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日本:援助者を援助する

このポストはグローバル・ボイス2011年東日本大震災特集の一部です。

東日本での大地震と津波から二か月以上が過ぎた。直接震災の被害を受けていない人々は、通常の生活に戻りつつある。だが一方、警察庁の統計によると、11万人程の人々が依然として避難所で暮らしている。

プライバシーは守られず、元の居住地域からは離れなければならない。職もなく、さらには愛するものを失った深い悲しみが襲う。これらのことは、身体的にも精神的にも疲れ切った多くの被災者たちにとって、非常に辛い体験である。

震災情報マップ/日本の津波による避難所の位置

震災情報マップ/日本の津波による避難所の位置

森脇ひろし氏は、心の傷(トラウマ)には二種類のものがあると解説し、子どもと大人の両方に心のケアが必要だと訴えている。傷の深さはそれぞれ違うが、悲惨な体験から精神的な後遺症がのこる可能性もあるという。

我々の目の前には、日々さまざまな事が起こります。ただ事故やトラブルなど、
想定外の事が起こったとしても、ある程度までは健全な対応をとる事ができます。
しかし天災や人災・犯罪など、「自我のコントロール」を超えた暴力的・侵入的な刺激には、
対応ができなくなり、強い衝撃となって「心の傷(トラウマ)」となります。
この「トラウマ」には、大事件・大災害等による急性の外傷と、
虐待やいじめ等による慢性の外傷があります。

[…]

その症状には、悪夢・フラッシュバック・頭痛・腹痛・吐き気などがあり、
特に子どもの場合は、衝撃を受けた時そのままの体験を生じる事があります。

[…]

今回の大震災で、通常生活では体験することのない感情に多くの被災者が直面しました。
大震災が目の前で起こり、大災害が迫る大きな恐怖の中で、もしかしたら家族や友人が目の前で災禍に巻き込まれ、あるいは震災後になって、悲しい姿に直視するケースもあったでしょう。

多くの大人たちは、これまでの喜怒哀楽・愛別離苦など人生経験を通して、消化できたとしても子ども達にとっては、心の傷が生涯のこる事が想定されます。
自衛隊や警察・消防など、ボランティアの方々にも必要性が出てくるかも知れません。
こうして「PTSD」を内容を整理しただけで、訓練された専門家でなければ対処できない事、そして今後、長期にわたる復興の中で、心のケアが必要であることが分かります。

産官学連携での長期対応が、必要になってくると予想されます。

Some patients are moved to an elementary school after the earthquake, Fukushima. Image by Natsukado, CC BY-NC-ND.

福島で地震後、小学校に運ばれる患者たち。Natsukadoによる画像(CC BY-NC-ND)。

震災後、ボランティアのチームや医師・看護師・心理学者などプロのチームが、援助のために被災地に集まった。その中には、直接的に医療行為を施す者もいれば、ただ被災者の悲劇や不安に耳を傾ける者もいる。

このような援助者たちは、その仕事の本質と、緊急時に働くことに慣れているという事実のために、非常に長時間のシフトで働き、献身が当たり前のように見られてしまう傾向がある。しかし、これらの医師や看護師の中には、自身も被災者であり、家族や友人や家をなくした者もいるということは忘れられがちだ。

このため、民間や政府関連の機関が、ある運動を始めた。援助者に対して、「過労から身を守り、まずは自分のことを第一にケアするように」と訴えているのだ。他人により良い援助をするためにも、これらのことは必要だという。

@jishin_careは友人の体験談をもとに、医師たちが味わう身体的・精神的ストレスについて語っている。この著者のブログ「震災にまつわる心理学的ケア情報」によると、医師や看護師たちは、緊急時にも全力を尽くすよう訓練されているが、このような厳しい状況下では、彼ら自身も他人からのサポートを非常に必要としているという。

私も、被災地へ医療派遣された友人の話を聞きましたが、それはもう大変過酷な状況であり、その間、よくぞ持ちこたえられたものだ、さすがプロフェッショナルだと、頭が下がる思いでした。
同時に、彼の心身の疲労へのサポートは、大変重要な課題であると痛感しました。特に、全力を尽くしたけれども、資源や人手が足りず、十分な援助ができなくて申し訳なかったと自分を責める話を聞くと、胸が締め付けられました。
彼ら援助者は、「緊急時での」「強く」「弱者を救う」存在です。
一般にそう認識されています。
そのため、彼らのケアやサポートは、後回しにされてしまうことは予想に難くありません。
しかし、想像を絶するような現場で様々な死や悲しみや怪我などを取り扱い続けること、その中で冷静を保つ努力をする(涙を見せないなど)ということは、どんなスーパーマンにも心身に負担が来て当たり前のことです。
それだけ、大変な状況で大変なことをしているのです。
だからこそ、援助者のストレスをケアし、サポートすることは、援助者自身の心身の健康のためにも必要ですし、それがひいては、より多くの被災者を援助していくことにもつながるのです。
また、援助者は、「救う立場の自分たちが弱音を吐いてはいけない」という思いが強いために、その辛さや苦しさを口にすることを我慢してしまいがちです。
ですから、援助者をとりまく家族や友人や職場組織の皆さんが、援助者へのサポートの必要性を十分に理解し、適切なサポートをしていくことが大切なのです。

最後に、臨床心理士の松田さと子氏は、ボランティアやプロの援助者に対し、「この震災によって感じる疲労を、自分たちの弱さだと考えないでほしい」と訴えている。

被災者の方の中にも、援助者として頑張っている方がいます。
どうか無理をなさらないでください。

具体が悪くなったり、疲れたりすることは当然のことで、
それは、けっしてあなたが弱いからではないのです。

このポストはグローバル・ボイス2011年東日本大震災特集の一部です。

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