻撃するのは、いかがなものか?

一般ユーザーの中には活動家たちに対して、なぜオンラインで誹謗中傷的なコンテントを作ったグループを追跡するのではなくツイッターを標的にしたのか、と思う人もいる。

度重なるツイートにおいて ヴィヴィアン・ショーは、2011年から日本で反差別運動の発展を報じてきた調査員である。彼女によれば日本の反人種差別の活動家たちが、日本政府にヘイトスピーチを取り締まる法案を通し、地元の当局に問題に取り組むように強く求めた、と説明している。

日本の国会は2016年5月に国内史上で初めてヘイトスピーチ対策法案を可決した。法は制定されたが罰則規定はない。だが代わりに 大阪市のように中央省庁、県庁、地方自治体などでヘイトスピーチへの対策を講じることができる。

現在、課題はある。ショー氏によれば、前文で揚げた機関には悪意あるオンラインコンテントを取り締まるほどの資力も技術もないと、地元の政府は述べている。ツイッター社が、これらのメッセージが出回る状況を作り出したわけだから、会社側がもっと問題に立ち向かうべきだと活動家たちは主張している。もしヘイトスピーチが日本でれっきとした違法行為となるのなら、ツイッター社はこの問題を静める義務が大いにあるだろう。しかし今のところ、国会は何の対策も打っていないのだ。

東京で行った9月8日のデモの終わりに、抗議者たちはツイッター本社のロビーに立ち入り、会社関係者と会うことを要求した。その要求はうまくいかなかったが、デモ抗議を通して、ツイッター社が明確な議題を生み出すきっかけとなった。

ツイッター・ジャパンは対面を拒否。@Twitter@TwitterJP #0908Twitter社前 pic.twitter.com/dqtgY62kwz
― 木村夏樹 Natsuki Kimura (@_natsukik) 2017年9月8日

デモ参加者らはツイッター関係者に会うことはできなかったが、9月8日のデモの結果を受けて会社側は、抗議者たちの懸念を受け止めた。週始めのツイートにて、ツイッター社から「早急な問題解決」に向けて数々の対策をしていく予定であるとコメントした。

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