カルタヘナのドアノッカーは覚えている。屋敷の過去も、町の歴史も

コロンビア、カルタヘナのサンフェリペ要塞 筆者、ガブリエラ・ガルシア・カルデロンが撮影

城壁で名高いコロンビアのカルタヘナ。海賊や私掠船の攻撃から町を守るためにスペイン植民地時代に築かれた強固な城壁のお陰で、カルタヘナはカリブ海や南アメリカでは最強の要塞都市と言われた。

カルタヘナはまるで「町中が丸ごと博物館。そこかしこに秘められた歴史がある」中でも「電気式の玄関ベル登場以前、家々の表戸に取り付けられていた金属製の古風な戸たたき」、つまりドアノッカーのある街並みはここカルタヘナならではのものだ。そのドアノッカーにも隠れた歴史がある、とは旅行ブログ、エル リンコン デ セレ(世界の隅まで、セレの旅)からの言葉だ。ブログは次のように始まる。

Durante siglos fue, sin duda, un símbolo de distinción de tal forma que existía un refrán en español que decía «A tal casa tal aldaba» refiriéndose por completo a términos de clase social y poder. […] Durante la época colonial en América hubo ciudades ricas en la diversidad y laboriosidad de dichas aldabas, siendo una de las más destacadas Cartagena de Indias, en la actual Colombia, la cual formó parte en principio del Virreynato de Perú y a partir del Siglo XVIII del Virreynato de Nueva Granada.

「ノッカーは屋敷を語る」とはスペインのことわざだが、厳然として存在した地位や権力の違いを、何世紀にもわたって目に見える形で誇示する役割を担ってきたのがドアノッカーだ。スペイン植民地時代にアメリカ大陸で繁栄した都市では、手の込んだ様々な形のドアノッカーが登場したが、カルタヘナは今もよくそれを伝えている。
現在のコロンビアにあるカルタヘナは、最初はペルー副王領として、18世紀に入るとヌエバ・グラナダ副王領として栄えた。

ドアノッカーは形ごとに異なった意味がある。ウェブサイトFusciaより

La lagartija significaba que era parte o descendiente de la familia real. El león significaba que era parte del mando militar o de la iglesia, casi siempre fueron destinadas para las puertas de las iglesias.

El pescado o figura marina significaba que era un comerciante, la mano se decía que era la mano de la Virgen de Fátima, por ende, era una familia religiosa.

トカゲは王族や王家の血筋を表し、獅子は教会扉に長く用いられてきたので、建物の所有者が軍人や教会であることを示す。

魚や海の生き物は商人、手はファティマの聖母マリアを表すと言われており信心の篤い家。

カルタヘナ旧市街の表戸。鉄鋲は家主の身分の高さを示す 筆者撮影

ドアノッカーは専門の鍛冶屋が家主の注文に応じて制作した。カルタヘナの隣町ヘッセマニに住むヘスス・アセベド・ポンボはそんな鍛冶屋稼業の後継者だ。地元紙の取材に応えた2013年の記事の中で、ドアノッカーの話をしている。

Jesús cuenta que al principio sólo le mandaban a hacer leones, anillos y manos, que eran las figuras clásicas que había en la época de la Colonia.

Ahora, las personas están menos interesadas en seguir con la tradición y se les ha dado por innovar mandando a hacer sirenas, caballitos de mar y hasta cabezas de diablos.

ヘススによると、最初の頃の注文は獅子、指輪、手などの植民地時代からの伝統的なデザインばかりだったが、現在は昔からのデザインは人気薄で人魚やタツノオトシゴ、中には悪魔の顔を作ってほしいと言った思い切った注文もあるそうだ。

ツイッターでもドアノッカーの写真を見る事ができる。

カルタヘナのドアノッカー。小さくとも美しく

南米でドアノッカーを見るならカルタヘナが最高 (写真はインスタグラムより)

好奇心を満たす旅のウェブ雑誌、アトラス・オブスクラもカルタヘナのドアノッカーを紹介している。

カルタヘナのドアノッカー
植民地時代の雰囲気を今に伝える、家々の奇抜で幻想的なドアノッカー

ドアノッカー見て歩きのほかにも、カルタヘナには魅力が一杯!

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